2007年 08月 24日
資源戦争 |
「世界新資源戦争ーー中国、ロシアが狙う新・覇権」宮崎正弘著から抜粋してご紹介します。
第二章"資源爆食怪獣"中国の迷走
◆目に余るアフリカ諸国での資源漁り
広州市は一人当たりのGDPが一万ドルを超えた超発展都市だが、中心街を歩いてみて黒人が多いこと! それもビラ配りやら石材店など3K現場で働いているのである。アフリカ重視という中国外交が、こういう末端の現場に早くも影響しているのだ。
93年に石油輸入国に転落して以来、原油輸入をハチャメチャに拡大する中国は硬軟両面を巧みに使い分けて資源外交を進める。
ハードな方面では軍事拡大、とりわけミサイルによる宇宙衛星撃墜実験の成功は欧米外交筋、軍事関係者に衝撃を与えた。この先端技術開発を売りに、アフリカやらベネズエラ、イランなどに片っ端から武器を売って資源を買う。欧米の人権外交と衝突する。
ソフト外交は故官博物院の宝物を持ち出してロンドン博物館で展示会、その日に訪英した胡錦濤はブレア英国首相と仲良くテープカット。巧みな「和」の演出である。
07年4月に来日した温家宝首相もテレビカメラの前で、ジョギング、太極拳、野球など派手なパフォーマンスにこれつとめ、日本人の印象をかえようと躍起だった(率直に言ってヨタヨタ爺のイメージが強かったが)。
他方では中国=悪のイメージを隠すために外国の代理人を駆使し、「南京」など嘘宣伝プロパガンダ映画を回覧し日本を悪役に仕立てながら。
中国が契約した米国広告代理店の正体は、かのミロシェビッチを悪役とした凄腕のプロダクションだったらしい。
嘗てボスニア&ヘルツェゴビナをめぐる民族戦争でセルビアのミロシェビッチ大統領を一方的な悪玉に仕立て上げて、爆弾事件を演出させた疑惑もある米国の「戦争広告屋」の存在は、識者の間に広く知られる。
そうした戦争広告代理店のひとつと中国の政府機関の代理人が契約し、「反日キャンペーン」をはらせている疑惑が浮かんできた。
中国は最近、南京に「ラーベ記念館」を開設した。これを中国版シンドラーのリストに育て上げ、反日教育に利用する。さらに07年9月頃に南京の抗日記念館(反日教育のメッカ)を三倍規模に拡充して再開するほか、「東京裁判」の映画をつくり、またもでっち上げ歴史観を獅子吼して反日キャンペーンを拡大持続 する方針という。
極めつきがアフリカ諸国への急接近だ。
06年11月にアフリカ53カ国から42人の元首を含む1700人を北京に招待して50億ドルもの経済援助という、日本でもマネの出来ない大盤振る舞いをやってのけた。
エジプトのムバラク大統領も、ナイジェリアのオバサンジョ大統領(当時)も北京に贈り物を頂くためにやってきた。
さらに07年1月にはスーダンなどアフリカ六カ国を胡錦濤が歴訪した(かれのアフリカ諸国行脚は就任以来、じつに三回目だ)。
行く先々で武器輸出の商談。人権を無視した、その阿漕な遣り方に欧米から批判が集中したが、北京は何処吹く風。なにしろアフリカ53カ国のうち45カ国に中国は大使館を設置している(日本は24カ国)。
欧米は中国のアフリカ進出を驚きをもって凝視している。
中国の軍需産業は99年に「民営化」され、宇宙、航空、造船、通常兵器、核の五分野に分割。これを特定十企業が担当し、独自の武器関連ビジネスを世界で展開し、さらに07年5月からは民間68社が軍事産業に参入が許可となった。
儲けの多い輸出ビジネスに血道を上げる。
典型はムガベ大統領の独裁が続くジンバブエにジェット戦闘機を12機、軍用車100両を輸出して、2億4000万ドル。
スーダンにも大量の火砲、戦車、武装ヘリを輸出し「非人道的な軍事政権を支援した」(アムネスティ・インターナショナル)と批判を浴びた。ダイヤモンド利権をめぐつて部族紛争の続いたリベリアにも。
