2005年 04月 11日
正體術の方法と其の意義 |
正體術矯正法から引用します。
全身の各部の均衡を計り、之を維持せんとするには、全身の一切の力を抜き最も安楽なる状態に於てなすを便宜となすのみならず、此の状態が最も自然的要求に適ふものとす。蓋し一日の疲労、身心使用の不均衡等は単に仰臥するのみにして、全身に調和し既に一部の目的を達し得るものなり。故に最も安静に休養の目的を達する為には如何なる動物も、全身の力の抜ける姿勢を執らざるはなく、是れ最も自然的要求を満し得るものとす。故に正體術を行ふ場合は睡眠前に最も自然の平静仰臥の状態に於て姿勢を正し、其の日の疲労を調和し不正を矯正し、之を維持して正しき生理機能の敏活を期するは最も肝要にして、吾人の保健上最も意義あると共に又極めて実行に容易なりと云ふべし。
正體術のやり方
先づ正しく仰向けに臥し、次に頸と坐骨即ち腰とを以て身體を支へ、背中を威勢良く反らして上半身を反り橋の形になし背中を畳より分離せしむるなり。然し勢ひ胸が張り来るを以て(胸の後部)肋骨整齋の準備として此の儘の形にて肩甲骨(俗に貝殻骨)を背中の中部に接着する様にすべし、手は眞直にして両脇に置き、掌は上に向く様にすると同時に足を眞直に伸ばせば腿の下も膝の下も畳に密着し、足首を反らして引く様にせば自ら膝も反る様になり、踵が心持畳より離れる様になる、斯くして五六秒の間兎の毛程も動かさず、此処ぞとはずめば力全身に満ち渡りて緊張し切れる毬の如き硬直状態に入れる形になる。軈(やが)て疲れを覚ゆるに至れば急に全身の力を一挙に抜いて自然の身體の重みにてドタリと畳に落す。
此の時何人も思はず深呼吸をなさざるを得ざるに至る。此の深呼吸が普通の平静の呼吸になる迄其儘に任せ、息が普通になれば其後は何れの姿勢にて臥するも、如何なる形にて眠るも各人の自由にして且つ差支無し、而も僅かに一回の此方法に依りて全身の骨骼の不正不調和は一度に矯正せられて生理機能は遺憾なく活躍し、更に一切の疲労を恢復し、病的原因の全部を一掃して頽廃(たいはい)、老衰の侵入する間隙の無き弾力性は自ら養わるゝに至る、是れ空気の抜け切りたる毬に空気を充満せしむると同様の意義をなす所以なり。即ち正體術は自己の身體を用ひて健康を維持し、僅かに数秒間を以て體力を増進する上に於て世界中最も簡単なる方法にして苟(いやし)くも肉體を有する以上、生理作用を営む限り貴賤上下、老幼男女を討問はず其の根本の要件を満たし以て完全なる生理状態の基礎をなすものなり。而して其の実行には一定の順序と相手とを要せず、職業と境遇とに関係なく実行し得、其の効果の絶大なる真に驚歎すべきものあり。
凡そ、正體術の方法に従へば全身各部の重みが夫れぞれの骨骼に平等に懸り、身體各部の筋肉が当然分担すべき重みを本来の均斉力に依りて全身を支持する形となるを以て何れの組織、何れの部分をも不平均の緩みを生ぜず、組織的には身心各部一致の統一體となり、物理的には重心の不動安定的状態を構成す。従て各部の活動其他の為めに部分的疲労を生じ、又は骨骼に偏埼を来たすも此正體術一回の試みに依りて、骨骼の歪みも疲労も、凡て身體の統一力の下に調和して身體が本来の正しさに帰し、以て過不足不均衡の絶無なる状態にて休息、静止の睡眠をなし得るが故に睡眠中の生理的恢復力を徹底的に助長し、全身の各部は自ら最高潮の機能を発揮するを以て身心は再び最も動的なる清新の力に恢復するを得るなり。
尚此の結果血液の循環は順調になり過不足なく平均に全身に普遍する為に自然疲労も全身に平均し、細胞の活動亦全身何れの部分に於ても同様に溌剌たるを得べし。仮に疲労が全身に平均せざる状態又は一部分に力が入り全身一斉に力の抜けざる状態に在れば一部休息して一部働き一部力が抜け一部力の入り居る状態にして身心の調和統一は元より望むべからず。而して之による骨骼の不正、全身に不平均なる部分の発生は軈て睡眠の困難、寝付きの不良食慾の不振等を惹起し、身心の休養不十分となり自ら自然的健康を失ひ身心の活動も遂に不可能にならざるを得ざるなり。
※管理人です
これくらい同じ姿勢の写真を並べると、ほとんど内容を読む必要が無いことにお気づきだと思います。整体協会の本やフェルデンクライス身体訓練法の中の写真と比べてみてください。矯正法の考え方は、体癖修正体操と比較してみると面白いのではないでしょうか。当然、治るものが体癖であるという事が、基本的な考え方なのですから。
体癖に関しては、資料集をご覧下さい。続きは上のページにあります。
