2007年 02月 13日
輪之太刀と合気 |
以前、月刊「秘伝」誌に掲載された記事
「廻刀技」の現在 新陰流兵法転會・宗主師範 渡辺忠成
から、抜粋してご紹介します。
「廻刀技」を区別した場合、
1 腕の回転によって太刀が廻刀することを主とする「廻刀技」
2 転身にともないみずから太刀が廻刀する「廻刀技」
水車勢・和卜(かぼく)
3 腕の回転と転身を同時に行う「廻刀技」
の三つに分けることができる。一般には1と3が多い。
「廻刀技」の代表格「輪之太刀」
「輪之太刀」が新陰流における正式名称であり、「魔之太刀」は、通称名として使用している。「魔之太刀」の命名者は、「輪之太刀」を『悪魔の如き』と恐れた、他流の剣術家達である。
「輪之太刀」には、片手にて使う「輪之太刀」と、両手にて使う「輪之太刀」があるが、一般には片手の「輪之太刀」(狭義の「輪之太刀」)を指し、両手の「輪之太刀」(広義の「輪之太刀」)を「輪之太刀」ということはない。それは、新陰流の技のほとんどが、この両手の「輪之太刀」だからである。
ここでは、片手の「輪之太刀」について、まずは述べることにする。下段・中段または雷刀の構えから、片手となって太刀を廻刀して斜打するわけであるが、この廻刀に際して手首は使わずに、大調子の時は肩を中心に、また、小調子の時は肱を中心にして、腕を回転させて廻刀を行う。打つ部位によって自ら拳の高さは異なってくる。腰・胸・肩・頭上等の高さにより打つ訳である。
「輪之太刀」が「魔之太刀」と恐れられた理由は二つある。片手太刀の廻刀のために太刀が伸び、相手にとって間合いを読めないこと。「輪之太刀」そのものを外しても、瞬時に「入身技」に変化しての攻撃を伴っていることの二つである。また、「輪之太刀」は、実打する場合と、間を越す時の目くらましに打つ場合とがある。後者の場合は、一回の打で間を越す場合と、数回連続して打ちながら間を越す場合とがある。
広義の、両手の「魔之太刀」については、詳述することは省くが、「受け流」等は似てはいるが「輪之太刀」とはいわない。相手の太刀筋をすり抜けるようにして、太刀を廻刀して勝つものをのみ「輪之太刀」という。また、この両手の「輪之太刀」を使う際に、片手の拳の握りは緩むが、残りの拳はしっかりと握ったままであり、打つ前には両拳とも柄を握っている。したがって、両拳ともに握りが緩んだり、指が伸びたりすることは絶対にしてはいけないわけである。
新陰流最高の「極意」は、転身と共にする両手の廻刀技である。
#楽隠居です
前回の観照塾では、大転子の動きを確認しながら、「輪之太刀」の稽古をしてみました。手首だけを回しているように見えますが、呼吸に合わせて体幹を寄せて伸ばすことが大切なのです。(大転子を呼吸に合わせて中心に寄せる。背骨を伸ばす。)
両手持ちや片手持ちの技で試していただいたので、ご確認いただけたことと思いますが、手首だけをいくら丁寧に回したところで、何も起こらないのです。
合気と剣術との関連についても、少しは理解を深めていただけたことと思います。
新陰流に関して、私は過去にほんの少し習った事があるだけの落ちこぼれですから、私の説などは信用しないで、必ずご自分で検証するなり、ちゃんとした新陰流を習うなりしてください。
「廻刀技」の現在 新陰流兵法転會・宗主師範 渡辺忠成
から、抜粋してご紹介します。
「廻刀技」を区別した場合、
1 腕の回転によって太刀が廻刀することを主とする「廻刀技」
2 転身にともないみずから太刀が廻刀する「廻刀技」
水車勢・和卜(かぼく)
3 腕の回転と転身を同時に行う「廻刀技」
の三つに分けることができる。一般には1と3が多い。
「廻刀技」の代表格「輪之太刀」
「輪之太刀」が新陰流における正式名称であり、「魔之太刀」は、通称名として使用している。「魔之太刀」の命名者は、「輪之太刀」を『悪魔の如き』と恐れた、他流の剣術家達である。
「輪之太刀」には、片手にて使う「輪之太刀」と、両手にて使う「輪之太刀」があるが、一般には片手の「輪之太刀」(狭義の「輪之太刀」)を指し、両手の「輪之太刀」(広義の「輪之太刀」)を「輪之太刀」ということはない。それは、新陰流の技のほとんどが、この両手の「輪之太刀」だからである。
ここでは、片手の「輪之太刀」について、まずは述べることにする。下段・中段または雷刀の構えから、片手となって太刀を廻刀して斜打するわけであるが、この廻刀に際して手首は使わずに、大調子の時は肩を中心に、また、小調子の時は肱を中心にして、腕を回転させて廻刀を行う。打つ部位によって自ら拳の高さは異なってくる。腰・胸・肩・頭上等の高さにより打つ訳である。
「輪之太刀」が「魔之太刀」と恐れられた理由は二つある。片手太刀の廻刀のために太刀が伸び、相手にとって間合いを読めないこと。「輪之太刀」そのものを外しても、瞬時に「入身技」に変化しての攻撃を伴っていることの二つである。また、「輪之太刀」は、実打する場合と、間を越す時の目くらましに打つ場合とがある。後者の場合は、一回の打で間を越す場合と、数回連続して打ちながら間を越す場合とがある。
広義の、両手の「魔之太刀」については、詳述することは省くが、「受け流」等は似てはいるが「輪之太刀」とはいわない。相手の太刀筋をすり抜けるようにして、太刀を廻刀して勝つものをのみ「輪之太刀」という。また、この両手の「輪之太刀」を使う際に、片手の拳の握りは緩むが、残りの拳はしっかりと握ったままであり、打つ前には両拳とも柄を握っている。したがって、両拳ともに握りが緩んだり、指が伸びたりすることは絶対にしてはいけないわけである。
新陰流最高の「極意」は、転身と共にする両手の廻刀技である。
#楽隠居です
前回の観照塾では、大転子の動きを確認しながら、「輪之太刀」の稽古をしてみました。手首だけを回しているように見えますが、呼吸に合わせて体幹を寄せて伸ばすことが大切なのです。(大転子を呼吸に合わせて中心に寄せる。背骨を伸ばす。)
両手持ちや片手持ちの技で試していただいたので、ご確認いただけたことと思いますが、手首だけをいくら丁寧に回したところで、何も起こらないのです。
合気と剣術との関連についても、少しは理解を深めていただけたことと思います。
新陰流に関して、私は過去にほんの少し習った事があるだけの落ちこぼれですから、私の説などは信用しないで、必ずご自分で検証するなり、ちゃんとした新陰流を習うなりしてください。
by centeringkokyu
| 2007-02-13 00:02
| 合気観照塾