2007年 05月 25日
虚無の意味 |
「イメージ健康体操」増永静人著からご紹介します。
ヨガで瞑想するのも、坐禅で悟りをひらくのも、生命にとって偉大な働きをする、この虚無を自覚するためです。老子にも「凡そ有は皆、無より始まり、虚より起こる」とあるように、虚無の偉大さを知り、自然のままの無為を目ざすのが道教であるとされています。
このように、難しい哲学的、宗教的な境地が、われわれに一気につかめるはずはないのですが、経絡の働きをとおして、その一端にふれていくことができ体操を通して、東洋の思想を実感できる、というのがこのイメージ体操の特徴でもあるのです。虚無といえば、因循、姑息で、何もしない、消極的な思想と考えられがちですが、実はそこに万物をすべる大きな力のあることを悟ることが目的なのです。今の医学は、医者が何かを与え、何かをしてやらないと生命はすぐ危険に陥って絶滅してしまいそうに、大衆を教育しています。しかし、本当に病を治しているのは自然治癒力なのであって、これを十分働かすように余計なことをしないほうが病気はよく治るのです。それはただ放っておけば治るという誤った考え方になりがちですが、そうではなくて、病に囚われている気を、スムーズに動かしてやることにほかならないのです。そのために病の虚無を自覚することが必要になってくるわけです。
経絡治療は、この虚を動かして、実のコダワリをとる、というところに目的があるので、具体的に虚の特徴を把握してきました。「道のいうべきは道にあらず」という老子の言葉があるように、それが虚のすべてではないけれども、虚の一端を示してくれるものとしてその特徴を表現してみました。経絡の役割の中で、そのいろいろな作用を教えてきましたから、実のときにあらわれる症状は、それでわりに簡単に見付けられるし、また自覚症状や他覚的な所見からも、手にとりやすい実体的な面があります。虚の場合も、やはり役割的にはその所属器官に、その作用の欠如として出てくるわけですから、時には似たような症状のこともあります。しかし、やはり虚としての特徴があって、時に実のように見えながら、病気や障害の原因になっている、という場合も多いのです。いわゆる、「虚虚実実」とは、そんな実感を表現した言葉でしょう。
つづいて12経絡の虚の場合の症状を、虚をつかむ手がかりとしてあげておきますが、それにあまりとらわれてもいけません。虚はあくまで目立たずかくれた存在として、黒幕的に全体を支配しているといった特徴があるわけですから、その片鱗をチラリとつかむ手段に役立てて下さい。そして本当に虚の存在を実証しながら虚の本態に迫っていく、というのが、修行ともいえるでしょう。
表面に目立って、気付きやすく、とらわれやすいものには、本質的な働きはなくて、その蔭にかくれて、有るともみえず、しかとはわからず、それでいて何となく感じられるものが、生命の本質であり、われわれを支配している大きな力がそこにある、ということを、このイメージ体操を通して実感していただくこと、それは必ずや人生のすべてにわたり、私達の生命の神秘さの根源にあって、何かを示そうとしているものだ、ということに気付かれると信じて疑いません。
#楽隠居です
増永先生関連の記事は、「増永静人」をブログ内検索してください。現在11件あります。
さて、先日久しぶりにK村さんが私の店に来てくださいました。このところ、観照塾も休んでおられましたし、しばらくお目に掛かっていませんでした。
鍼灸師の国家試験に合格してからのことなどをお聞きしていますと、急に「ちょっと右膝を治療させていただけませんか?」と言われました。IYさんではありませんが、食べ過ぎた時に膝が痛くなることには、気付いていましたが、K村さんには何も申し上げてはいませんでした。ちゃんと望診で分かられたのです。
これは、渡りに舟と思い、店を少々早仕舞いして、治療していただくことにしました。
脈診の後、磁石を使った奇経治療をしてから、主に接触鍼で治療してくださいました。本当に丁寧で、全く痛みのない気持ちの良い治療でした。勿論、膝の痛みも取れましたし、何とも言えず身体全体が弛み、その日は、食事もお風呂も軽めにして、早々に、心地よく眠らせていただきました。
治療していただいた後で私が「気持ちの良い鍼ですねぇ〜」と申し上げますと、「合気と同じでしょう?剣の分け目と搦めを意識するようにしながら、鍼で身体の中をつなげていくんです!面白いですよ〜」と言われました。
K村さんは、もともと意識の使い方のセンスが抜群でしたから、脈診と望診をしながら、入れる合気(補)や抜く合気(瀉)を使って鍼治療しておられるようです。
また私の介護団が強化されました。有り難いことです。
参照1:治療に使える合気をめざして!