全身の各部の均衡を計り、之を維持せんとするには、全身の一切の力を抜き最も安楽なる状態に於てなすを便宜となすのみならず、此の状態が最も自然的要求に適ふものとす。蓋し一日の疲労、身心使用の不均衡等は単に仰臥するのみにして、全身に調和し既に一部の目的を達し得るものなり。故に最も安静に休養の目的を達する為には如何なる動物も、全身の力の抜ける姿勢を執らざるはなく、是れ最も自然的要求を満し得るものとす。故に正體術を行ふ場合は睡眠前に最も自然の平静仰臥の状態に於て姿勢を正し、其の日の疲労を調和し不正を矯正し、之を維持して正しき生理機能の敏活を期するは最も肝要にして、吾人の保健上最も意義あると共に又極めて実行に容易なりと云ふべし。
正體術のやり方
先づ正しく仰向けに臥し、次に頸と坐骨即ち腰とを以て身體を支へ、背中を威勢良く反らして上半身を反り橋の形になし背中を畳より分離せしむるなり。然し勢ひ胸が張り来るを以て(胸の後部)肋骨整齋の準備として此の儘の形にて肩甲骨(俗に貝殻骨)を背中の中部に接着する様にすべし、手は眞直にして両脇に置き、掌は上に向く様にすると同時に足を眞直に伸ばせば腿の下も膝の下も畳に密着し、足首を反らして引く様にせば自ら膝も反る様になり、踵が心持畳より離れる様になる、斯くして五六秒の間兎の毛程も動かさず、此処ぞとはずめば力全身に満ち渡りて緊張し切れる毬の如き硬直状態に入れる形になる。軈(やが)て疲れを覚ゆるに至れば急に全身の力を一挙に抜いて自然の身體の重みにてドタリと畳に落す。
此の時何人も思はず深呼吸をなさざるを得ざるに至る。此の深呼吸が普通の平静の呼吸になる迄其儘に任せ、息が普通になれば其後は何れの姿勢にて臥するも、如何なる形にて眠るも各人の自由にして且つ差支無し、而も僅かに一回の此方法に依りて全身の骨骼の不正不調和は一度に矯正せられて生理機能は遺憾なく活躍し、更に一切の疲労を恢復し、病的原因の全部を一掃して頽廃(たいはい)、老衰の侵入する間隙の無き弾力性は自ら養わるゝに至る、是れ空気の抜け切りたる毬に空気を充満せしむると同様の意義をなす所以なり。即ち正體術は自己の身體を用ひて健康を維持し、僅かに数秒間を以て體力を増進する上に於て世界中最も簡単なる方法にして苟(いやし)くも肉體を有する以上、生理作用を営む限り貴賤上下、老幼男女を討問はず其の根本の要件を満たし以て完全なる生理状態の基礎をなすものなり。而して其の実行には一定の順序と相手とを要せず、職業と境遇とに関係なく実行し得、其の効果の絶大なる真に驚歎すべきものあり。
凡そ、正體術の方法に従へば全身各部の重みが夫れぞれの骨骼に平等に懸り、身體各部の筋肉が当然分担すべき重みを本来の均斉力に依りて全身を支持する形となるを以て何れの組織、何れの部分をも不平均の緩みを生ぜず、組織的には身心各部一致の統一體となり、物理的には重心の不動安定的状態を構成す。従て各部の活動其他の為めに部分的疲労を生じ、又は骨骼に偏埼を来たすも此正體術一回の試みに依りて、骨骼の歪みも疲労も、凡て身體の統一力の下に調和して身體が本来の正しさに帰し、以て過不足不均衡の絶無なる状態にて休息、静止の睡眠をなし得るが故に睡眠中の生理的恢復力を徹底的に助長し、全身の各部は自ら最高潮の機能を発揮するを以て身心は再び最も動的なる清新の力に恢復するを得るなり。
尚此の結果血液の循環は順調になり過不足なく平均に全身に普遍する為に自然疲労も全身に平均し、細胞の活動亦全身何れの部分に於ても同様に溌剌たるを得べし。仮に疲労が全身に平均せざる状態又は一部分に力が入り全身一斉に力の抜けざる状態に在れば一部休息して一部働き一部力が抜け一部力の入り居る状態にして身心の調和統一は元より望むべからず。而して之による骨骼の不正、全身に不平均なる部分の発生は軈て睡眠の困難、寝付きの不良食慾の不振等を惹起し、身心の休養不十分となり自ら自然的健康を失ひ身心の活動も遂に不可能にならざるを得ざるなり。
※管理人です
これくらい同じ姿勢の写真を並べると、ほとんど内容を読む必要が無いことにお気づきだと思います。整体協会の本やフェルデンクライス身体訓練法の中の写真と比べてみてください。矯正法の考え方は、体癖修正体操と比較してみると面白いのではないでしょうか。当然、治るものが体癖であるという事が、基本的な考え方なのですから。
体癖に関しては、資料集をご覧下さい。続きは上のページにあります。
by centeringkokyu
| 2005-04-11 22:20
| 本などの紹介