2008年 03月 08日
合気の力と呼吸法 |
「合気道で悟る」砂泊諴秀(かんしゅう)著からご紹介します。
合気の力とは何か、その力の根源が分からなければ、合気道は分からない。
開祖植芝盛平翁の昭和初期のお言葉である。
「合気は神の御姿御心より出で真善美なる無限絶対の世界御創造御経綸の精神なり。稽古の徳に依りて天地の真理を悟り錬現し、天地経綸のため天地の呼吸と呼吸に依り世の様を腹中に修め、治国破邪顕正の道を講じ、正しき身魂一如の誠を現わし其の術たる一を以て万に当たるを知り、以て世界万有の教導となり世界万有を和するを本旨とするものなり」と述べておられるのである。
表現は変わっていても、今の万生館合気道の精神と本旨は同じである。
合気道の力に、呼吸力という呼び方があるが、いつ生まれたかは分からないが大変な言葉だと思うのである。
呼吸とは生命の本源である。生命の元であるその力の出し方を養成する業であるから、その養成こそが、人間完成への道のりであると言えよう。
「霊肉一体の至上境に至るの業であり、道華である」とは、そのことである。
昭和十七年(一九四二年)私が稽古を始めた合気武道の頃には、呼吸力の養成法として、呼吸法の業があった。しかし、どうしたら呼吸力が出るか、呼吸力とはどのような力なのか、それを説明し、指導する人はいなかった。ただ呼吸法としての形があるだけであった。その形を続けることによって力が出てきたとは思えなかった。非力な私は、体力のある者に取られると効くものではなかった。特に九州で専門に始めてからは、自らの弱さを痛感させられたのである。
試行錯誤の毎日であったが、体力で効かないものを、いつまでも体的な技で、それを求めようとしても無駄なことである。
開祖植芝盛平翁先生の書かれた精神を知り、それを体的にどう現わすかに方向を変えていったのである。しかし、体力的にも超人的といわれた翁先生の宗教的な精神論を、ただ凡夫が真似ただけで強さが出てくるものであろうか。
そのことを考えても何もならぬことであると思い、ただひたすら、相手と一体になる心を、毎日の練習の中に探究し続けたのである。十数年ほど経って、やっとそれらしい技が出るようになった。それが呼吸力と言えるかどうかは分からない。
翁先生が七十歳代の頃に私に言われた、「これからが本当の合気が出るのだ」と。
翁先生は、体力のある間は本当のものではない、体力の弱くなったこれからが、本当のものが出るのだ、との思いでお話しされたと思うのである。
翁先生が遺されたお言葉の中に、呼吸力に達する鍵が隠されていると思うのである。
おこがましくも私は、十四、五年前に、『合気道の心・呼吸力』と題して本を出したのであるが、今の私の技からすると未熟で恥ずかしいことであるが、その出発点にはなっていると思うのである。
呼吸法の形の技だけを一生懸命やっても、山に登る前の準備運動だけをやっているようなもので、その登り口が分からないと、一合目までも登れないことになるのである。
技の解説を話しても、書いても、分かるものではない。翁先生が、私にお話しされたことであるが、「この武道(合気道)は、どんなに大きなことを言っても言い尽くせないし、どんなに大きなことを書いても書き尽くせないのだ」と。つまり合気道の技の素晴らしさ、その妙は、筆舌に尽くせないほど大きなものであり、深いものであると言われたのであるが、そのお心が、今、やっと分かる気がするのである。翁先生のお言葉は、すべて合気道の学び方を指針されたものであるが、その中の幾つかを挙げてみる。(以下省略)
#気づきや本舗の楽隠居です
合気観照塾では、センタリング呼吸法が合気の身体を創る為の下準備だと考えています。呼吸法としては、藤田式・岡田式・二木式などに興味を持ち、気の研究会の呼吸法もそれなりに稽古をしていた時期がありました。しかし、もう一つ感覚的に納得できなかったのと、これらの呼吸法は、どうも自分には合わないと感じていました。
調度その頃、フェルデンクライス身体訓練法のレッスンを独習していた時に、ふと自分の右肺と左肺の使い方が違うことに気づき愕然としました。色々な呼吸法や気功・太極拳を練習していたのに、自分の体内感覚が全く育っていなかったのでした。そこで、呼吸法や合気を最初からやり直してみようと思い立ち、自問自答を繰り返しながら「呼吸と動作と意識」にテーマを絞って、体内操作の稽古を積み重ねてきました。
センタリング呼吸法では、このような経過でフェルデンクライス・メソッドやピラティス、そしてアレクサンダー・テクニークなどを参考にしながら、合気の力がでるようになる為の呼吸法を探究し続けているのです。
参照1:呼吸法いろいろ
参照2:創始者達
参照3:驚き!霊術の驚異?
