2014年 03月 08日
呼吸の隙間で変化を味わう |
▼KTさんからの投稿をご紹介します
本日も個人レッスンでのご指導ありがとうございました。
今回も1,2月に引き続き、歩法を題材にご指導して頂きました。
歩法の体重移動で、左右半身の立て替えのときに、
股関節から鎖骨ラインの繋がりが途切れがちになるのが、現在の課題です。
立て替え動作を確認して頂いたところ、
右胸部から背面にかけての緊張と右上腕が内旋しがちであることが関係しているとのことでした。
これらは、左股関節~仙腸関節の連動が甘いことによる代償作用として現れたのではないかと自己解釈していたのですが、
やはりそのようでした。
そこで、仰臥位でバックストレッチャーを当ててのセンタリング呼吸をすることによって、こういった現象が起きている身体の状況の現状認識を行いました。
先生のリードの下、呼吸の通りが悪い部位を調整して頂きながら、刻々と変化する内側を感(観)じました。
すると、背骨周りでは、腰椎の7番から10番の辺りの呼吸の通りが悪いことが自覚でき、それらの部位を支点にして、右上半身と左股関節がアンバランスの中でのバランスを取っているようです。
補助として骨盤周りを伸縮性のあるバンドで締めた状態と、
股関節が開いた状態での呼吸の入り具合を比較すると、
明らかに前者の方が呼吸が細く長く通りました。
その他にも、上肢を挙上させたり、側臥位になったり、
色々と前提条件を変化させながら
吸う・緩める・吐く・(緩める)→吸う・緩める・・・
を繰り返しました。
特に「吸うと吐く」の間の「緩める」の際に、パッと緩めるので無しに、丁寧に味わうように、時には身体の部分をずらしながら緩めると、丹田に圧が落ちやすく、次の「吐く」で息が丹田へ集約しやすくなりました。
また、吸気と呼気との間の「緩める」と、呼気時の「緩める」、呼気と吸気の間の「緩める」、それぞれ3つの「緩める」の微妙な違いや変化を味わうことで、吸気の際の身体の緊張の仕方の癖や、息の通り方が認識しやすくなることが体感できました。
まとめますと、バックストレッチャーを使ってのセンタリング呼吸は、
・息の通る部位と通らない部位の違いを感じやすくなる(特に背骨周り)
・段々と呼吸が一様に近く通るようになると、腰椎から頸椎まで背骨が自然と"ヘ”の字になりやすくなる
といった利点を確認できました。
このように、それまでのやり方にちょっとした味付け(=工夫)や違った刺激を加えることで、感じにくい身体感覚が喚起されてくることは大発見でした。
こういった工夫を常にされてきた先生の取り組みに触れることによって、私自身の鍼灸の臨床に還元できることが多々あるので、本当に有り難い限りです。
ある程度調整されたところで、立位で身体の状態を確認すると、
左股関節がしまり、右上半身の緊張が抜けてきたことで、
上体の力がストンと地面へ抜けるのを感じられました。
最後に、普通の立て替えや剣を持ちながらの立て替えを行いました。
立位では股関節と鎖骨までのラインをキープしながら立て替えの動作がスムーズになったものの、剣を持つと、手首の決めや肘の抜けといった点に課題があるため、物打ちを付け続ける意識が途切れがちになって、立て替え動作にぎこちなさが残りました。
そこで、立禅のチーシーの動作や、発勁の「吸入・圧縮・爆発・排気」の時と同様の感覚で、呼気時に物打ちへ息が通るようになると、西江水が効きやすくなるというご指導をして頂きました。
この辺りを身体に落とし込んでいくことが、今後の稽古の課題です。
今回も、歩法という一つのテーマの中に、様々なエッセンスを絡ませてご指導して頂き、ありがとうございました。
自分にとっての新たな課題になったことで、この一ヶ月自主稽古を積んでいきますので、来月もご指導宜しくお願い致します。
▼楽隠居からの返信
こちらこそ有り難うございました。
結局は、「吸う・緩める・吐く・(緩める)→吸う・緩める・・・」
ということをしながら、身体の変化と中心軸を観照することなのかもしれません。
何度もお読みとは思いますが、関連記事を貼り付けておきます。
お暇な時にご一読ください。
参照1:先生は間違ってます
参照2:呼吸の隙間での脱力
参照3:舟漕ぎ運動でのテスト
参照4:自己開発法
参照5:足の上げ方を科学する?
