2007年 03月 16日
溶けゆく日本人 |
「シュガー社員」ツケを払うのは会社 SankeiWEB 2007/03/14 から
「シュガー社員」−。札幌市の社会保険労務士事務所所長、田北百樹子(ゆきこ)さんは、過保護に育てられ自立心に乏しい社員をそう呼ぶ。「甘い=砂糖」の意味を込めたネーミングだ。きっかけは、労務相談で耳にした人事担当者らの悲鳴だった。
「繁忙期に残業すると、『なぜ残業させるのか』と親から電話がくる。中小企業では、親が会社に文句をつけてくるのも驚くべきことではないのかもしれません」
ある機械販売会社に勤める20代の女性社員は、あまりに仕事の進みが遅く、ミスも多かったため、上司から時間の使い方を注意された。
「親にさえ叱(しか)られたことがない」
女性社員は急に怒り出し、翌日から出社しなくなった。
「本人が辞めたいと言っていますので…」。数日後、会社に電話してきたのは母親だった。「学校を休むのと勘違いしている」(田北さん)。結局、本人からは何の挨拶(あいさつ)もなく、備品の返却や必要な退職手続きは、すべて母親が“代行”した。その姿は、自立した社会人像とはほど遠い。
こんな事例もある。
「資格を取るために勉強できるか」と聞かれ、「親に相談します」と答えた▽「娘の労働条件をすべて把握したい」と社外持ち出し禁止の就業規則をほしがる親と、それに従おうとする娘▽仕事で壁にぶつかるたびに、「やりがいがない」「自分に向いていない」と転職を繰り返す40歳近い男性社員と、そのたびに生活費を援助する母親…。一昨年夏、田北さんが常識外れの社員の言動を「実践マナー講座」としてDVDにまとめると、「社員教育に使いたい」と、地元企業からの問い合わせが殺到した。
「自分の言うことが何でも通るような家庭環境で育ったからでしょう、権利ばかりを主張し、周りへの配慮に欠ける社員がここ数年増えています」と田北さん。そして、こう“指弾”した。
「『かわいがる』と『甘やかす』の区別ができない親が多い」
大手企業の関係者も、“過保護社会”の影を感じ取っている。
「御社は私をどう育ててくれるのですか」
人事コンサルタントの田代英治さんは、ここ2、3年、大手企業の採用面接で、学生からそんな質問が続出していることに違和感を抱く。
「今まで周りから与えられ続けて、自分で道を切り開く経験が不足しているのでしょうか。言われるまでただ待っている受け身の人は確かに増えました」。売り手市場のなか、「内定者に入社してもらう決め手は親あての手紙」(中堅企業)という声までも聞こえてくる。
がぜん、社員教育の比重は増す。しかし、指導する立場の上司も問題を抱えており、事はすんなりと運ばない。
3月上旬、東京都足立区の研修センターに、主に中小企業で働く20代から50代の管理職や管理職候補16人が集まった。社員教育を手がける「アイウィル」(東京)が行う2泊3日の「管理者能力養成コース」。参加者たちが熱心に耳を傾けていたのは「叱ること」と「ほめること」についての講義だ。
講座では、叱るときの注意点や心構えなども学んだが、そのなかで参加者に求めた自己採点の結果は、軒並み合格点以下だった。「叱れない」管理職たち−そんな現実を再認識するものとなってしまったのだ。
叱られた経験が少ない人が上司になるケースも増えており、年間の修了者数は10年前の約3倍に上る。最近では「叱り方」を教える本も書店に並び、人気を集める。
「部下に仕事を指示しても、『半分にしてください』『ほかの人に回してください』なんて言われてしまう。その直後に叱るべきだが、『厳しく言うと辞めてしまう』という思いや、諦(あきら)めから、結局、大抵の上司は指導すべきときにできないし、しなくなる。それが今の“普通の会社”の状況です」
アイウィルの染谷和巳社長の嘆きは深い。
親と子、教師と生徒の関係が対等に近いものに変質していく一方で、「利益を上げるための組織である企業には、多かれ少なかれ上下関係や守るべきルールが存在する」(田代さん)。このギャップにつまずき、入社直後に辞める若者が後を絶たない。
「失敗してもねばり強く取り組む力」「チームで働く力」−。経済産業省の研究会が昨年初めて定義した「社会人基礎力」だ。産業界からの「学力に表れない力」の低下を懸念する声を受けたもので、そこには、「これまでは、子供から大人になる過程で『自然に』身に付けられるとされてきた」(同省)ような文言が並ぶ。
アイウィルの染谷社長は言う。
「いまや家庭も学校も本当に必要なしつけはすべて先送り。そして、会社がお金を出してうちのような研修に参加する。過保護のツケを企業が払わされているのです」(海老沢類)
■独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成17年、全国の従業員100人以上の企業1237社に、若年社員(34歳以下、非正規従業員も含む)の問題点(複数回答)を聞いたところ、「コミュニケーションが下手」が27.6%と多く、「定着しない」(18.4%)、「あいさつできない/電話での応対が下手」(17.5%)が続いた。また、若年社員の定着のために工夫していることでは「人事部や上司による面接」(36.9%)、「成果の賃金への反映」(34.4%)などが多かったが、「何もしていない」という回答も22.2%に上った。
参照:Sankei Web 溶けゆく日本人
#楽隠居です
人間が生まれながらに持っているといわれる「人権」。自分の立場を主張する権利は、当然、誰でも持っています。
以前地下鉄で、見知らぬご婦人が、パチンコ友達の男性との会話の中で、「コンビニでちょっと万引きしたら見つかって、コンビニの店主に糞味噌に言われた。あんな言い方をするなんて人権侵害や訴えてやりたい!」と怒っておられました。
毎日万引きされるコンビニの店主の人権は・・・
世界平和・自由・平等・人権・男女同権を教えている学校側の悲鳴は、こちらの本で紹介されています。先生方も大変なんですねぇ〜
悲鳴をあげる学校の目次だけをご紹介しておきます。
第1章 悲鳴をあげる学校 ふえる学校へのイチャモン
1.なんでもかんでも学校のせい?
