2008年 08月 25日
「スポーツ・マフィア」はどうして生れたのか |
「正義の正体」田中森一×佐藤優 対談 過去も現在も未来も、正義はこうして作られる。からご紹介します。
佐藤 国会議員でマフィアというんでしたら、これはイタリアなどにもある話ですが、ロシアの場合、役人や政府の職員がマフィアということもあるんです。世界的に見ても、これはひじように面白い現象でしょうね。
たとえばロシアにはスポーツ観光国家委員会という、日本でいうところの国土交通省の一部のような役所があるんですが、その次官という人に会ったら、名刺の肩書きのところに、日本で言うところの「OO組組長」といった肩書きが併記されていたことがありますよ。
なぜ、こんなことがロシアで起きているかというと、これにはオリンピックとひじょうに密接な関係があります。
というのも、ご存じのとおり、かつてのソ連ではステート・アマを輩出するために保育園や幼稚園の頃から運動能力に優れた若者を選別していて、スポーツの英才教育を与えた。そこではすごい競争が行なわれていて、中学、高校と段階を踏むごとにふるいに掛けられるわけです。そして見込まれた人間だけが、スポーツ専門学校に入れた。
しかし、そのスポーツ専門学校に入学できても、最終的にオリンピックの選手にまでなれるのは1000人にわずか一人という狭き門です。となれば、残った999人はあぶれてしまうことになる。
田中 オリンピック代表で金メダルなんか取ったら、それこそ英雄で、一生食うに困らないだろうけれど、努力しても代表に選ばれなかった人たちは気の毒だね。
佐藤 単に落第するだけならまだしも、こうした学校では筋肉増強剤などをたっぷりとぶちこんだりして、無理な身体作りをやっていますから、途中で廃人同然になったりする人間もいるんです。もちろん、学業なんかまったくやってないから潰しが利かない。
それでも、ソ連時代はまだよかった。というのは、そうした連中は、ソ連時代にはあちこちにあったスポーツセンターが受け皿となって、そこに就職することができたからです。
田中 国が再雇用先を斡旋してくれたわけだ。
佐藤 ところが、その仕組みがソ連末期くらいから、ほとんど機能しなくなったわけですよ。この結果、何が起きたかというと、そういう人たちが互助組織を作るようになるわけですね。イタリアのマフィアとかと同じように、似たような境遇の者同士で結束して、地回りなんかを始めたんです。
田中 スポーツマンだから腕っ節は強いだろうしね。
佐藤 これが最終的にはネットワークを作り上げて「スポーツ・マフィア」という組になったんですよ。エリツィン大統領はそこに目を付けたんですね。
彼は政府内にスポーツ観光国家委員会という組織を作って、タバコや酒を免税で輸入できる特権を与えて、巨大な利権を与えた。つまり、スポーツ・マフィアという暴力装置を国として管理することに成功したんです。エリツィンの後のプーチン大統領もシエスタコフという自分の腹心の国会議員を入れたりして、そのシステムをそのまま引き継いでいます。このスポーツ・マフィアはロシア国内でも最も恐れられている暴力組織だと言えるでしょう。
#楽隠居です
無事に北京オリンピックも終わったようです。いろいろな意味で面白かったですね。
実は、この本もI川さんからお借りしたのですが、オリンピック絡みということで、第五章 裏社会を語るーーカネと暴力 から抜粋しました。他にも、
第一章 国策捜査はこうして作られる
第二章 検察庁と外務省ーーその実態とは
第四章 検察の情報術、外交官の情報術
などがなかなか面白かったです。
ところで、8月31日(日)に芦屋で初級セミナーを開催するのですが、お陰様で定員となりましたので、一般募集は出来なくなりました。悪しからずご了承ください。会場が狭いので、申し込みが多すぎると、2回に分けなければならないかと心配したのですが、調度1回で収まる人数になりましたので、ほっとしています。
インストラクターとして、M岡さん・I川さん・N山さんが手伝ってくださるということですから、私の仕事はなくなりそうです??有り難いですが寂しいことですねぇ〜
土曜日に、中心塾西宮教室と合気観照塾の稽古も無事終了しましたので、昨日は31日に使うための資料を準備しました。参加メンバーがはっきりしてくると、何となくその方達の為のレッスンを組み立てる気になってきますし、自然に考えが纏まってきます。でも、今回は個人レッスンの経験者がお二人だけですから、他の方は全く初めてのレッスンを体験していただくことになります。再度一からレッスンを組み立てるというのも楽しいものです。
気功歴二十年という方も参加してくださいますので、インストラクターの方達共々いろいろ勉強させていただきたいと楽しみにしています。
参照1:正義の正体
参照2:黒い輪