「中国の無差別的な武器輸出は長期的なアフリカ諸国の安全保障を損壊し、人道、民主主義的発展を傷つけた」(米ジェイムズタウン財団報告「チャイナ・ブリーフ」、07年4月7日号)。
だがいまの胡政権は、この軍需産業の暴走をとめる力がないのだ。半官半民ならぬ「半党半軍」というのが中国軍需産業の実態である。
アフリカへの援助資金の捻出は輸出好調によって溜まった外貨準備からも一部転用している。
07年4月現在、1兆2000億ドルを超えた外貨準備高から2000億ドルを国有銀行の不良債権処理のためにぶち込んだが、海外鉱区の取得にも外貨準備から回している。
人工的に不良債権を希釈し、「国際基準を満たした」などと公言して香港株式市場に上場した中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行は400億ドル(6兆円)を掻き集めた。これも資源鉱区あさりの"戦費"の一部にばけた。
つぎに国有石油企業大手の「中国石油化工 (シノペック)」に150億元を投入した。ガソリンなど石油製品を国際価格より安く中国国内で販売するための赤字補填が目的と説明された。じつはこれも海外の油田、ガス鉱区を買収するための軍資金なのだ。
#楽隠居です
この本のプロローグ は、「欧米メジャーの凋落、中露イランの勃興」
そして、第一章は、「プーチンのロシアは資源株式会社」となっています。
以下に最近のニュースをご紹介しておきますが、いろんな意味での戦争は、無くなりそうにありませんね!資源戦争が本当の戦争になってしまう場合だってあるんですから、「平和」というお題目をいくら唱えていても、御利益は薄いかもしれません。「平和惚け」にさせておいて、某国の意図のままに日本を使おうとしているかもしれませんし、某国の手先となってメディア操作をしている輩もいるようです。自分達の利益の為に、国益を損なうことには気付かない振りをしているということはないんでしょうね!
参照:日経が朝青龍モンゴル帰国容認
第二章"資源爆食怪獣"中国の迷走
◆目に余るアフリカ諸国での資源漁り
広州市は一人当たりのGDPが一万ドルを超えた超発展都市だが、中心街を歩いてみて黒人が多いこと! それもビラ配りやら石材店など3K現場で働いているのである。アフリカ重視という中国外交が、こういう末端の現場に早くも影響しているのだ。
93年に石油輸入国に転落して以来、原油輸入をハチャメチャに拡大する中国は硬軟両面を巧みに使い分けて資源外交を進める。
ハードな方面では軍事拡大、とりわけミサイルによる宇宙衛星撃墜実験の成功は欧米外交筋、軍事関係者に衝撃を与えた。この先端技術開発を売りに、アフリカやらベネズエラ、イランなどに片っ端から武器を売って資源を買う。欧米の人権外交と衝突する。
ソフト外交は故官博物院の宝物を持ち出してロンドン博物館で展示会、その日に訪英した胡錦濤はブレア英国首相と仲良くテープカット。巧みな「和」の演出である。
07年4月に来日した温家宝首相もテレビカメラの前で、ジョギング、太極拳、野球など派手なパフォーマンスにこれつとめ、日本人の印象をかえようと躍起だった(率直に言ってヨタヨタ爺のイメージが強かったが)。
他方では中国=悪のイメージを隠すために外国の代理人を駆使し、「南京」など嘘宣伝プロパガンダ映画を回覧し日本を悪役に仕立てながら。
中国が契約した米国広告代理店の正体は、かのミロシェビッチを悪役とした凄腕のプロダクションだったらしい。
嘗てボスニア&ヘルツェゴビナをめぐる民族戦争でセルビアのミロシェビッチ大統領を一方的な悪玉に仕立て上げて、爆弾事件を演出させた疑惑もある米国の「戦争広告屋」の存在は、識者の間に広く知られる。
そうした戦争広告代理店のひとつと中国の政府機関の代理人が契約し、「反日キャンペーン」をはらせている疑惑が浮かんできた。
