2005年 05月 16日
預金は何処にあるの? |
5月10日のブログ、財務金融委員会の内容に関して、トラックバックで「預金」についての意味を教えて下さいましてありがとう御座いました。こんな風に突っ込んで頂くと本当に助かります。
預金というのは確かに、預けてあるもので当然返して貰うものであるとのご指摘だと思います。棒引きにされたり、外国が狙っているなどという事は、有り得ないという具合に指摘してくださったのだということで、2003年に私のHPのコラムに書いた内容と重複しますが、簡単に資料を抜粋してご紹介します。
衆議院財務金融委員会議録 第154回国会 6月12日
○石井(紘)委員 我が国の財政における借金残高という問題。それから、よく千四百兆の国民金融資産があるんだというふうに喧伝されているわけですが、この実態の問題。それから、さらには、我が国の実際の歳出とGDPとの関係において、財政あるいは経済の実態。そして最後に、国債の保有状況との関連で、我が国の国債というものが、必ずしも市場ではなくて、政府みずからが保有しておる、このことがやはり国債の価値を大いに低めている、こういう問題について論じてまいりたいと思います。
まず、我が国の長期債務の残高は、国と地方で、平成十四年度、今年度末で六百九十三兆円になるというふうに言われているわけでありますが、これには、実は政府の短期証券は含まれていない。それは含めないとしても、もう一方では、特殊法人の債務の一部、借金の一部を保証しているところの政府保証債務というのが五十八兆円もあるわけですね。これを含めないというのはいかがなものかという点について指摘をしなければならない。これを含めますと、七百五十兆円ぐらいに債務残高は膨らんでくるということになります。これは財務大臣、ちょっと見解を伺いますので聞いておいていただきたいと思うんですが。
特殊法人、認可法人、これは公益法人は除いておりますが、公益法人にもあるんですが、この債務残高、これは約三百五十兆円。このうち、財投からの借入残高が二百六十兆円。これは、特殊法人等の借金も、これは国が法律をもって設立した機関でありまして、国の政策を遂行している機関でありますので、当然のことながら、これは国の借金である。これを含めますと、何と我が国の借金残高は一千百兆円になるということになります。
この財投機関、特に特殊法人も含めるということは、これは財投計画というのは国の会計であるということもつけ加えなければなりません、国会へかけられる会計ですね。
それからまた、財投機関には、特に特殊法人等には不良債権が非常に多い。大手の、大手というか主要な七つの金融機関だけでも百七兆円の不良債権を抱えておる。これは、今の、不良債権についての金融再生法の開示基準に従った算出を行って、この七つの金融機関、政府系金融機関というのはもっとたくさんあるわけでありますけれども、七つだけで百七兆円を超えているという状況ですね。
これらの特殊法人等の借金というのは、返済が極めて困難な状況にある。年々歳々、この借金残高というものはどんどんふえておる。例えば一九九〇年から比較してみますと、一九九〇年の、これは財投からの借り入れだけで、残高は百七十八兆円でありました。これが十年後の二〇〇〇年になりますと二百五十八兆四千億というふうに、十年間でこれほど膨らんでおりますし、またさらに十年さかのぼると、これはもう一けた少なかったわけであります。二十年もさかのぼりますと、数兆円という金額だったわけであります。
この財投機関、特に特殊法人等の借金残高というのは、これはもうウナギ登りでありまして、御案内のとおり、借金を返済するために新たに借金をするというような構造になっているというところから見ても、これは、特殊法人等の借金は国の借金である、こういうふうに理解をしなけりゃならないというふうに思いますが、これまで私が述べましたことについて、財務大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 今申されました数字はおおよそ仰せのとおりの数字でございまして、私の方から訂正するような数字ではございません。
詳しくは、是非とも故石井紘基氏のHPをご覧下さい。
(下のcommentsもお読みください。)
次に宮沢氏の談話をご紹介します。