参照2:呼吸法と経絡治療
参照3:触れ合気
参照4:センタリング アドバイス
下の写真は、お客様がご自分のお家の庭で育てておられる花を持ってきてくださったものです。K村さんへの感謝を込めて花束にして贈ります。
ヨガで瞑想するのも、坐禅で悟りをひらくのも、生命にとって偉大な働きをする、この虚無を自覚するためです。老子にも「凡そ有は皆、無より始まり、虚より起こる」とあるように、虚無の偉大さを知り、自然のままの無為を目ざすのが道教であるとされています。
このように、難しい哲学的、宗教的な境地が、われわれに一気につかめるはずはないのですが、経絡の働きをとおして、その一端にふれていくことができ体操を通して、東洋の思想を実感できる、というのがこのイメージ体操の特徴でもあるのです。虚無といえば、因循、姑息で、何もしない、消極的な思想と考えられがちですが、実はそこに万物をすべる大きな力のあることを悟ることが目的なのです。今の医学は、医者が何かを与え、何かをしてやらないと生命はすぐ危険に陥って絶滅してしまいそうに、大衆を教育しています。しかし、本当に病を治しているのは自然治癒力なのであって、これを十分働かすように余計なことをしないほうが病気はよく治るのです。それはただ放っておけば治るという誤った考え方になりがちですが、そうではなくて、病に囚われている気を、スムーズに動かしてやることにほかならないのです。そのために病の虚無を自覚することが必要になってくるわけです。
経絡治療は、この虚を動かして、実のコダワリをとる、というところに目的があるので、具体的に虚の特徴を把握してきました。「道のいうべきは道にあらず」という老子の言葉があるように、それが虚のすべてではないけれども、虚の一端を示してくれるものとしてその特徴を表現してみました。経絡の役割の中で、そのいろいろな作用を教えてきましたから、実のときにあらわれる症状は、それでわりに簡単に見付けられるし、また自覚症状や他覚的な所見からも、手にとりやすい実体的な面があります。虚の場合も、やはり役割的にはその所属器官に、その作用の欠如として出てくるわけですから、時には似たような症状のこともあります。しかし、やはり虚としての特徴があって、時に実のように見えながら、病気や障害の原因になっている、という場合も多いのです。いわゆる、「虚虚実実」とは、そんな実感を表現した言葉でしょう。
つづいて12経絡の虚の場合の症状を、虚をつかむ手がかりとしてあげておきますが、それにあまりとらわれてもいけません。虚はあくまで目立たずかくれた存在として、黒幕的に全体を支配しているといった特徴があるわけですから、その片鱗をチラリとつかむ手段に役立てて下さい。そして本当に虚の存在を実証しながら虚の本態に迫っていく、というのが、修行ともいえるでしょう。
表面に目立って、気付きやすく、とらわれやすいものには、本質的な働きはなくて、その蔭にかくれて、有るともみえず、しかとはわからず、それでいて何となく感じられるものが、生命の本質であり、われわれを支配している大きな力がそこにある、ということを、このイメージ体操を通して実感していただくこと、それは必ずや人生のすべてにわたり、私達の生命の神秘さの根源にあって、何かを示そうとしているものだ、ということに気付かれると信じて疑いません。
#楽隠居です
増永先生関連の記事は、「増永静人」をブログ内検索してください。現在11件あります。
さて、先日久しぶりにK村さんが私の店に来てくださいました。このところ、観照塾も休んでおられましたし、しばらくお目に掛かっていませんでした。
鍼灸師の国家試験に合格してからのことなどをお聞きしていますと、急に「ちょっと右膝を治療させていただけませんか?」と言われました。IYさんではありませんが、食べ過ぎた時に膝が痛くなることには、気付いていましたが、K村さんには何も申し上げてはいませんでした。ちゃんと望診で分かられたのです。
これは、渡りに舟と思い、店を少々早仕舞いして、治療していただくことにしました。
脈診の後、磁石を使った奇経治療をしてから、主に接触鍼で治療してくださいました。本当に丁寧で、全く痛みのない気持ちの良い治療でした。勿論、膝の痛みも取れましたし、何とも言えず身体全体が弛み、その日は、食事もお風呂も軽めにして、早々に、心地よく眠らせていただきました。
治療していただいた後で私が「気持ちの良い鍼ですねぇ〜」と申し上げますと、「合気と同じでしょう?剣の分け目と搦めを意識するようにしながら、鍼で身体の中をつなげていくんです!面白いですよ〜」と言われました。
K村さんは、もともと意識の使い方のセンスが抜群でしたから、脈診と望診をしながら、入れる合気(補)や抜く合気(瀉)を使って鍼治療しておられるようです。
また私の介護団が強化されました。有り難いことです。
参照1:治療に使える合気をめざして!
参照2:呼吸法と経絡治療
参照3:触れ合気
参照4:センタリング アドバイス
下の写真は、お客様がご自分のお家の庭で育てておられる花を持ってきてくださったものです。K村さんへの感謝を込めて花束にして贈ります。
by centeringkokyu
| 2007-05-25 00:03
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