2.どこでも起きている学校へのイチャモン
3.学校は「迷惑施設」?
4.学校への要望、苦情、そしてイチャモン
5.「匿名性」の危うさ
6.事件は現場で起きている—イチャモン研究の動機
7.イチャモンは本当に増えているのか
8.教師と学校の過剰反応
第2章 なぜふえる学校へのイチャモン
1.学校へのイチャモンの増加と社会の崩壊
2.学校だけがターゲットになっているわけではない
3.社会全体に広がっている「言ったもん勝ち」の風潮
4.いまの社会は果たしてまともなのか?
5.「どっちもどっち論」は正しい?
6.学校へのイチャモン急増の理由
7.公教育をどうしようというのか?
第3章 イチャモンはどうしたら打開できるか
1.「本質」と「現象」を見きわめることの重要性
2.ロールプレイングのすすめ—具体的ケースから学ぶ
3.クイズ「次のケースはイチャモンか?」
4.「正解はない!」
5.立場と価値観のちがい
6.話し合うことの大切さ
7.一人で背負い込まないで共同化を
8.残念ながら解決できない場合もあります
9.あと三年踏ん張ってくれませんか
第4章 子ども“で”つながろう“イチャモン”の裏返しは“連携”
1.保護者のみなさんへのお願い
2.トラブル=子どもの成長の課題
3.日本の学校は本当に「閉鎖的」なのか?
4.日本の学校の“特質”とは?
5.「等身大の学校の姿」をみんなで確認
6.“イチャモン”の裏返しは“連携”
参照:人権週間
「シュガー社員」−。札幌市の社会保険労務士事務所所長、田北百樹子(ゆきこ)さんは、過保護に育てられ自立心に乏しい社員をそう呼ぶ。「甘い=砂糖」の意味を込めたネーミングだ。きっかけは、労務相談で耳にした人事担当者らの悲鳴だった。
「繁忙期に残業すると、『なぜ残業させるのか』と親から電話がくる。中小企業では、親が会社に文句をつけてくるのも驚くべきことではないのかもしれません」
ある機械販売会社に勤める20代の女性社員は、あまりに仕事の進みが遅く、ミスも多かったため、上司から時間の使い方を注意された。
「親にさえ叱(しか)られたことがない」
女性社員は急に怒り出し、翌日から出社しなくなった。
「本人が辞めたいと言っていますので…」。数日後、会社に電話してきたのは母親だった。「学校を休むのと勘違いしている」(田北さん)。結局、本人からは何の挨拶(あいさつ)もなく、備品の返却や必要な退職手続きは、すべて母親が“代行”した。その姿は、自立した社会人像とはほど遠い。
こんな事例もある。
「資格を取るために勉強できるか」と聞かれ、「親に相談します」と答えた▽「娘の労働条件をすべて把握したい」と社外持ち出し禁止の就業規則をほしがる親と、それに従おうとする娘▽仕事で壁にぶつかるたびに、「やりがいがない」「自分に向いていない」と転職を繰り返す40歳近い男性社員と、そのたびに生活費を援助する母親…。一昨年夏、田北さんが常識外れの社員の言動を「実践マナー講座」としてDVDにまとめると、「社員教育に使いたい」と、地元企業からの問い合わせが殺到した。
「自分の言うことが何でも通るような家庭環境で育ったからでしょう、権利ばかりを主張し、周りへの配慮に欠ける社員がここ数年増えています」と田北さん。そして、こう“指弾”した。
「『かわいがる』と『甘やかす』の区別ができない親が多い」
大手企業の関係者も、“過保護社会”の影を感じ取っている。
「御社は私をどう育ててくれるのですか」
人事コンサルタントの田代英治さんは、ここ2、3年、大手企業の採用面接で、学生からそんな質問が続出していることに違和感を抱く。
「今まで周りから与えられ続けて、自分で道を切り開く経験が不足しているのでしょうか。言われるまでただ待っている受け身の人は確かに増えました」。売り手市場のなか、「内定者に入社してもらう決め手は親あての手紙」(中堅企業)という声までも聞こえてくる。
がぜん、社員教育の比重は増す。しかし、指導する立場の上司も問題を抱えており、事はすんなりと運ばない。
3月上旬、東京都足立区の研修センターに、主に中小企業で働く20代から50代の管理職や管理職候補16人が集まった。社員教育を手がける「アイウィル」(東京)が行う2泊3日の「管理者能力養成コース」。参加者たちが熱心に耳を傾けていたのは「叱ること」と「ほめること」についての講義だ。
講座では、叱るときの注意点や心構えなども学んだが、そのなかで参加者に求めた自己採点の結果は、軒並み合格点以下だった。「叱れない」管理職たち−そんな現実を再認識するものとなってしまったのだ。