中国は最近、南京に「ラーベ記念館」を開設した。これを中国版シンドラーのリストに育て上げ、反日教育に利用する。さらに07年9月頃に南京の抗日記念館(反日教育のメッカ)を三倍規模に拡充して再開するほか、「東京裁判」の映画をつくり、またもでっち上げ歴史観を獅子吼して反日キャンペーンを拡大持続 する方針という。
極めつきがアフリカ諸国への急接近だ。
06年11月にアフリカ53カ国から42人の元首を含む1700人を北京に招待して50億ドルもの経済援助という、日本でもマネの出来ない大盤振る舞いをやってのけた。
エジプトのムバラク大統領も、ナイジェリアのオバサンジョ大統領(当時)も北京に贈り物を頂くためにやってきた。
さらに07年1月にはスーダンなどアフリカ六カ国を胡錦濤が歴訪した(かれのアフリカ諸国行脚は就任以来、じつに三回目だ)。
行く先々で武器輸出の商談。人権を無視した、その阿漕な遣り方に欧米から批判が集中したが、北京は何処吹く風。なにしろアフリカ53カ国のうち45カ国に中国は大使館を設置している(日本は24カ国)。
欧米は中国のアフリカ進出を驚きをもって凝視している。
中国の軍需産業は99年に「民営化」され、宇宙、航空、造船、通常兵器、核の五分野に分割。これを特定十企業が担当し、独自の武器関連ビジネスを世界で展開し、さらに07年5月からは民間68社が軍事産業に参入が許可となった。
儲けの多い輸出ビジネスに血道を上げる。
典型はムガベ大統領の独裁が続くジンバブエにジェット戦闘機を12機、軍用車100両を輸出して、2億4000万ドル。
スーダンにも大量の火砲、戦車、武装ヘリを輸出し「非人道的な軍事政権を支援した」(アムネスティ・インターナショナル)と批判を浴びた。ダイヤモンド利権をめぐつて部族紛争の続いたリベリアにも。
「中国の無差別的な武器輸出は長期的なアフリカ諸国の安全保障を損壊し、人道、民主主義的発展を傷つけた」(米ジェイムズタウン財団報告「チャイナ・ブリーフ」、07年4月7日号)。
だがいまの胡政権は、この軍需産業の暴走をとめる力がないのだ。半官半民ならぬ「半党半軍」というのが中国軍需産業の実態である。
アフリカへの援助資金の捻出は輸出好調によって溜まった外貨準備からも一部転用している。
07年4月現在、1兆2000億ドルを超えた外貨準備高から2000億ドルを国有銀行の不良債権処理のためにぶち込んだが、海外鉱区の取得にも外貨準備から回している。
人工的に不良債権を希釈し、「国際基準を満たした」などと公言して香港株式市場に上場した中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行は400億ドル(6兆円)を掻き集めた。これも資源鉱区あさりの"戦費"の一部にばけた。
つぎに国有石油企業大手の「中国石油化工 (シノペック)」に150億元を投入した。ガソリンなど石油製品を国際価格より安く中国国内で販売するための赤字補填が目的と説明された。じつはこれも海外の油田、ガス鉱区を買収するための軍資金なのだ。
#楽隠居です
この本のプロローグ は、「欧米メジャーの凋落、中露イランの勃興」
そして、第一章は、「プーチンのロシアは資源株式会社」となっています。
以下に最近のニュースをご紹介しておきますが、いろんな意味での戦争は、無くなりそうにありませんね!資源戦争が本当の戦争になってしまう場合だってあるんですから、「平和」というお題目をいくら唱えていても、御利益は薄いかもしれません。「平和惚け」にさせておいて、某国の意図のままに日本を使おうとしているかもしれませんし、某国の手先となってメディア操作をしている輩もいるようです。自分達の利益の為に、国益を損なうことには気付かない振りをしているということはないんでしょうね!
参照:日経が朝青龍モンゴル帰国容認
by centeringkokyu
| 2007-08-24 00:03
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