佐藤 国会議員でマフィアというんでしたら、これはイタリアなどにもある話ですが、ロシアの場合、役人や政府の職員がマフィアということもあるんです。世界的に見ても、これはひじように面白い現象でしょうね。
たとえばロシアにはスポーツ観光国家委員会という、日本でいうところの国土交通省の一部のような役所があるんですが、その次官という人に会ったら、名刺の肩書きのところに、日本で言うところの「OO組組長」といった肩書きが併記されていたことがありますよ。
なぜ、こんなことがロシアで起きているかというと、これにはオリンピックとひじょうに密接な関係があります。
というのも、ご存じのとおり、かつてのソ連ではステート・アマを輩出するために保育園や幼稚園の頃から運動能力に優れた若者を選別していて、スポーツの英才教育を与えた。そこではすごい競争が行なわれていて、中学、高校と段階を踏むごとにふるいに掛けられるわけです。そして見込まれた人間だけが、スポーツ専門学校に入れた。
しかし、そのスポーツ専門学校に入学できても、最終的にオリンピックの選手にまでなれるのは1000人にわずか一人という狭き門です。となれば、残った999人はあぶれてしまうことになる。
田中 オリンピック代表で金メダルなんか取ったら、それこそ英雄で、一生食うに困らないだろうけれど、努力しても代表に選ばれなかった人たちは気の毒だね。
佐藤 単に落第するだけならまだしも、こうした学校では筋肉増強剤などをたっぷりとぶちこんだりして、無理な身体作りをやっていますから、途中で廃人同然になったりする人間もいるんです。もちろん、学業なんかまったくやってないから潰しが利かない。
それでも、ソ連時代はまだよかった。というのは、そうした連中は、ソ連時代にはあちこちにあったスポーツセンターが受け皿となって、そこに就職することができたからです。
田中 国が再雇用先を斡旋してくれたわけだ。
佐藤 ところが、その仕組みがソ連末期くらいから、ほとんど機能しなくなったわけですよ。この結果、何が起きたかというと、そういう人たちが互助組織を作るようになるわけですね。イタリアのマフィアとかと同じように、似たような境遇の者同士で結束して、地回りなんかを始めたんです。
田中 スポーツマンだから腕っ節は強いだろうしね。
佐藤 これが最終的にはネットワークを作り上げて「スポーツ・マフィア」という組になったんですよ。エリツィン大統領はそこに目を付けたんですね。
彼は政府内にスポーツ観光国家委員会という組織を作って、タバコや酒を免税で輸入できる特権を与えて、巨大な利権を与えた。つまり、スポーツ・マフィアという暴力装置を国として管理することに成功したんです。エリツィンの後のプーチン大統領もシエスタコフという自分の腹心の国会議員を入れたりして、そのシステムをそのまま引き継いでいます。このスポーツ・マフィアはロシア国内でも最も恐れられている暴力組織だと言えるでしょう。
#楽隠居です
無事に北京オリンピックも終わったようです。いろいろな意味で面白かったですね。
実は、この本もI川さんからお借りしたのですが、オリンピック絡みということで、第五章 裏社会を語るーーカネと暴力 から抜粋しました。他にも、
第一章 国策捜査はこうして作られる
第二章 検察庁と外務省ーーその実態とは
第四章 検察の情報術、外交官の情報術
などがなかなか面白かったです。
ところで、8月31日(日)に芦屋で初級セミナーを開催するのですが、お陰様で定員となりましたので、一般募集は出来なくなりました。悪しからずご了承ください。会場が狭いので、申し込みが多すぎると、2回に分けなければならないかと心配したのですが、調度1回で収まる人数になりましたので、ほっとしています。
インストラクターとして、M岡さん・I川さん・N山さんが手伝ってくださるということですから、私の仕事はなくなりそうです??有り難いですが寂しいことですねぇ〜
土曜日に、中心塾西宮教室と合気観照塾の稽古も無事終了しましたので、昨日は31日に使うための資料を準備しました。参加メンバーがはっきりしてくると、何となくその方達の為のレッスンを組み立てる気になってきますし、自然に考えが纏まってきます。でも、今回は個人レッスンの経験者がお二人だけですから、他の方は全く初めてのレッスンを体験していただくことになります。再度一からレッスンを組み立てるというのも楽しいものです。
気功歴二十年という方も参加してくださいますので、インストラクターの方達共々いろいろ勉強させていただきたいと楽しみにしています。
参照1:正義の正体
参照2:黒い輪
by centeringkokyu
| 2008-08-25 00:03
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