2008年 05月 17日
現場で身体を動かしながら考える |
茂木健一郎 プロフェッショナル日記からご紹介します。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』今回のゲストは、日本屈指の寿司の名店で、先日ミシュランのガイドで三つ星となった「すきやばし次郎」の小野二郎さん。
すきやばし次郎にうかがった時に、そのお仕事の速さに驚いた。「手当て」と呼ばれる準備は、お客様の前で握る前にすでに済んでいる。
いかにおいしい状態で食べていただくか。そのためには速い方がいいと、二郎さん。二郎さんの手は、82歳という月日の流れが感じられないほどやわらかくて力強い。「何しろ、26の時からずっと握っていますからね」と二郎さん。外出する時は手袋をして、大切な手を保護する。
二郎さんは、7歳の時に家庭の経済事情のため、住み込みの奉公に出された。「辛くはありませんでしたか?」と伺うと、「働くことは楽しかったです」と二郎さん。「とにかく、仕事をしなければ、追い出されてしまう。追い出されたらもう帰るところはない。だから、働くしかありませんでした。」
時代は変わり、「自分に合う仕事」「自分らしさを表現できる仕事」を求める傾向が強いが、「仕事というものは、本来、自分の方が仕事に合わせるものだ」と二郎さん。
魚は一つひとつ違う。その美味しさを、どのように引き出すことができるか。持ち前の「負けず嫌い」と「探求心」で小野二郎さんはぐんぐんと腕を上げていく。常に手を動かして、何かをやり続ける。そんな人生。現場で身体を動かしながら考える。その姿勢に、終わりなき人間の学びのプロセスの一つの見事な典型を見る。
すきやばし次郎で使われている道具は、多くが小野二郎さんの工夫した「オリジナル」。薬味入れは、店のかたちに合わせて形づくられていて、台形をしている。「やはり、きれいごとじゃないとね」と二郎さん。その言葉の通り、小野二郎さんのお使いになる道具は、圧倒的に美しい。
柾目をつかい、徹底的に掃除をする。磨き上げるため、すり減って、ネタ箱などは2、3年で交換するという。すきやばし次郎に一歩踏み入れた時の、りんと張り詰めたような清々しい緊張感。(以下省略)
#楽隠居です
詳しくは「プロフェッショナル日記」をお読みいただくとして、ここでは紹介されていませんが、二郎さんは「私は不器用で、しかも左利きだから、教えてもらった通りの手順で寿司を握れなかった。だから他人の3倍はお寿司を握る稽古をしました。そして二郎握りと呼ばれる握り方をするようになりました。」と言っておられました。
寿司飯は柔らかく握って、一番外側の米粒3列分?だけがくっつくように握っているということでした。
82才になった今でも、常に工夫を怠らないし、それが楽しいとも言っておられました。そして、急に仕事を辞めるのではなく、いつの間にかいなくなったというような辞め方をしたいとも・・・
私も出来る限り楽しみながら、自分の流儀で仕事を続けたいものだと思います。せめて75才ぐらいまでは!
「プロフェッショナル 仕事の流儀 あえて、困難な道を行け」巻頭のマニフェストをご紹介します。
プロフェッショナルとは、自分の流儀にしたがって仕事を積極的にこなしていく人です。輝く個性を持ち、他の人たちとのコミュニケーションにたけ、仕事を通して社会の中に喜びを生み出すことができる人。それがプロフェッショナルです。
私たちの脳の中には、他人の心を映す「鏡」のような働きをする神経細胞(「ミラーニューロン」)があることがわかっています。誰の中にも、他者を鏡とすることで個性を磨く「プロフェッショナルの種」があるのです。
素晴らしい仕事を成し遂げつつある魅力的な人々の話を伺いながら、私たちの中にある「プロフェッショナルの種」を大切に育んでいきたいと思います。
参照1:今日は何から始めよう!
