2008年 04月 12日
まっすぐ鏡を見る |
“まことの花”は50代から 産経新聞 2008.4.8
【時々、すっぴん】大阪・文化部 亀岡典子 からご紹介します。
鏡を見るのが嫌いになったのはいつごろからだろう。
あるときデパートで買い物していて、向こうから不機嫌そうな顔の、くたびれた中年女性が歩いてくると思ったら、鏡に映っている自分の姿だった。ぎょっとした。
「えー、私、こんなに老けてたっけ」。しかも自分のイメージよりずっと太っているではないか。
最近は自分が写っている写真を見ても、顔をそむけてしまうほどだ。友人に言わせると、「あんたってこんなもんやで」とのことだが、断じてこんなもんではない、と思いたいのが女心である。
時の流れは容赦なく、肉体にさまざまな変化をもたらした。シワ、シミなど美容面だけではない。細かい字が読みにくくなり、筋肉は衰えて階段を2階分上がるのもつらい。物忘れも激しく、「あれ」「それ」と指示代名詞ばかりの会話が情けない。
先日、同世代の歌舞伎俳優、中村翫雀(かんじゃく)さんにインタビュー取材したときのこと。「来年、僕もう50歳ですよ。信じられへんよなあ」と年齢の話でおおいに盛り上がった。
多分、私が自分の年にあまり自覚がないのは独身のせいかもしれない。結婚や出産、子供の就学など目に見える人生の大きな節目がなかったので、ついつい年齢を意識することなくここまで来てしまったのだ。しかし気づいてみれば、いよいよ更年期突入の年代である。
「結構、きついわよ」。更年期を通過した少し年上の女友達がしみじみ語ってくれた。彼女の場合、最愛の人の死が引き金になって、発汗、のぼせ、不眠、鬱(うつ)状態…と更年期障害の典型的な症状に悩まされた。「人と会いたくない」「私なんかどうせ…」と何事にもマイナス思考に陥っていったという。
医師に相談しながらようやく乗り越えたいま、「やっと光が見え始めたかな。いろんなことに挑戦してみたい気持ちになってきたのよね」と語る顔は輝いていた。「だってこれから先がまだまだ長いんだから。平均寿命まで生きたらあと35年ほどあるのよ」
とはいうものの、女性にとって“50歳”は正直、重い。
40歳になったときは、成熟した大人の女性になるんだわ、とワクワクした気持ちもあったが、50歳を目前にしたいま、50代に自分がどんな女性になるのか、見当もつかない。「いよいよ恋愛は卒業か」と寂しい気持ちになったり、「人生も後半戦」と気持ちがきゅっと引き締まったり。
そこで思いだすのが、取材でお会いした狂言の人間国宝、野村万作さんの言葉である。「芸とは奥深いもので、さまざまなことがわかって技術が身についたときには、年をとって体力がなくなっている。その相克の中でどういう芸ができるか、でしょうねえ」。万作さん、76歳。そこから、新たな次元の芸の世界が花開くということなのだろう。
同じく狂言の人間国宝で文化勲章受章者の茂山千作さんは、88歳にして、「人間はいつまでも色気がないといけませんな」とおっしゃった。伝統芸能界では、40、50は洟(はな)たれ小僧、といわれる。厳しい世界と比べるべくもないが、女性の“まことの花”は実は50代からかも-。
まずは、まっすぐ鏡を見ることから始めようか。
#楽隠居です
鏡を見る時や写真の被写体になるときは、少しは構えているものですし、女性の場合は、鏡を見るポイントも男性とは違う部分があると思います。それでも、自分の後ろ姿や、真横からの姿を見るという機会はほとんど無いようです。
センタリング呼吸法のレッスンの初回には、正面・横・後ろの各姿勢の写真をレッスン前後に撮影して、見比べていただくことにしています。ほとんどの方は、ちょっと嫌がられるのですが、まずは現状認識をしていただくということで、お許し願っています。
写真ができて、それをご覧になられた時の第一声が、なかなか面白いので、私の密かな楽しみになっています。最近頂いたメールをご紹介しておきます。
「わが身を見る辛さ!!
