2008年 03月 12日
脊髄反射と共縮 |

「ミラクルボディー パウエル史上最速の男」で、パウエルは、ピッチ型のゲイより速いピッチであり、かつ歩幅もゲイより長いことがわかりました。原因は、バネの反発力。競技用義足のような強いバネがパウエルに備わっているという説明の部分をデジカメで撮影してつなげてみました。そして、脚の腱がものすごく鍛えられていて固いということでした。パウエルは114kg、朝原は59kg、一般男子は43kg。並みはずれた腱の強さが、ピッチも早く歩幅も長い走りを生んでいるようです。
詳しいことは分かりませんが、このバネの力というのは、合気の身体と共通点があるのではないかとふと思ったというだけのことです。合気の身体の場合には、前進するだけではなく、相手からの力に、臨機応変に対応しないといけないので、股関節の柔軟性も必要だと考えています。
もう一つ番組の中で面白かったのが、「心の問題」です。快調な時には、脊髄からの指令で走っているのに、勝つことに意識がいってしまうと、脳からの指令も混じってしまい、筋肉がリズミカルに緊張と弛緩を繰り返さなくなり、共縮という現象を起こし、走りが乱れるということらしいです。
大阪での世界陸上でもパウエルは、ゲイに敗れしまい「無冠の最速男」のレッテルを貼られています。大阪大会では、前日の夜もレースのことを考えて眠れなかったようです。
スタートではリードしたのに、60m付近で、隣のコースを走るゲイの脚が見えて、歩幅が短くなり、手がグーになり、体軸も傾いてしまっていました。その後のイタリアの小さな大会の予選で9.74の世界新を出したのですが、ライバルもいない大会でした。
この脊髄反射と共縮に関しても、詳しいことは分かりませんが、大東流合気柔術六方会の岡本正剛先生は、合気の要件として「円運動・呼吸・反射」という説明をしておられたと思います。
この反射というのは、「相手が反射を起こして飛ぶ」という意味なのか、「脊髄反射で無意識に相手の中心をずらすような体内操作をする」ということなのかは分かりません。しかし合気道でも「相手を投げようとしてはいけない」と言われているようですから、技を掛ける方が反射的に動けるようにすることなんだと思います。
だって、一応武術なんですから、「反射的に飛ばされる稽古」なんてするはずがないですもんね!
私が相手を投げようと考えた途端に、身体が固まってしまったということは一杯ありました。これはきっと、共縮という現象だったんでしょうねぇ~
技が効いてもいないのに飛んでくださっている皆さん!「どうも!恐縮です。」
参照1:筋紡錐・腱紡錐
参照2:緊張について
参照3:道歌してる?Vol.2
参照4:史上最速の男
by centeringkokyu
| 2008-03-12 00:03
| スポーツ関連