2008年 06月 02日
医者に過剰な期待をしない |
「病院に行っても 病気が治らない日」医学博士 岡部正著からご紹介します。
医者不足から医者が1人で抱える患者さんの数が増え、おそらくは最善を尽くしたのに、不幸にも患者さんの命を救えずに医者が訴えられる事件が相次いでいます。医療訴訟は、年間1000件前後にのぼっています。
医者を擁護するわけではありませんが、問題は果たして医者や医療現場にだけあるのでしようか。私には、医療に対する医者と患者さんの認識のずれが、このようなケースを生んでいるひとつの要因ではないかと思えてならないのです。
多くの患者さんは、医者にかかればなんでも治ると思っています。優秀な医者にかかり、病気を早期に発見し、適切な治警施せば、「助かるはずだ」という安全神話です。たしかに、医学の発達は目覚ましく、ひと昔前は助からないといわれていたがんの生存率は、驚くほど上がってきています。年々上がる生存率を見れば、患者さんの期待も膨らみ、医者に完壁な医療を求める気持ちにもなるでしょう。
しかし、医者の考え方は違います。
いくら医学が進歩したといっても、医療には限界があり、確実なものはいまだ何もありません。医療に「絶対」や「100%」はなく、常にリスクを伴います。医者が「~が効く」「~で治る」といっても、確率の問題であって100%を保証するものではないのです。確率は統計に基づくもので、同じ治療を施しても、患者さんによっては結果が違ってきます。そしてどんなに最善を尽くtても、低い確率ではありますが、事故は起こってしまうものなのです。
確実なことがあるとしたら、それは、死は避けられない、ということです。人間は生物ですから、遅かれ早かれいずれ寿命が訪れます。ところが、日本人には不老不死の幻想があり、自分だけは死なないと思っている人が多いように思うのです。そのために、死を自分で受け入れられず、だれかのせいにしてしまう。常に死を意識するキリスト教などの宗教をもっている欧米人は、死を受容する覚悟ができているように感じます。
医療はさらに高度化し、医者への期待は高まる一方です。しかし、医者への過剰な期待はかえって医者を追い込みます。そればかりか、訴訟を恐れて萎縮した診療にもなりかねません。
医療に「絶対、安心」はありません。不確実な医療を不確実なものとして受け入れる、患者さんの寛容さが求められるのではないでしょうか。
#楽隠居です
先日、NHK教育テレビの「名医にQ」で、ヘルニヤと脊柱管狭窄の療法を、専門の違う三人の医師が対処を述べ、整形外科医の米延策雄は、手術のみを。ペインクリニックの小川節郎は、ブロックと循環改善薬を。運動療法の河野照茂は、手術と運動療法を。それぞれの立場で協調しておられました。しかし、保存療法に関しては、十分説明されていないし、それに近い医療類似行為については全く無視されていました。
股関節や膝の治療法に関する番組の時も、まぁ〜同じような感じでしたから、別に驚きませんが・・・
股関節の手術等の解説フィリップには、治すとは書かないで、直すと書いてあったのが正直だなぁ〜と感じました。
参照1:後期高齢者医療制度の狙い
参照2:わかりませんと言うと、患者を混乱させる!
参照3:長寿は危険?
参照4:スピリチュアル
参照5:腰痛
参照6:顎の位置と股関節運動
by centeringkokyu
| 2008-06-02 00:03
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