2008年 03月 18日
職人は国の宝 国の礎 |
「匠の国 日本 職人は国の宝、国の礎」北康利著から抜粋してご紹介します。
◎迎合は無用だが、工夫は必要
職人に頑固さは絶対必要だ。金融機関などでよく見かける「お客様第一」などという看板を掲げた職人など聞いたことがない。消費者に媚びると腕が鈍る。妥協をして、いいものなどできるはずもない。材料にしても手間にしても、「まあいいか」と思ってしまうとそこで全ては終わる。
ただ一方で、受容がないと職人は絶滅してしまうのも事実である。悩ましい問題だが、結局、「妥協」ではなく「工夫」によって乗り切るしかないのだろう。
◎一隅を照らす
人間、努力だけでは到達できない世界がある。才能の壁というのがそれだ。誰もがその世界の第一人者になれるわけではない。職人の世界も同じだろう。
しかし、手を抜かず細かいところまで神経をゆきわたらせた職人仕事には、何か人の心を打つものがある。派手さはなくても、誠実な仕事には感動が宿る。めいめいが自分の持ち場を明るく照らせば、世の中はきっと明るくなる。職人の仕事はそんな気持ちにさせてくれる。
◎継続は力なり
受験生を励ます言葉としても有名だが、職人に修行期間は必須である。「一人前」という漠としたゴールがあるものの、実際には職人の研鑽に終わりはない。そしてスポーツ選手とは違い、晩年まできわめつづけることのできる技術が大半だ。
最近の日本人が最も忘れているもの。それは辛抱してこつこつと地道に続けるということだ。受験の格言ついでに、「学問に王道なし」という言葉も「職人の道に王道なし」と言い換えることが可能である。
「ものづくり国家」復権を目指して
〜北畑隆生経済産業省事務次官に聞く
◎「勘」と「進歩」が質を保証する
「愉しもう」というマインドから生まれる熟練の労働者こそが、日本の競争力の原点です。たとえば、日本の製造業を考えるうえで重要なポイントとして「勘」と「進歩」があります。全自動の工場をつくると、効率は上がりますが「進歩」がなくなる。技術とは人間の感覚が進歩させるものであり、それをつかさどるのは職人のような「勘」と熱意しかありません。
そして、それは終身雇用と関連があります。バブル崩壊後、雇用カットで事業再生をした企業の多くが商品開発力を失ったのは、このメカニズムが働かなくなったからではないか、と私は考えています。
参照1:経験から多くを学ぶ
参照2:カザルスとの対話
参照3:才能、教育、成功
参照4:演奏のコツ
参照5:指揮とはスポーツだ
参照6:プロセスの失敗が成功をつくる
参照7:手指の感覚をするどくする
参照8:達人は「習熟」を自ら否定する
◎迎合は無用だが、工夫は必要
職人に頑固さは絶対必要だ。金融機関などでよく見かける「お客様第一」などという看板を掲げた職人など聞いたことがない。消費者に媚びると腕が鈍る。妥協をして、いいものなどできるはずもない。材料にしても手間にしても、「まあいいか」と思ってしまうとそこで全ては終わる。
ただ一方で、受容がないと職人は絶滅してしまうのも事実である。悩ましい問題だが、結局、「妥協」ではなく「工夫」によって乗り切るしかないのだろう。
◎一隅を照らす
人間、努力だけでは到達できない世界がある。才能の壁というのがそれだ。誰もがその世界の第一人者になれるわけではない。職人の世界も同じだろう。
しかし、手を抜かず細かいところまで神経をゆきわたらせた職人仕事には、何か人の心を打つものがある。派手さはなくても、誠実な仕事には感動が宿る。めいめいが自分の持ち場を明るく照らせば、世の中はきっと明るくなる。職人の仕事はそんな気持ちにさせてくれる。
◎継続は力なり
受験生を励ます言葉としても有名だが、職人に修行期間は必須である。「一人前」という漠としたゴールがあるものの、実際には職人の研鑽に終わりはない。そしてスポーツ選手とは違い、晩年まできわめつづけることのできる技術が大半だ。
最近の日本人が最も忘れているもの。それは辛抱してこつこつと地道に続けるということだ。受験の格言ついでに、「学問に王道なし」という言葉も「職人の道に王道なし」と言い換えることが可能である。
「ものづくり国家」復権を目指して
〜北畑隆生経済産業省事務次官に聞く
◎「勘」と「進歩」が質を保証する
「愉しもう」というマインドから生まれる熟練の労働者こそが、日本の競争力の原点です。たとえば、日本の製造業を考えるうえで重要なポイントとして「勘」と「進歩」があります。全自動の工場をつくると、効率は上がりますが「進歩」がなくなる。技術とは人間の感覚が進歩させるものであり、それをつかさどるのは職人のような「勘」と熱意しかありません。
そして、それは終身雇用と関連があります。バブル崩壊後、雇用カットで事業再生をした企業の多くが商品開発力を失ったのは、このメカニズムが働かなくなったからではないか、と私は考えています。
参照1:経験から多くを学ぶ
参照2:カザルスとの対話
参照3:才能、教育、成功
参照4:演奏のコツ
参照5:指揮とはスポーツだ
参照6:プロセスの失敗が成功をつくる
参照7:手指の感覚をするどくする
参照8:達人は「習熟」を自ら否定する
by centeringkokyu
| 2008-03-18 00:06
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