2007年 04月 18日
条件反射・円・呼吸 |
大東流合気柔術六方会宗師 岡本正剛氏会見(平成11年8月10日)
合気ニュースの記事から抜粋してご紹介します。
ーー先生の合気は、たとえば形がきちんきちんとあるわけではない感じがいたしますが。
岡本 いや、ある程度はあるんです。だけど、技が高度になってくればくるほど、きまった形がなくなってしまうわけです。
ーー見た目よりも中にある部分ですか、「理合」の部分がより重要になってくるんじゃないかと思うんですが。
岡本 それは5年、6年くらいやらないと飲み込んでもらえないですね。
ーーそれはその形から、理屈からとかいろいろあると思うんですけど。
岡本 そうですね、これは東京へ来てから私の条件として、相手に接触する時にまず「条件反射を起こさせる」「円を使う」「呼吸を乱さない、呼吸を一つひとつに止めないで、自然にその円と同じに呼吸する」。これ、別々にやっては技にならないんです。この3点が一致しなくてはならないんです。触った瞬間に一旦停止してから円を描くんじゃなくて、触る瞬間にすでに円を描いて、呼吸もず〜っと投げる方向に息をはくように。まあ、自分じゃあまり意識していないんですけど、説明を求められると、このようにやっていると説明しているわけです。
本当は私は説明したくないんだけど、説明しないと、なおわからないだろうということで、説明しながら、技をかけているんです。
ーーむかしはちょっとした反応で相手を固めてしまって投げたりとか倒したりとかーー。やはり経験のなかから手探りで掴んでいったんでしょうね。
岡本 経験でしょうね。
条件反射というのは、簡単に言いますとね、例えば赤ん坊が寝ていますね。そこでポンと気になるような音をさせると、びくっと反応しますね。大人でもびっくりすると、こうなる。あれなんですよ。それを瞬間的にこっちからしかけるわけですよ。こちから先に手を出さない。相手に先に仕掛けさせる。
それで、その時に肘を伸ばして相手を掴むなと。肘は胴のところへ付けておくくらい。相手の攻撃がその位置で届くこのへんまできたら技をかける。手を伸ばすとそれだけ円が大きくなって力が余分にいるわけですよ。たとえば物を持つにしても、腕を伸ばしたままで持ち上げるのと、肘を曲げた形で持ち上げるのとではどっちが楽かわかりますよね。ですからできるだけ体の近くで円を小さくしてやりなさいと。小さい技だから大きく技を使う外部のかたは、あんな小さいのでかかるわけがないだろうとか、大車輪のように廻さないと効かないよというような批判があるらしいんです。
北海道にいたころもそうでした。堀川幸道の演武を見て、あんなんで人間が飛ぶわけないんだ、弟子も飼い慣らされているから飛ぶんだ、なんて言われていたんです。
だけどなにもね、月謝はらって時間を無駄にして、八百長なんてやらないですよ、よっぽど馬鹿でない限り。
大東流でもいろいろ分かれてしまって、堀川幸道のほうもいま三つ四つに分かれていますが、それぞれみんな分かれた人間の個性というものがありますから、技が多少違ってくる。同じ一人の師範に習ってもね、三人が三人同じ形にはいかないわけです。体質から、気性、いろいろな条件が違いますからね。
で、ある程度のレベルに達しますと、それが自分なりの技になってくる。それはあの堀川幸道も生前認めてました。「大東流の技には二千数百手もあると言われるけど、何百も習っていないんですよ。本当の肝心の合気というものだけを習っている。それも何十手ぐらいかな」なんて言っていましたよ。私にもある程度できるようになった頃に「あんたも一本立ち、いつになるかわからないけど、あんたなりの技が生まれてくるよ。私から習った以外の技がどんどんでてくるはずだ」と。
実際、さっきも言った三点を軸にしていると、いろいろな技ができるわけです、気持ち次第で。手掴まれたから、手だけじゃない。体が全体にもう円と条件反射に向けて自然に働いているわけです。
参照1:石の上にもまだ三年
参照2:合気とりあえず理論
参照3:退会決意3周年
参照4:筋紡錐・腱紡錐
合気ニュースの記事から抜粋してご紹介します。