叱られた経験が少ない人が上司になるケースも増えており、年間の修了者数は10年前の約3倍に上る。最近では「叱り方」を教える本も書店に並び、人気を集める。
「部下に仕事を指示しても、『半分にしてください』『ほかの人に回してください』なんて言われてしまう。その直後に叱るべきだが、『厳しく言うと辞めてしまう』という思いや、諦(あきら)めから、結局、大抵の上司は指導すべきときにできないし、しなくなる。それが今の“普通の会社”の状況です」
アイウィルの染谷和巳社長の嘆きは深い。
親と子、教師と生徒の関係が対等に近いものに変質していく一方で、「利益を上げるための組織である企業には、多かれ少なかれ上下関係や守るべきルールが存在する」(田代さん)。このギャップにつまずき、入社直後に辞める若者が後を絶たない。
「失敗してもねばり強く取り組む力」「チームで働く力」−。経済産業省の研究会が昨年初めて定義した「社会人基礎力」だ。産業界からの「学力に表れない力」の低下を懸念する声を受けたもので、そこには、「これまでは、子供から大人になる過程で『自然に』身に付けられるとされてきた」(同省)ような文言が並ぶ。
アイウィルの染谷社長は言う。
「いまや家庭も学校も本当に必要なしつけはすべて先送り。そして、会社がお金を出してうちのような研修に参加する。過保護のツケを企業が払わされているのです」(海老沢類)
■独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成17年、全国の従業員100人以上の企業1237社に、若年社員(34歳以下、非正規従業員も含む)の問題点(複数回答)を聞いたところ、「コミュニケーションが下手」が27.6%と多く、「定着しない」(18.4%)、「あいさつできない/電話での応対が下手」(17.5%)が続いた。また、若年社員の定着のために工夫していることでは「人事部や上司による面接」(36.9%)、「成果の賃金への反映」(34.4%)などが多かったが、「何もしていない」という回答も22.2%に上った。
参照:Sankei Web 溶けゆく日本人
#楽隠居です
人間が生まれながらに持っているといわれる「人権」。自分の立場を主張する権利は、当然、誰でも持っています。
以前地下鉄で、見知らぬご婦人が、パチンコ友達の男性との会話の中で、「コンビニでちょっと万引きしたら見つかって、コンビニの店主に糞味噌に言われた。あんな言い方をするなんて人権侵害や訴えてやりたい!」と怒っておられました。
毎日万引きされるコンビニの店主の人権は・・・
世界平和・自由・平等・人権・男女同権を教えている学校側の悲鳴は、こちらの本で紹介されています。先生方も大変なんですねぇ〜
悲鳴をあげる学校の目次だけをご紹介しておきます。
第1章 悲鳴をあげる学校 ふえる学校へのイチャモン
1.なんでもかんでも学校のせい?
2.どこでも起きている学校へのイチャモン
3.学校は「迷惑施設」?
4.学校への要望、苦情、そしてイチャモン
5.「匿名性」の危うさ
6.事件は現場で起きている—イチャモン研究の動機
7.イチャモンは本当に増えているのか
8.教師と学校の過剰反応
第2章 なぜふえる学校へのイチャモン
1.学校へのイチャモンの増加と社会の崩壊
2.学校だけがターゲットになっているわけではない
3.社会全体に広がっている「言ったもん勝ち」の風潮
4.いまの社会は果たしてまともなのか?
5.「どっちもどっち論」は正しい?
6.学校へのイチャモン急増の理由
7.公教育をどうしようというのか?
第3章 イチャモンはどうしたら打開できるか
1.「本質」と「現象」を見きわめることの重要性
2.ロールプレイングのすすめ—具体的ケースから学ぶ
3.クイズ「次のケースはイチャモンか?」
4.「正解はない!」
5.立場と価値観のちがい
6.話し合うことの大切さ
7.一人で背負い込まないで共同化を
8.残念ながら解決できない場合もあります
9.あと三年踏ん張ってくれませんか
第4章 子ども“で”つながろう“イチャモン”の裏返しは“連携”
1.保護者のみなさんへのお願い
2.トラブル=子どもの成長の課題
3.日本の学校は本当に「閉鎖的」なのか?
4.日本の学校の“特質”とは?
5.「等身大の学校の姿」をみんなで確認
6.“イチャモン”の裏返しは“連携”
参照:人権週間
by centeringkokyu
| 2007-03-16 00:00
| 日常