2008年 07月 15日
第二の脳・太陽神経叢について |
「丹田呼吸健康法 調和息入門」村木弘昌著からご紹介します。
▼太陽神経叢とは何か
第二の脳、つまり太陽神経叢については最近とみに関心が高まってきたが、それについて私の考えを少し述べてみたい。第二の脳といわれる太陽神経叢は、腹腔内にあって、人間生活にきわめて大きな意義をもつ重要な神経叢である(神経叢の叢は「くさむら」のことであり神経叢とは神経細胞の集まりといったものとみてよい)。
この太陽神経叢は、あとで述べようと思うが、自律神経であるところの交感神経が集まって一つの神経節をつくつている(神経節とは神経細胞が集まって塊状になったもの)。
この太陽神経叢のはたらき方のいかんによって、私どもの生体も大きく左右される。そして人間の文明が進むほど、残念ながら、この太陽神経叢は活発にはたらかなくなる傾向にある。この自律神経の失調症は、文明の進展に伴ってますますふえていく現代病の一つであるが、これは太陽神経叢のはたらきを活発にすることによって治る。
人間は万物の霊長と自負するだけにほかの動物には見られない文明を築いてきた。ちょっと身のまわりを見わたしただけでも、ラジオやテレビがあり、洗濯機、冷蔵庫、掃除機があり、冷暖房から種々の便利な乗り物、そのほか多くの能率のよい機械や器具がある。このような結構ずくめの文化生活のなかで人間の体はいったいどうなるだろうか。生活を便利にし、人間に楽をさせる点では貢献しているかもしれないが、健康という面からは逆行していて感心できない。頭も体も両方どしどし使ってこそほんとうの健康生活が営めるというものだ。
今後さらなる科学技術の発展により、われわれの生活様式は一変するだろうが、体を動かさず神経の緊張を要求される仕事が多くなるであろう。心身のバランスを欠いた、このような精神緊張状態が長く続くことは自律神経にとつても好ましくないことだ。
▼太陽神経叢と腹圧の関係
太陽神経叢のはたらきは腹圧と大いに関係がある。強い腹圧がかかるほど太陽神経叢の機能も冴えてくる。太陽神経叢は自律神経を調整して内臓が正しくはたらくようにできているが、腹圧が弱いとその調整する力が鈍ってしまい、自律神経失調症になる傾向が高い。
自律神経の中枢は前述のごとく間脳の視床下部というところにあるとされている。そしてまた間脳の視床脳というところは、外界の種々の刺激を大脳皮質へ送り届ける中継場所となっている。そしてまた外部からの刺激に即応して(つまり大脳皮質の厄介にならずに)遠心性の神経に命令を出しているところである。この反射的に下される命令が常に正しいものとは限らない。
鰻を焼く匂いで唾液や胃液が分泌されても、それが胃に入っていかなければ空振りになってしまう。かば焼きのにおいをどんなに嗅がされても、ふところぐあいが悪ければ、大脳の英知は唾液や胃液の分泌を止める力をもっている。
しかし悲しみの情緒の深い場合は、胃液の分泌が悪く、空腹であるのに食欲が出ない。このような場合、間脳の自律神経中枢も正しくはたらかないし、大脳の英知も悲しみの情緒で曇ってしまう。
そのほかの好ましくない情動、たとえば激しい怒り、恐れ、驚きなどの場合、間脳も大脳皮質も正しい指令を下すことができない場合がしばしばある。
そのような場合にも太陽神経叢が正しくはたらいていると、たとえ大脳や間脳からの誤った司令がきても、それを調整することができる。
◎調和道丹田呼吸法とは
・下腹部の中心にあるとされる丹田に意識を集めた丹田呼吸法を身につけていくと、素晴らしい身心の健康がもたらされます。それが調和道丹田呼吸法です。
・調和道丹田呼吸法は、藤田霊斎道祖によって体系化されたもので、東洋古来から多くの先哲が実践してきた丹田呼吸法の真髄を掴み、現代人にも実行しやすいように工夫してあります。
・明治40年の創始以来、100年、多くの方々が身心の健康を実現してきました。 調和道丹田呼吸法は、体内の自然治癒力を高め、諸病の予防、克服などに威力を発揮します。また心の安定、活力化をはかり、スポーツ、武道、芸道、などの上達を促します。
・丹田呼吸法は、頭で理解しただけでは十分でありません。半年、一年と継続し、からだで覚えることが肝心です。
参照1:呼吸法 レッスンの要点
参照2:センタリング呼吸法再考
参照3:巻頭言
参照4:緊張させる
参照5:気づきの呼吸法
参照6:難波教室参加者の感想
参照7:太陽神経叢を正しくはたらかせるには
参照8:腹直筋をぐっと上下にのばす
参照9:仮説
参照10:正しい呼吸法について
参照11:逆腹式呼吸
参照12:露骨に言えば肋骨操作
参照13:『あくび』をこらえる
参照14:横隔膜の操作
ヨガ学校での標準テキスト
by centeringkokyu
| 2008-07-15 00:02
| 本などの紹介