ーー先生の合気は、たとえば形がきちんきちんとあるわけではない感じがいたしますが。
岡本 いや、ある程度はあるんです。だけど、技が高度になってくればくるほど、きまった形がなくなってしまうわけです。
ーー見た目よりも中にある部分ですか、「理合」の部分がより重要になってくるんじゃないかと思うんですが。
岡本 それは5年、6年くらいやらないと飲み込んでもらえないですね。
ーーそれはその形から、理屈からとかいろいろあると思うんですけど。
岡本 そうですね、これは東京へ来てから私の条件として、相手に接触する時にまず「条件反射を起こさせる」「円を使う」「呼吸を乱さない、呼吸を一つひとつに止めないで、自然にその円と同じに呼吸する」。これ、別々にやっては技にならないんです。この3点が一致しなくてはならないんです。触った瞬間に一旦停止してから円を描くんじゃなくて、触る瞬間にすでに円を描いて、呼吸もず〜っと投げる方向に息をはくように。まあ、自分じゃあまり意識していないんですけど、説明を求められると、このようにやっていると説明しているわけです。
本当は私は説明したくないんだけど、説明しないと、なおわからないだろうということで、説明しながら、技をかけているんです。
ーーむかしはちょっとした反応で相手を固めてしまって投げたりとか倒したりとかーー。やはり経験のなかから手探りで掴んでいったんでしょうね。
岡本 経験でしょうね。
条件反射というのは、簡単に言いますとね、例えば赤ん坊が寝ていますね。そこでポンと気になるような音をさせると、びくっと反応しますね。大人でもびっくりすると、こうなる。あれなんですよ。それを瞬間的にこっちからしかけるわけですよ。こちから先に手を出さない。相手に先に仕掛けさせる。
それで、その時に肘を伸ばして相手を掴むなと。肘は胴のところへ付けておくくらい。相手の攻撃がその位置で届くこのへんまできたら技をかける。手を伸ばすとそれだけ円が大きくなって力が余分にいるわけですよ。たとえば物を持つにしても、腕を伸ばしたままで持ち上げるのと、肘を曲げた形で持ち上げるのとではどっちが楽かわかりますよね。ですからできるだけ体の近くで円を小さくしてやりなさいと。小さい技だから大きく技を使う外部のかたは、あんな小さいのでかかるわけがないだろうとか、大車輪のように廻さないと効かないよというような批判があるらしいんです。
北海道にいたころもそうでした。堀川幸道の演武を見て、あんなんで人間が飛ぶわけないんだ、弟子も飼い慣らされているから飛ぶんだ、なんて言われていたんです。
だけどなにもね、月謝はらって時間を無駄にして、八百長なんてやらないですよ、よっぽど馬鹿でない限り。
大東流でもいろいろ分かれてしまって、堀川幸道のほうもいま三つ四つに分かれていますが、それぞれみんな分かれた人間の個性というものがありますから、技が多少違ってくる。同じ一人の師範に習ってもね、三人が三人同じ形にはいかないわけです。体質から、気性、いろいろな条件が違いますからね。
で、ある程度のレベルに達しますと、それが自分なりの技になってくる。それはあの堀川幸道も生前認めてました。「大東流の技には二千数百手もあると言われるけど、何百も習っていないんですよ。本当の肝心の合気というものだけを習っている。それも何十手ぐらいかな」なんて言っていましたよ。私にもある程度できるようになった頃に「あんたも一本立ち、いつになるかわからないけど、あんたなりの技が生まれてくるよ。私から習った以外の技がどんどんでてくるはずだ」と。
実際、さっきも言った三点を軸にしていると、いろいろな技ができるわけです、気持ち次第で。手掴まれたから、手だけじゃない。体が全体にもう円と条件反射に向けて自然に働いているわけです。
参照1:石の上にもまだ三年
参照2:合気とりあえず理論
参照3:退会決意3周年
参照4:筋紡錐・腱紡錐
by centeringkokyu
| 2007-04-18 00:00
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