参照4:合気道の理合
参照5:合気道の奥義
参照6:剣を使った呼吸力養成法
参照7:「呼吸力・中心力・丹田力」を確認する
参照8:呼吸法 レッスンの要点
参照9:センタリング呼吸法再考
参照10:合気とは筆や口にはつくされず
参照11:合気の定義
合気の力とは何か、その力の根源が分からなければ、合気道は分からない。
開祖植芝盛平翁の昭和初期のお言葉である。
「合気は神の御姿御心より出で真善美なる無限絶対の世界御創造御経綸の精神なり。稽古の徳に依りて天地の真理を悟り錬現し、天地経綸のため天地の呼吸と呼吸に依り世の様を腹中に修め、治国破邪顕正の道を講じ、正しき身魂一如の誠を現わし其の術たる一を以て万に当たるを知り、以て世界万有の教導となり世界万有を和するを本旨とするものなり」と述べておられるのである。
表現は変わっていても、今の万生館合気道の精神と本旨は同じである。
合気道の力に、呼吸力という呼び方があるが、いつ生まれたかは分からないが大変な言葉だと思うのである。
呼吸とは生命の本源である。生命の元であるその力の出し方を養成する業であるから、その養成こそが、人間完成への道のりであると言えよう。
「霊肉一体の至上境に至るの業であり、道華である」とは、そのことである。
昭和十七年(一九四二年)私が稽古を始めた合気武道の頃には、呼吸力の養成法として、呼吸法の業があった。しかし、どうしたら呼吸力が出るか、呼吸力とはどのような力なのか、それを説明し、指導する人はいなかった。ただ呼吸法としての形があるだけであった。その形を続けることによって力が出てきたとは思えなかった。非力な私は、体力のある者に取られると効くものではなかった。特に九州で専門に始めてからは、自らの弱さを痛感させられたのである。
試行錯誤の毎日であったが、体力で効かないものを、いつまでも体的な技で、それを求めようとしても無駄なことである。
開祖植芝盛平翁先生の書かれた精神を知り、それを体的にどう現わすかに方向を変えていったのである。しかし、体力的にも超人的といわれた翁先生の宗教的な精神論を、ただ凡夫が真似ただけで強さが出てくるものであろうか。
そのことを考えても何もならぬことであると思い、ただひたすら、相手と一体になる心を、毎日の練習の中に探究し続けたのである。十数年ほど経って、やっとそれらしい技が出るようになった。それが呼吸力と言えるかどうかは分からない。
翁先生が七十歳代の頃に私に言われた、「これからが本当の合気が出るのだ」と。
翁先生は、体力のある間は本当のものではない、体力の弱くなったこれからが、本当のものが出るのだ、との思いでお話しされたと思うのである。
翁先生が遺されたお言葉の中に、呼吸力に達する鍵が隠されていると思うのである。
おこがましくも私は、十四、五年前に、『合気道の心・呼吸力』と題して本を出したのであるが、今の私の技からすると未熟で恥ずかしいことであるが、その出発点にはなっていると思うのである。
呼吸法の形の技だけを一生懸命やっても、山に登る前の準備運動だけをやっているようなもので、その登り口が分からないと、一合目までも登れないことになるのである。
技の解説を話しても、書いても、分かるものではない。翁先生が、私にお話しされたことであるが、「この武道(合気道)は、どんなに大きなことを言っても言い尽くせないし、どんなに大きなことを書いても書き尽くせないのだ」と。つまり合気道の技の素晴らしさ、その妙は、筆舌に尽くせないほど大きなものであり、深いものであると言われたのであるが、そのお心が、今、やっと分かる気がするのである。翁先生のお言葉は、すべて合気道の学び方を指針されたものであるが、その中の幾つかを挙げてみる。(以下省略)
#気づきや本舗の楽隠居です
合気観照塾では、センタリング呼吸法が合気の身体を創る為の下準備だと考えています。呼吸法としては、藤田式・岡田式・二木式などに興味を持ち、気の研究会の呼吸法もそれなりに稽古をしていた時期がありました。しかし、もう一つ感覚的に納得できなかったのと、これらの呼吸法は、どうも自分には合わないと感じていました。
調度その頃、フェルデンクライス身体訓練法のレッスンを独習していた時に、ふと自分の右肺と左肺の使い方が違うことに気づき愕然としました。色々な呼吸法や気功・太極拳を練習していたのに、自分の体内感覚が全く育っていなかったのでした。そこで、呼吸法や合気を最初からやり直してみようと思い立ち、自問自答を繰り返しながら「呼吸と動作と意識」にテーマを絞って、体内操作の稽古を積み重ねてきました。
センタリング呼吸法では、このような経過でフェルデンクライス・メソッドやピラティス、そしてアレクサンダー・テクニークなどを参考にしながら、合気の力がでるようになる為の呼吸法を探究し続けているのです。
参照1:呼吸法いろいろ
参照2:創始者達
参照3:驚き!霊術の驚異?
参照4:合気道の理合
参照5:合気道の奥義
参照6:剣を使った呼吸力養成法
参照7:「呼吸力・中心力・丹田力」を確認する
参照8:呼吸法 レッスンの要点
参照9:センタリング呼吸法再考
参照10:合気とは筆や口にはつくされず
参照11:合気の定義
by centeringkokyu
| 2008-03-08 00:28
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