アメリカでの同時多発テロ後の経済について、宮沢元首相は朝日新聞の取材に対して、「第二次世界大戦の終戦の時、日本政府は資産を『旧勘定』と『新勘定』に分けて戦時債務を処理した。今やその時と同じ考え方をしなければならないところに来ているようだ。何せ日本には(日本国民の)金融資産が1,400兆円もあるのだから。」と述べています。
旧勘定と新勘定というのは、以下のような意味です。
旧勘定…政府に納入した武器・軍装品などあらゆる軍需物資の代金、企業が所有していた海外の工場や軍需工場等は、戦時保証という名 目の政府の借金としてすべて踏み倒された。
新勘定…企業にとって日本を再建するために必要な事業資金。金融機関の場合は、日本再建のために必要な資金として、政府には取り上げられなかった。
太平洋戦争の時に国は、国民から今の金額にして、650兆円という借金を作ったようです。政府は、様々な名目で税金を徴収し、超インフレを起こし、国民からの膨大な借金を、帳消しにしてしまったのです。結局、政府は戦争で借りたお金を国民に返却せず、すべて踏み倒し、過去の負債を棒引きにした上、大きな資産を獲得したことになるのです。それを原資として、今の日本を再建した訳です。
今から60年前の敗戦後の日本経済に、何が起こったのかを少し調べてみますと、まず、大インフレが起こりました。その最中に、インフレを止めるとの政府の緊急金融政策で預金が封鎖されたのです。全面封鎖ではなく、世帯主300円、世帯構成員100円という支払い制限でした。あとでこれが世帯主100円となりましたが、この間にもインフレは容赦なく進んでいったのです。
一方、大金持ちは一番災難でした。ほとんどの土地は没収され、金融資産は税金の形で政府に取り上げられたのです。地方の大地主は民主的な農業政策の一環として、農地解放の名の下に農地を小作人に譲渡しなければなりませんでした。その後、日本経済は国際状況の変化によって救われ、1990年頃にバブルのピークを迎えた訳です。
参考資料は、副島隆彦著「預金封鎖」と石森章太郎プロ著 太田晴雄監修の「最新・日本経済入門」です。勿論、石井紘基氏の著作もご一読ください。外国から狙われているという件につきましては、別の機会に資料をご紹介させて頂きます。
Uさんが書いて下さった本人確認の問題は、郵便貯金などでも出てきています。架空口座や借名口座は存在しないはずという事になっていますから…
預金というのは確かに、預けてあるもので当然返して貰うものであるとのご指摘だと思います。棒引きにされたり、外国が狙っているなどという事は、有り得ないという具合に指摘してくださったのだということで、2003年に私のHPのコラムに書いた内容と重複しますが、簡単に資料を抜粋してご紹介します。
衆議院財務金融委員会議録 第154回国会 6月12日
○石井(紘)委員 我が国の財政における借金残高という問題。それから、よく千四百兆の国民金融資産があるんだというふうに喧伝されているわけですが、この実態の問題。それから、さらには、我が国の実際の歳出とGDPとの関係において、財政あるいは経済の実態。そして最後に、国債の保有状況との関連で、我が国の国債というものが、必ずしも市場ではなくて、政府みずからが保有しておる、このことがやはり国債の価値を大いに低めている、こういう問題について論じてまいりたいと思います。
まず、我が国の長期債務の残高は、国と地方で、平成十四年度、今年度末で六百九十三兆円になるというふうに言われているわけでありますが、これには、実は政府の短期証券は含まれていない。それは含めないとしても、もう一方では、特殊法人の債務の一部、借金の一部を保証しているところの政府保証債務というのが五十八兆円もあるわけですね。これを含めないというのはいかがなものかという点について指摘をしなければならない。これを含めますと、七百五十兆円ぐらいに債務残高は膨らんでくるということになります。これは財務大臣、ちょっと見解を伺いますので聞いておいていただきたいと思うんですが。
特殊法人、認可法人、これは公益法人は除いておりますが、公益法人にもあるんですが、この債務残高、これは約三百五十兆円。このうち、財投からの借入残高が二百六十兆円。これは、特殊法人等の借金も、これは国が法律をもって設立した機関でありまして、国の政策を遂行している機関でありますので、当然のことながら、これは国の借金である。これを含めますと、何と我が国の借金残高は一千百兆円になるということになります。
この財投機関、特に特殊法人も含めるということは、これは財投計画というのは国の会計であるということもつけ加えなければなりません、国会へかけられる会計ですね。