がま蛙ではありませんが、タラーリタラーリと油汗が出てきそうでした。
今まで他人事のように思っていた体の歪みを見せつけられ、ビックリしています。」
参照1:姿勢を意識する
参照2:みまかる
参照3:呼吸法 レッスンの要点
参照4:気づきの呼吸法
参照5:伝達系と虚実
【時々、すっぴん】大阪・文化部 亀岡典子 からご紹介します。
鏡を見るのが嫌いになったのはいつごろからだろう。
あるときデパートで買い物していて、向こうから不機嫌そうな顔の、くたびれた中年女性が歩いてくると思ったら、鏡に映っている自分の姿だった。ぎょっとした。
「えー、私、こんなに老けてたっけ」。しかも自分のイメージよりずっと太っているではないか。
最近は自分が写っている写真を見ても、顔をそむけてしまうほどだ。友人に言わせると、「あんたってこんなもんやで」とのことだが、断じてこんなもんではない、と思いたいのが女心である。
時の流れは容赦なく、肉体にさまざまな変化をもたらした。シワ、シミなど美容面だけではない。細かい字が読みにくくなり、筋肉は衰えて階段を2階分上がるのもつらい。物忘れも激しく、「あれ」「それ」と指示代名詞ばかりの会話が情けない。
先日、同世代の歌舞伎俳優、中村翫雀(かんじゃく)さんにインタビュー取材したときのこと。「来年、僕もう50歳ですよ。信じられへんよなあ」と年齢の話でおおいに盛り上がった。
多分、私が自分の年にあまり自覚がないのは独身のせいかもしれない。結婚や出産、子供の就学など目に見える人生の大きな節目がなかったので、ついつい年齢を意識することなくここまで来てしまったのだ。しかし気づいてみれば、いよいよ更年期突入の年代である。
「結構、きついわよ」。更年期を通過した少し年上の女友達がしみじみ語ってくれた。彼女の場合、最愛の人の死が引き金になって、発汗、のぼせ、不眠、鬱(うつ)状態…と更年期障害の典型的な症状に悩まされた。「人と会いたくない」「私なんかどうせ…」と何事にもマイナス思考に陥っていったという。
医師に相談しながらようやく乗り越えたいま、「やっと光が見え始めたかな。いろんなことに挑戦してみたい気持ちになってきたのよね」と語る顔は輝いていた。「だってこれから先がまだまだ長いんだから。平均寿命まで生きたらあと35年ほどあるのよ」
とはいうものの、女性にとって“50歳”は正直、重い。
40歳になったときは、成熟した大人の女性になるんだわ、とワクワクした気持ちもあったが、50歳を目前にしたいま、50代に自分がどんな女性になるのか、見当もつかない。「いよいよ恋愛は卒業か」と寂しい気持ちになったり、「人生も後半戦」と気持ちがきゅっと引き締まったり。
そこで思いだすのが、取材でお会いした狂言の人間国宝、野村万作さんの言葉である。「芸とは奥深いもので、さまざまなことがわかって技術が身についたときには、年をとって体力がなくなっている。その相克の中でどういう芸ができるか、でしょうねえ」。万作さん、76歳。そこから、新たな次元の芸の世界が花開くということなのだろう。
同じく狂言の人間国宝で文化勲章受章者の茂山千作さんは、88歳にして、「人間はいつまでも色気がないといけませんな」とおっしゃった。伝統芸能界では、40、50は洟(はな)たれ小僧、といわれる。厳しい世界と比べるべくもないが、女性の“まことの花”は実は50代からかも-。
まずは、まっすぐ鏡を見ることから始めようか。
#楽隠居です
鏡を見る時や写真の被写体になるときは、少しは構えているものですし、女性の場合は、鏡を見るポイントも男性とは違う部分があると思います。それでも、自分の後ろ姿や、真横からの姿を見るという機会はほとんど無いようです。
センタリング呼吸法のレッスンの初回には、正面・横・後ろの各姿勢の写真をレッスン前後に撮影して、見比べていただくことにしています。ほとんどの方は、ちょっと嫌がられるのですが、まずは現状認識をしていただくということで、お許し願っています。
写真ができて、それをご覧になられた時の第一声が、なかなか面白いので、私の密かな楽しみになっています。最近頂いたメールをご紹介しておきます。
「わが身を見る辛さ!!
がま蛙ではありませんが、タラーリタラーリと油汗が出てきそうでした。
今まで他人事のように思っていた体の歪みを見せつけられ、ビックリしています。」
参照1:姿勢を意識する
参照2:みまかる
参照3:呼吸法 レッスンの要点
参照4:気づきの呼吸法
参照5:伝達系と虚実
by centeringkokyu
| 2008-04-12 00:03
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