☆リンク先で更新された記事
◆芯めとり
鏡に映った自分と写真に写った自分が同じでないことからも分かるように、身体は完全な左右対称ではありません。
普段行なっている振る舞いにおいて偏りが強い場合には、より著明な左右差が生じることもあります。さらに、内臓においては、左右の肺の大きさから、心臓の位置や形から、胃腸の走行に至るまで、対称な部分はほとんど見当たりません。
けれども、私達は、得手不得手こそあれ、それほど左右の差と言うことを意識していなくても、様々な動作を行なえています。
一芸に秀でた方々の身のこなしを拝見する中で、あるいは自分自身の動きを見直しながら、身体における対称性と非対称性が、どのようにして両立されているのかという疑問が、以前から頭の片隅にありました。
本日も個人レッスンでのご指導ありがとうございました。
今回も1,2月に引き続き、歩法を題材にご指導して頂きました。
歩法の体重移動で、左右半身の立て替えのときに、
股関節から鎖骨ラインの繋がりが途切れがちになるのが、現在の課題です。
立て替え動作を確認して頂いたところ、
右胸部から背面にかけての緊張と右上腕が内旋しがちであることが関係しているとのことでした。
これらは、左股関節~仙腸関節の連動が甘いことによる代償作用として現れたのではないかと自己解釈していたのですが、
やはりそのようでした。
そこで、仰臥位でバックストレッチャーを当ててのセンタリング呼吸をすることによって、こういった現象が起きている身体の状況の現状認識を行いました。
先生のリードの下、呼吸の通りが悪い部位を調整して頂きながら、刻々と変化する内側を感(観)じました。
すると、背骨周りでは、腰椎の7番から10番の辺りの呼吸の通りが悪いことが自覚でき、それらの部位を支点にして、右上半身と左股関節がアンバランスの中でのバランスを取っているようです。
補助として骨盤周りを伸縮性のあるバンドで締めた状態と、
股関節が開いた状態での呼吸の入り具合を比較すると、
明らかに前者の方が呼吸が細く長く通りました。
その他にも、上肢を挙上させたり、側臥位になったり、
色々と前提条件を変化させながら
吸う・緩める・吐く・(緩める)→吸う・緩める・・・
を繰り返しました。
特に「吸うと吐く」の間の「緩める」の際に、パッと緩めるので無しに、丁寧に味わうように、時には身体の部分をずらしながら緩めると、丹田に圧が落ちやすく、次の「吐く」で息が丹田へ集約しやすくなりました。
また、吸気と呼気との間の「緩める」と、呼気時の「緩める」、呼気と吸気の間の「緩める」、それぞれ3つの「緩める」の微妙な違いや変化を味わうことで、吸気の際の身体の緊張の仕方の癖や、息の通り方が認識しやすくなることが体感できました。
まとめますと、バックストレッチャーを使ってのセンタリング呼吸は、
・息の通る部位と通らない部位の違いを感じやすくなる(特に背骨周り)
・段々と呼吸が一様に近く通るようになると、腰椎から頸椎まで背骨が自然と"ヘ”の字になりやすくなる
といった利点を確認できました。
このように、それまでのやり方にちょっとした味付け(=工夫)や違った刺激を加えることで、感じにくい身体感覚が喚起されてくることは大発見でした。
こういった工夫を常にされてきた先生の取り組みに触れることによって、私自身の鍼灸の臨床に還元できることが多々あるので、本当に有り難い限りです。
ある程度調整されたところで、立位で身体の状態を確認すると、
左股関節がしまり、右上半身の緊張が抜けてきたことで、
上体の力がストンと地面へ抜けるのを感じられました。
最後に、普通の立て替えや剣を持ちながらの立て替えを行いました。
立位では股関節と鎖骨までのラインをキープしながら立て替えの動作がスムーズになったものの、剣を持つと、手首の決めや肘の抜けといった点に課題があるため、物打ちを付け続ける意識が途切れがちになって、立て替え動作にぎこちなさが残りました。
そこで、立禅のチーシーの動作や、発勁の「吸入・圧縮・爆発・排気」の時と同様の感覚で、呼気時に物打ちへ息が通るようになると、西江水が効きやすくなるというご指導をして頂きました。
この辺りを身体に落とし込んでいくことが、今後の稽古の課題です。
今回も、歩法という一つのテーマの中に、様々なエッセンスを絡ませてご指導して頂き、ありがとうございました。
自分にとっての新たな課題になったことで、この一ヶ月自主稽古を積んでいきますので、来月もご指導宜しくお願い致します。
▼楽隠居からの返信
こちらこそ有り難うございました。
結局は、「吸う・緩める・吐く・(緩める)→吸う・緩める・・・」
ということをしながら、身体の変化と中心軸を観照することなのかもしれません。
何度もお読みとは思いますが、関連記事を貼り付けておきます。
お暇な時にご一読ください。
参照1:先生は間違ってます
参照2:呼吸の隙間での脱力
参照3:舟漕ぎ運動でのテスト
参照4:自己開発法
参照5:足の上げ方を科学する?
☆リンク先で更新された記事
◆芯めとり
鏡に映った自分と写真に写った自分が同じでないことからも分かるように、身体は完全な左右対称ではありません。
普段行なっている振る舞いにおいて偏りが強い場合には、より著明な左右差が生じることもあります。さらに、内臓においては、左右の肺の大きさから、心臓の位置や形から、胃腸の走行に至るまで、対称な部分はほとんど見当たりません。
けれども、私達は、得手不得手こそあれ、それほど左右の差と言うことを意識していなくても、様々な動作を行なえています。
一芸に秀でた方々の身のこなしを拝見する中で、あるいは自分自身の動きを見直しながら、身体における対称性と非対称性が、どのようにして両立されているのかという疑問が、以前から頭の片隅にありました。
by centeringkokyu
| 2014-03-08 00:05
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