それからまた、財投機関には、特に特殊法人等には不良債権が非常に多い。大手の、大手というか主要な七つの金融機関だけでも百七兆円の不良債権を抱えておる。これは、今の、不良債権についての金融再生法の開示基準に従った算出を行って、この七つの金融機関、政府系金融機関というのはもっとたくさんあるわけでありますけれども、七つだけで百七兆円を超えているという状況ですね。
これらの特殊法人等の借金というのは、返済が極めて困難な状況にある。年々歳々、この借金残高というものはどんどんふえておる。例えば一九九〇年から比較してみますと、一九九〇年の、これは財投からの借り入れだけで、残高は百七十八兆円でありました。これが十年後の二〇〇〇年になりますと二百五十八兆四千億というふうに、十年間でこれほど膨らんでおりますし、またさらに十年さかのぼると、これはもう一けた少なかったわけであります。二十年もさかのぼりますと、数兆円という金額だったわけであります。
この財投機関、特に特殊法人等の借金残高というのは、これはもうウナギ登りでありまして、御案内のとおり、借金を返済するために新たに借金をするというような構造になっているというところから見ても、これは、特殊法人等の借金は国の借金である、こういうふうに理解をしなけりゃならないというふうに思いますが、これまで私が述べましたことについて、財務大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 今申されました数字はおおよそ仰せのとおりの数字でございまして、私の方から訂正するような数字ではございません。
詳しくは、是非とも故石井紘基氏のHPをご覧下さい。
(下のcommentsもお読みください。)
次に宮沢氏の談話をご紹介します。
アメリカでの同時多発テロ後の経済について、宮沢元首相は朝日新聞の取材に対して、「第二次世界大戦の終戦の時、日本政府は資産を『旧勘定』と『新勘定』に分けて戦時債務を処理した。今やその時と同じ考え方をしなければならないところに来ているようだ。何せ日本には(日本国民の)金融資産が1,400兆円もあるのだから。」と述べています。
旧勘定と新勘定というのは、以下のような意味です。
旧勘定…政府に納入した武器・軍装品などあらゆる軍需物資の代金、企業が所有していた海外の工場や軍需工場等は、戦時保証という名 目の政府の借金としてすべて踏み倒された。
新勘定…企業にとって日本を再建するために必要な事業資金。金融機関の場合は、日本再建のために必要な資金として、政府には取り上げられなかった。
太平洋戦争の時に国は、国民から今の金額にして、650兆円という借金を作ったようです。政府は、様々な名目で税金を徴収し、超インフレを起こし、国民からの膨大な借金を、帳消しにしてしまったのです。結局、政府は戦争で借りたお金を国民に返却せず、すべて踏み倒し、過去の負債を棒引きにした上、大きな資産を獲得したことになるのです。それを原資として、今の日本を再建した訳です。
今から60年前の敗戦後の日本経済に、何が起こったのかを少し調べてみますと、まず、大インフレが起こりました。その最中に、インフレを止めるとの政府の緊急金融政策で預金が封鎖されたのです。全面封鎖ではなく、世帯主300円、世帯構成員100円という支払い制限でした。あとでこれが世帯主100円となりましたが、この間にもインフレは容赦なく進んでいったのです。
一方、大金持ちは一番災難でした。ほとんどの土地は没収され、金融資産は税金の形で政府に取り上げられたのです。地方の大地主は民主的な農業政策の一環として、農地解放の名の下に農地を小作人に譲渡しなければなりませんでした。その後、日本経済は国際状況の変化によって救われ、1990年頃にバブルのピークを迎えた訳です。
参考資料は、副島隆彦著「預金封鎖」と石森章太郎プロ著 太田晴雄監修の「最新・日本経済入門」です。勿論、石井紘基氏の著作もご一読ください。外国から狙われているという件につきましては、別の機会に資料をご紹介させて頂きます。
Uさんが書いて下さった本人確認の問題は、郵便貯金などでも出てきています。架空口座や借名口座は存在しないはずという事になっていますから…
by centeringkokyu
| 2005-05-16 19:28
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