2022年 07月 17日
周りの空間に五感を広げる |
▼師匠が、「脳の迷路の冒険」フェルデンクライス・著のまとめの未掲載箇所を抜粋してくださいました
P34
いま検討している機能はいったいどの年齢まで退化しているのかということです。患者がどの年齢まで退化しているかを推定することは、やがて回復するための手段をつくり上げるうえで欠かすことができません。
P39
私は機能障害に陥った人を前にするとき、言葉では考えないように特別の努力を払います。論理的に正しい文章の形では考えないように努めます。障害に関する神経の仕組みを自分の心の目で見て想像してみるのが、すでに習慣になっています。流れるものの動きをどの部分が生み出しているのかを想像してみます。
P40
この障害の原因は、流れが拡散したからか、消滅したからか、進路を外れたからか、刺激が足りないからか、流れが途切れたからか、それとも変換機能のどこかが損なわれているからなのか?
P45
一つの機能だけに集中することによって、私は、環境から集められるはずの情報とそれを処理することのできるメカニズムを想像し、さらに、身体の構造のどこに動こうとする意志が宿っているかをイメージし、最後に、その意志を実現しうる手段をイメージしました。そうやって最終的に、外部からの情報と、絶えず姿勢を変化する身体構造との統合を考慮しました。
P46
身体意識にとって、もう一つのきわめて重要な段階は、左右を区別することです。この違いを学ぶのはなまやさしいことではありません。これを識別する感覚がきわめて貧弱な成人も結構多く、そういうひとたちは右や左に身体を回すときに、すでに身に付けたやり方しかしないものです。
P54
問題は単なる訓練で解決できるものではないということをみなさんにわかっていただきたいのです。反復、努力、報酬、懲罰では解決できません。
P62
瞬間ごと、一日ごとの微妙な変化を識別できなかったならば、私は果てしのない反復練習を続けることができなかったでしょう。私は、助手たちに、後戻りの中にも前進があることを教えました。私の作業の中で大切なことですが、似たような現象を思い起こすと同時に、それらをまるで初めて出会ったように、新鮮な目で見なくてはなりません。そういうやり方で、私は手詰まりの瞬間にも諦めることなく、直面している症状を見抜きます。
P69
立つなりゆっくり歩くなりしながら、どこをどのように見ているかを確かめてください。
ほとんど前ばかり見ていて左右のことは無視していませんか?
後ろの空間に耳をすませていますか?
上の方になにも注意を引くものがなくても、上にはなにがあるかをいつも感じているでしょうか?
よく組織された、機敏なひとたちは、歩くときじっと地面を見つめたりせず、ときたま目をやるだけです。
ほとんどつねに、その五感はひろがっていて、右から左までのほとんどあらゆるものを捉えています。
耳は後ろで何が起こっているかを聞いています。
動物やジャングルで孤立した人間は、つねに自分の周りの空間に気がついていなかったら、一日といえども生き延びることはできないでしょう。
▼助産師さんが師匠に送られたメールです
五感はひろがっていて、右から左までのほとんどあらゆるものを捉えています。耳は後ろで何が起こっているかを聞いています。
この文章が今の私には、一番ヒットするかな〜(笑)
昨日の東雲道場で、I尻さんから、
静岡から参加されたHさんの
指導係に抜擢され…
え〜っ…私が?!と、戸惑いましたが…
諦めて…(笑)
Hさんの身体の様子を観察しながら…
歩法の練習をしました…。
Hさんは、
首がやや、前へ落ちかげん…
巻肩…
両膝が、内寄り…
ご自身では、
足の裏の親指の下がいつも出っ張っていて、
痛くなる…と、
言われました…。
視線は、下方向へ向いていたので、
視線は、まっすぐ前を見て行うこと…。
たすき掛けをしてもらい…
肩甲骨から腕を動かす意識をもつこと…。
お尻は座るようにして、膝をゆるめること…。
足裏の3点の意識…と、親指の反りが大切なこと…。
などなど…一緒に練習しました。
最初は、私の後から着いて練習して頂いたので、
振り返ったら…
幽霊みたいな歩法になっていて…(笑)
教えるって、難しい!
と、戸惑いましたが…
I尻さんの合いの手も借りながら、
何とか4時間後には…それなりに、良い身体の使い方が出来るようになられました。
本人の感想は、
「全部、目からウロコ…です!
自分の癖がわかるように、なりたいです!」と
そうなんですよね〜
まずは、自分の身体の使い方の癖に気づくこと!
そして、原因もわかれば、さらに良いですよね!
やってもらうばかりでは、
良くならない…。
本人が気づけていないから…。
初めは、誰かに指摘されていい…。
徐々に、自分の弱点を…
修正していけばよい…。
健常者でも、自分の癖が気づけないのだから…
身体に障害のある方は、動かし方のパターンに
気がつくのは大変だろう…。
五感…を広げていくって…重要なポイントじゃないでしょうか…?
それが、身体のテンセグリティ…となり
バランスにも繋がっていくのでは、ないでしょうか…?
自分軸を中心に
前…後…左…右…上…下…の
感覚を感じていく練習は、効果があるのかも
知れません…。
どうやれば…その練習が出来るのかな〜
工夫が必要ですね…
AK先生から
滝行の時に、水の音を聞けるようにならないと、
ダメ!と、言われていますが…
それも、背後の意識をつかむための練習なんでしょうね…
K元さんが、これから、どう工夫されるのか… 楽しみですね…
いつも、興味深い資料をありがとうございます。
感謝します。
〆管理人です
日々の生活の中で、身体の使えていない場所や認識できていない感覚がたくさんあります。
健康であり続けるためには、意識を広げて、変化を楽しむ心持ちが大切ですね。
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◆呼吸が入る位置で体内操作 【吹田道場】
○相手の持つ太極棒に馴染んで持つ
・呼吸が入る様に持つ
・自分の都合で持たない
・自分の都合で調整しない
・自分の都合で動くと相手の手の内がずれて気付かれる
・太極棒の芯を掴む
・太極棒の芯を転がして手首から頸まで繋げていく
・繋げた所で相手に押してもらい合気がかかるか確認する
・繋がっていなければ、そのずれを微調整して確認する
◆ぶつからずに息を吸える経路 【吹田道場】
相手が持つバランスのまま、中心から順に手を伸ばして太極棒に手を添える
息を吸った時の身体の張りによって、棒を長軸方向に引き分けられるバランスで持つ
息を吸い上げ、手首が決まり、肘が落ち、肩の力が抜けるように弛める
緊張したらその都度弛めて吸い直し、ぶつからずに息を吸える経路を辿る
接点を変えずに自分のポジションを変えて、ちょうど良い距離感で相手の軸に合わす
中央より側方のラインに呼吸を通し、棒の傾きに付いていくことで垂直に立てる
横隔膜の高さをキープしたまま、脚を通って足底へ抜けていく経路へ落とす
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by centeringkokyu
| 2022-07-17 23:52
| フェルデンクライス関連