2006年 11月 02日
古(いにしえ)を稽(かんが)える |
昨日の中心塾芦屋教室でも、竹踏みを使った呼吸法をしました。少し内股の日舞立ちをして、プラスチック製健康器具の上に乗って呼吸をするのですが、立つ時には必ず「お膝を締めて お腰を入れて お肩を下げて ちん とん しゃん!」と言うことになってしまいました。
これは、たまたま来店されたお客様が、腰が痛くてなかなか治らないとおっしゃったので、膝を締めて、丹田と命門を意識しながら膻中から瘂門に吸う呼吸法をお教えしました。するとそのお客様は、子供の頃から日舞を習っておられたようで、自然に「お膝を締めて お腰を入れて お肩を下げて ちん とん しゃん!」という言葉が出てきました。しかし、すっかりそういう姿勢を教わっていたことは忘れておられたのに、身体が覚えていたのです。最後の「ちん とん しゃん!」は、身体を引き上げる空間造りの動作だと考えたのですが・・・
以前、別のお客様から、当店でお作りしたペンダントが、身につけていると斜めにぶら下がってしまうというクレームがありました。そのお客様は、上体を左右に振りながら歩かれる癖がありましたので、「それは、ペンダントが悪いのではありません。お客様の姿勢や歩き方に問題があるのです。」とご説明して、歩き方をお教えしました。するとペンダントが真っ直ぐなままで歩くことができるようになられました。そこで、椅子に座っていただくと、上体が斜めになってしまいました。
しかし、たまたまお茶をお出ししましたら、茶碗を両手でお持ちになられ、上体を真っ直ぐにされました。そこで、「茶道のお稽古をしておられましたか?」とお聞きしましたら、やはりそうでした。
日舞や茶道は、単なるお稽古事だという考え方で、大切な身体の使い方を、日常で活かされていないのは寂しいと感じました。「古(いにしえ)を稽(かんが)える」ということを大切にしていただきたいと思います。
腰を入れるから抜粋します。
腰は運動の基本である。舞踊でも腰は最大のポイントである。「腰を入れる」ということは、洋舞でも邦舞でもやかましくいわれる。日本舞踊で、「腰を落とす」という言葉を使うが、これは、見た目からの判断で、舞踊としては、「腰を入れる」という言葉の方がいいと思う。
身体を引き上げる空間造りは、洋舞、邦舞、全く同じといっていい。つまり、「背部の筋肉を上げる」とか「肛門を締める」とかいった表現で訓練される。
身体を安定させる空間造りは、呼吸法とも深いつながりがあると思われるが、下腹部への力の入れ方である。日本舞踊では、下腹部でも下の方の丹田に力を入れるが、洋舞では、下腹部の上の方の横隔膜に力を入れる。
太極拳の要訣からも少し抜粋します。
含胸抜背(がんきょうばっぱい)・・胸のまわりをゆったりとさせ、背骨を反らさない
胸と背中についての要求を表した常用語で、胸は無理に突っ張ったり、縮めたりしないでゆったりとさせ、自然に伸びやかに保つ(含胸)。
背中は脊柱をまっすぐに伸ばし、背中の皮を引き上げ、「沈肩」と強調させて肩甲部や後背筋部を左右に、下方に伸びやかに広げる。ただし、丸めて猫背にしない(抜背)。
また、「含胸」と「抜背」は互いに関連しているもので、背中の筋肉は両腕を伸ばして開く動作に伴い、できる限り緩めて伸びやかにし、同時に胸部の筋肉は自然に緩めて緊張させてはいけない。こうして胸に「含」の意味が具わり、背も「抜」の形になり、従って胸肋間の緊張を免れ、呼吸調節も自然になる。
これは、たまたま来店されたお客様が、腰が痛くてなかなか治らないとおっしゃったので、膝を締めて、丹田と命門を意識しながら膻中から瘂門に吸う呼吸法をお教えしました。するとそのお客様は、子供の頃から日舞を習っておられたようで、自然に「お膝を締めて お腰を入れて お肩を下げて ちん とん しゃん!」という言葉が出てきました。しかし、すっかりそういう姿勢を教わっていたことは忘れておられたのに、身体が覚えていたのです。最後の「ちん とん しゃん!」は、身体を引き上げる空間造りの動作だと考えたのですが・・・
以前、別のお客様から、当店でお作りしたペンダントが、身につけていると斜めにぶら下がってしまうというクレームがありました。そのお客様は、上体を左右に振りながら歩かれる癖がありましたので、「それは、ペンダントが悪いのではありません。お客様の姿勢や歩き方に問題があるのです。」とご説明して、歩き方をお教えしました。するとペンダントが真っ直ぐなままで歩くことができるようになられました。そこで、椅子に座っていただくと、上体が斜めになってしまいました。
しかし、たまたまお茶をお出ししましたら、茶碗を両手でお持ちになられ、上体を真っ直ぐにされました。そこで、「茶道のお稽古をしておられましたか?」とお聞きしましたら、やはりそうでした。
日舞や茶道は、単なるお稽古事だという考え方で、大切な身体の使い方を、日常で活かされていないのは寂しいと感じました。「古(いにしえ)を稽(かんが)える」ということを大切にしていただきたいと思います。
腰を入れるから抜粋します。
腰は運動の基本である。舞踊でも腰は最大のポイントである。「腰を入れる」ということは、洋舞でも邦舞でもやかましくいわれる。日本舞踊で、「腰を落とす」という言葉を使うが、これは、見た目からの判断で、舞踊としては、「腰を入れる」という言葉の方がいいと思う。
身体を引き上げる空間造りは、洋舞、邦舞、全く同じといっていい。つまり、「背部の筋肉を上げる」とか「肛門を締める」とかいった表現で訓練される。
身体を安定させる空間造りは、呼吸法とも深いつながりがあると思われるが、下腹部への力の入れ方である。日本舞踊では、下腹部でも下の方の丹田に力を入れるが、洋舞では、下腹部の上の方の横隔膜に力を入れる。
太極拳の要訣からも少し抜粋します。
含胸抜背(がんきょうばっぱい)・・胸のまわりをゆったりとさせ、背骨を反らさない
胸と背中についての要求を表した常用語で、胸は無理に突っ張ったり、縮めたりしないでゆったりとさせ、自然に伸びやかに保つ(含胸)。
背中は脊柱をまっすぐに伸ばし、背中の皮を引き上げ、「沈肩」と強調させて肩甲部や後背筋部を左右に、下方に伸びやかに広げる。ただし、丸めて猫背にしない(抜背)。
また、「含胸」と「抜背」は互いに関連しているもので、背中の筋肉は両腕を伸ばして開く動作に伴い、できる限り緩めて伸びやかにし、同時に胸部の筋肉は自然に緩めて緊張させてはいけない。こうして胸に「含」の意味が具わり、背も「抜」の形になり、従って胸肋間の緊張を免れ、呼吸調節も自然になる。
by centeringkokyu
| 2006-11-02 23:02
| 呼吸法中心塾