参照2:色々やってみて感じる
参照3:職人は国の宝 国の礎
『プロフェッショナル 仕事の流儀』今回のゲストは、日本屈指の寿司の名店で、先日ミシュランのガイドで三つ星となった「すきやばし次郎」の小野二郎さん。
すきやばし次郎にうかがった時に、そのお仕事の速さに驚いた。「手当て」と呼ばれる準備は、お客様の前で握る前にすでに済んでいる。
いかにおいしい状態で食べていただくか。そのためには速い方がいいと、二郎さん。二郎さんの手は、82歳という月日の流れが感じられないほどやわらかくて力強い。「何しろ、26の時からずっと握っていますからね」と二郎さん。外出する時は手袋をして、大切な手を保護する。
二郎さんは、7歳の時に家庭の経済事情のため、住み込みの奉公に出された。「辛くはありませんでしたか?」と伺うと、「働くことは楽しかったです」と二郎さん。「とにかく、仕事をしなければ、追い出されてしまう。追い出されたらもう帰るところはない。だから、働くしかありませんでした。」
時代は変わり、「自分に合う仕事」「自分らしさを表現できる仕事」を求める傾向が強いが、「仕事というものは、本来、自分の方が仕事に合わせるものだ」と二郎さん。
魚は一つひとつ違う。その美味しさを、どのように引き出すことができるか。持ち前の「負けず嫌い」と「探求心」で小野二郎さんはぐんぐんと腕を上げていく。常に手を動かして、何かをやり続ける。そんな人生。現場で身体を動かしながら考える。その姿勢に、終わりなき人間の学びのプロセスの一つの見事な典型を見る。
すきやばし次郎で使われている道具は、多くが小野二郎さんの工夫した「オリジナル」。薬味入れは、店のかたちに合わせて形づくられていて、台形をしている。「やはり、きれいごとじゃないとね」と二郎さん。その言葉の通り、小野二郎さんのお使いになる道具は、圧倒的に美しい。
柾目をつかい、徹底的に掃除をする。磨き上げるため、すり減って、ネタ箱などは2、3年で交換するという。すきやばし次郎に一歩踏み入れた時の、りんと張り詰めたような清々しい緊張感。(以下省略)
#楽隠居です
詳しくは「プロフェッショナル日記」をお読みいただくとして、ここでは紹介されていませんが、二郎さんは「私は不器用で、しかも左利きだから、教えてもらった通りの手順で寿司を握れなかった。だから他人の3倍はお寿司を握る稽古をしました。そして二郎握りと呼ばれる握り方をするようになりました。」と言っておられました。
寿司飯は柔らかく握って、一番外側の米粒3列分?だけがくっつくように握っているということでした。
82才になった今でも、常に工夫を怠らないし、それが楽しいとも言っておられました。そして、急に仕事を辞めるのではなく、いつの間にかいなくなったというような辞め方をしたいとも・・・
私も出来る限り楽しみながら、自分の流儀で仕事を続けたいものだと思います。せめて75才ぐらいまでは!
「プロフェッショナル 仕事の流儀 あえて、困難な道を行け」巻頭のマニフェストをご紹介します。
プロフェッショナルとは、自分の流儀にしたがって仕事を積極的にこなしていく人です。輝く個性を持ち、他の人たちとのコミュニケーションにたけ、仕事を通して社会の中に喜びを生み出すことができる人。それがプロフェッショナルです。
私たちの脳の中には、他人の心を映す「鏡」のような働きをする神経細胞(「ミラーニューロン」)があることがわかっています。誰の中にも、他者を鏡とすることで個性を磨く「プロフェッショナルの種」があるのです。
素晴らしい仕事を成し遂げつつある魅力的な人々の話を伺いながら、私たちの中にある「プロフェッショナルの種」を大切に育んでいきたいと思います。
参照1:今日は何から始めよう!
参照2:色々やってみて感じる
参照3:職人は国の宝 国の礎
by centeringkokyu
| 2008-05-17 00:03
| 本などの紹介