2007年 03月 05日
手先の鈍い人は損をする |
「手先の鈍い人は損をする」高木貞敬監修 水谷溪著から抜粋してご紹介します。
手は体にとび出した脳といわれている。
ある研究によると、脳と手指を結びつけている神経コード(繊維)の数は、マウスで3万本と少ししかないのに、人間では実にその32倍の100万本前後もある。これはもちろん哺乳動物で最大。手が文明を創り出し、万物の霊長となった根拠のひとつがここにある。さらに、脳をよく調べてみると、大脳皮質にある「感覚」や「運動」の機能地図では、手の占めている割合が実に広い。
脳は手指のためにあるといってもよいほどである。手指をどんどん使うと、それだけで脳をよく使うことに通じるのである。
人間の手足の運動の正しい制御には、多数の筋に対する調和のとれた信号の流れが必要であって、ちょうど適した瞬間に多数の筋肉のおのおのに、収縮あるいは弛緩の指令を発することが必要なのである。よく訓練された目的を有する運動や、平衡の保持を助ける『本能的』運動の場合は、このような制御をするために、主として小脳に依存している。
筋肉には筋紡錐と呼ばれる感覚器が散在している。これは人間のそれぞれの筋肉の中にある一種の感覚器である。人間の一挙手一投足のどんな動作でも、脳と筋肉との間には、まことに巧妙な自動制御によるカラクリが働いているのだが、その際に重要な役目を果たすのが筋紡錐から出されるインパルス(刺激・衝撃)である。このインパルスが小脳に送り込まれて、そこで調節され行動として現れる。
確かに、支えたり、つまんだりするような小さな複雑な動きは、指によって行われるが、回転させたり、ねじったり、運動の方向を変えたり、前後左右にカジをとったりする大きな動きは、すべて小指球部分と母指球部分で行われている。そして、その力の中心になるのが小指球である。従って、どんなに親指、人さし指、中指の部分が発達していても、この部分の機能が発達しないと、非常に統制のないものになる。
この小指球をトレーニング(薬指と小指)すると、中指 人さし指まで連動作用を受け、五指全体のバランスがとれる。そして手の疲労は回復し、五指がリズミカルに動いてよい字を書く基礎づくりのみならず、事務系、技能系、スポーツ、その他仕事のおそい人、不器用な人、手の不均衡(俗にいう左きき)、手指の障害者、どもりの矯正などにも同様な効果をもたらすのである。
参照1:筋紡錐・腱紡錐
参照2:ソフトボールと卵
参照3:手の形雑感
手は体にとび出した脳といわれている。
ある研究によると、脳と手指を結びつけている神経コード(繊維)の数は、マウスで3万本と少ししかないのに、人間では実にその32倍の100万本前後もある。これはもちろん哺乳動物で最大。手が文明を創り出し、万物の霊長となった根拠のひとつがここにある。さらに、脳をよく調べてみると、大脳皮質にある「感覚」や「運動」の機能地図では、手の占めている割合が実に広い。
脳は手指のためにあるといってもよいほどである。手指をどんどん使うと、それだけで脳をよく使うことに通じるのである。
人間の手足の運動の正しい制御には、多数の筋に対する調和のとれた信号の流れが必要であって、ちょうど適した瞬間に多数の筋肉のおのおのに、収縮あるいは弛緩の指令を発することが必要なのである。よく訓練された目的を有する運動や、平衡の保持を助ける『本能的』運動の場合は、このような制御をするために、主として小脳に依存している。
筋肉には筋紡錐と呼ばれる感覚器が散在している。これは人間のそれぞれの筋肉の中にある一種の感覚器である。人間の一挙手一投足のどんな動作でも、脳と筋肉との間には、まことに巧妙な自動制御によるカラクリが働いているのだが、その際に重要な役目を果たすのが筋紡錐から出されるインパルス(刺激・衝撃)である。このインパルスが小脳に送り込まれて、そこで調節され行動として現れる。
確かに、支えたり、つまんだりするような小さな複雑な動きは、指によって行われるが、回転させたり、ねじったり、運動の方向を変えたり、前後左右にカジをとったりする大きな動きは、すべて小指球部分と母指球部分で行われている。そして、その力の中心になるのが小指球である。従って、どんなに親指、人さし指、中指の部分が発達していても、この部分の機能が発達しないと、非常に統制のないものになる。
この小指球をトレーニング(薬指と小指)すると、中指 人さし指まで連動作用を受け、五指全体のバランスがとれる。そして手の疲労は回復し、五指がリズミカルに動いてよい字を書く基礎づくりのみならず、事務系、技能系、スポーツ、その他仕事のおそい人、不器用な人、手の不均衡(俗にいう左きき)、手指の障害者、どもりの矯正などにも同様な効果をもたらすのである。
参照1:筋紡錐・腱紡錐
参照2:ソフトボールと卵
参照3:手の形雑感
by centeringkokyu
| 2007-03-05 00:00
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