2007年 09月 21日
斬り合う剣の業前は術と道とに通ず |
特集“至極の剣”への道標 「秘伝」1996年8月号から抜粋してご紹介します。
現代において真の剣技を学ぶには何をすればよいのか?
また、本来一つの道であったはずの剣が何故、古流剣術、現代剣道と呼ばれ遊離しているのか?
日本刀の操法としての術が生まれて以来、日本の武術文化として育まれてきた剣術が、長い年月を経て様々に形を変え、剣術と剣道という二つの体系に分かれてしまっている現在、この問題は、真摯に剣を修行するものにとって、非常に重要なテーマとなっている。
そこで今回の特集では、本来は一つの体系であったはずの剣の道が、再び一つとなるためのヒントを、剣術の誕生から、現在の竹刀剣道までの歴史を概説し、さらには現在の剣道の在り方、竹刀剣道と真剣、古流剣術の立場からみた剣道などを取材しながら探っていく。
◆術の標準化とスポーツ化
終戦後、GHQ(連合国最高司令部)の占領政策の一環として、武徳会には解散が命令され、武道は戦時教育に利用されたという理由で禁止された。このような厳しい状況の中、剣道から武道的要素を払拭し、純然たるスポーツとして楽しむことを目的とした『しない競技』が考案された。体操着に袋しない、軽装の防具と運動靴で行うこの競技は、中学・高校の正課となって全国で実施された。
剣道という名称が復活したのは朝鮮戦争、講和条約をへて、GHQの日本占領が解除された昭和27年であった。戦後の混乱期からようやく抜け出し、社会、経済の安定が訪れたこの年、長年の努力が実り全日本剣道連盟が設立された。そして昭和29年それまでの全日本しない競技連盟と一体化した。剣道自体も、しない競技のスポーツ性、競技性を取り込み、新しいスポーツ武道として生まれ変わり、現代に引き継がれていると言えよう。
◆剣道とは刀で相手を斬ること
防具の打突部位(小手、面、胴、突き)を打突し、そのポイントを争うというスポーツ性の濃くなった全日本剣道連盟(以下全剣連)主導の現代剣道に異を唱え、あくまで防具の奥にある肉体を刀で斬り、突くことのできる稽古を修行している団体があると聞き、興味をそそられた。
全日本剣道協会(以下全剣協)。この全剣協の主導する稽古会では、全剣連の規則では禁じ手となっている足払い、組み打ちなどの荒技をもあえて竹刀稽古に採り入れ、競技とは一線を画した真の武道としての剣道を目指しているという。
全剣協の『剣道修行の目的』にも、こう謳われている。
『剣道修行の目的はその技法の錬磨、すなわち形、居合、竹刀打ちの一致及び体当たり、足払い、組み打ちをも行う真の格闘技として鍛錬し身体を鍛え(後略)』
また、同協会の設立宣言文には、『現代剣道は(中略)一遍の規則において勝敗を争うことを主とするため技法も著しく変質し、正しい刀法より見れば竹刀競技以外の何ものでもなく、これをもって精神の鍛錬を究極の目的とする我が国の剣道であるとして未来に伝えられることは真に剣道を愛し修行する者にとっては耐えられない(後略)』とあり、全剣連の規則に則って行う現代剣道への痛烈な批判が読み取れる。
#楽隠居です
一昨日、剣道歴50年という方とお会いして、いろいろお話を伺うことができました。その方が若かった頃、剣道・居合・柔術などを長年修行しておられた老先生と稽古をさせてもらった時に、一生懸命竹刀を打ち込んでいくと「それは何や?踊りか?」と言われて、いつのまにか崩されて面を捻って動けないようにされていたという体験談を聞かせていただきました。
下の写真は、ご紹介した記事に掲載されていた写真です。
現代において真の剣技を学ぶには何をすればよいのか?
また、本来一つの道であったはずの剣が何故、古流剣術、現代剣道と呼ばれ遊離しているのか?
日本刀の操法としての術が生まれて以来、日本の武術文化として育まれてきた剣術が、長い年月を経て様々に形を変え、剣術と剣道という二つの体系に分かれてしまっている現在、この問題は、真摯に剣を修行するものにとって、非常に重要なテーマとなっている。
そこで今回の特集では、本来は一つの体系であったはずの剣の道が、再び一つとなるためのヒントを、剣術の誕生から、現在の竹刀剣道までの歴史を概説し、さらには現在の剣道の在り方、竹刀剣道と真剣、古流剣術の立場からみた剣道などを取材しながら探っていく。
◆術の標準化とスポーツ化
終戦後、GHQ(連合国最高司令部)の占領政策の一環として、武徳会には解散が命令され、武道は戦時教育に利用されたという理由で禁止された。このような厳しい状況の中、剣道から武道的要素を払拭し、純然たるスポーツとして楽しむことを目的とした『しない競技』が考案された。体操着に袋しない、軽装の防具と運動靴で行うこの競技は、中学・高校の正課となって全国で実施された。
剣道という名称が復活したのは朝鮮戦争、講和条約をへて、GHQの日本占領が解除された昭和27年であった。戦後の混乱期からようやく抜け出し、社会、経済の安定が訪れたこの年、長年の努力が実り全日本剣道連盟が設立された。そして昭和29年それまでの全日本しない競技連盟と一体化した。剣道自体も、しない競技のスポーツ性、競技性を取り込み、新しいスポーツ武道として生まれ変わり、現代に引き継がれていると言えよう。
◆剣道とは刀で相手を斬ること
防具の打突部位(小手、面、胴、突き)を打突し、そのポイントを争うというスポーツ性の濃くなった全日本剣道連盟(以下全剣連)主導の現代剣道に異を唱え、あくまで防具の奥にある肉体を刀で斬り、突くことのできる稽古を修行している団体があると聞き、興味をそそられた。
全日本剣道協会(以下全剣協)。この全剣協の主導する稽古会では、全剣連の規則では禁じ手となっている足払い、組み打ちなどの荒技をもあえて竹刀稽古に採り入れ、競技とは一線を画した真の武道としての剣道を目指しているという。
全剣協の『剣道修行の目的』にも、こう謳われている。
『剣道修行の目的はその技法の錬磨、すなわち形、居合、竹刀打ちの一致及び体当たり、足払い、組み打ちをも行う真の格闘技として鍛錬し身体を鍛え(後略)』
また、同協会の設立宣言文には、『現代剣道は(中略)一遍の規則において勝敗を争うことを主とするため技法も著しく変質し、正しい刀法より見れば竹刀競技以外の何ものでもなく、これをもって精神の鍛錬を究極の目的とする我が国の剣道であるとして未来に伝えられることは真に剣道を愛し修行する者にとっては耐えられない(後略)』とあり、全剣連の規則に則って行う現代剣道への痛烈な批判が読み取れる。
#楽隠居です
一昨日、剣道歴50年という方とお会いして、いろいろお話を伺うことができました。その方が若かった頃、剣道・居合・柔術などを長年修行しておられた老先生と稽古をさせてもらった時に、一生懸命竹刀を打ち込んでいくと「それは何や?踊りか?」と言われて、いつのまにか崩されて面を捻って動けないようにされていたという体験談を聞かせていただきました。
下の写真は、ご紹介した記事に掲載されていた写真です。
by centeringkokyu
| 2007-09-21 00:01
| スポーツ関連