2006年 08月 16日
養生訓 総論下 その3 |
(38) 聖人ややもすれば楽しみをときたまう。わが愚をもって聖心おしはかりがたしといえども、楽しみはこれ人のうまれつきたる天地の生理なり。楽しまずして天地の道理にそむくべからず。つねに道をもって欲を制して楽しみを失うべからず。楽を失わざるは養生の本なり。
(40) よろずのこと十分に満て、その上にくわえがたきは、うれいの本なり。古人のいわく、酒は微酔にのみ、花は半開に見る。この言むべなるかな。酒十分にのめばやぶらる。少しのんで不足なるは、楽しみて後のうれいなし。花十分に開けば、盛り過ぎて精神なく、やがてちりやすし。花のいまだひらかざるが盛りなりと、古人いえり。
(42) 養生の道は、中を守るべし。中を守るとは過不及(かふきゅう)なきをいう。食後はうえを助くるまでにてやむべし。過ってほしいままなるべからず。これ中を守るなり。物ごとにかくのごとくなるべし。
(47) 素間(そもん)に、怒れば気上る。喜べば気緩まる。悲しめば気消ゆ。恐るれば気めぐらず。寒ければ気とず。暑ければ気泄(もれ)る。驚けば気乱る。労すれば気へる。思えば気結(むすぼお)るといえり。百病は皆気より生ず。病とは気やむなり。ゆえに養生の道は気を調うるにあり。調うるは気を和らぎ、平らかにするなり。およそ気を養うの道は、気をへらさざると、ふさがざるにあり。気を和らげ、平らかにすれば、この二つのうれいなし。
(48) 臍下(せいか)三寸を丹田(たんでん)という。腎間の動気ここにあり。難経(なんけい)に、臍下腎間の動気は人之生命也。十二経の根本なりといえり。これ人身の命根(めいこん)のある所なり。養気の術つねに腰を正しくすえ、真気を丹田におさめあつめ、呼吸をしずめてあらくせず、事にあたっては、胸中より微気をしばしば口に吐き出して、胸中に気をあつめずして、丹田に気をあつむべし。かくのごとくすれば気のぼらず、むねさわがずして身に力あり。貴人に対して物をいうにも、大事の変にのぞみ、いそがわしき時も、かくのごとくすべし。もしやむことを得ずして、人と是非を論ずとも、怒気にやぶられず、浮気ならずしてあやまりなし。あるいは芸術をつとめ、武人の槍太刀をつかい、敵と戦うにも、皆この法を主とすべし。これ事をつとめ、気を養うに益ある術なり。およそ技術を行なう者、ことに武人はこの法をしらずんばあるべからず。また、道士の気を養い、比丘(びく)の坐禅するも、皆真気を臍下(せいか)におさむる法なり。これ主静の工夫、術者の秘訣なり。
#楽隠居です
M橋さんからメールを頂きましたのでご紹介します。
先日は中心塾に参加させていただきありがとうございました。私的には今しかないというタイミングで勉強できたと思っています。
中心塾に参加されてる方々は自身の体、健康とを密接に感じながら丁寧に慎重にされてるなぁと驚いたと共に、雑にやってる自分が恥ずかしかったです。なのにアシスタントのアシスタント役でしたので、私少しやってます顔で『あっ!ここ、そうですね!はい!ここ、力抜いて下さい!』とか言って。でも、なかなか何人かの方を上から見る機会がないので(いつもは自分も見てもらう生徒の一人ですから)いろいろ見させていただきました。おかげ様で今自分のできる事、足りないところ、目標などいろんな物差しができました。
あの日一番勉強してかえった迷アシスタントより。
(40) よろずのこと十分に満て、その上にくわえがたきは、うれいの本なり。古人のいわく、酒は微酔にのみ、花は半開に見る。この言むべなるかな。酒十分にのめばやぶらる。少しのんで不足なるは、楽しみて後のうれいなし。花十分に開けば、盛り過ぎて精神なく、やがてちりやすし。花のいまだひらかざるが盛りなりと、古人いえり。
(42) 養生の道は、中を守るべし。中を守るとは過不及(かふきゅう)なきをいう。食後はうえを助くるまでにてやむべし。過ってほしいままなるべからず。これ中を守るなり。物ごとにかくのごとくなるべし。
(47) 素間(そもん)に、怒れば気上る。喜べば気緩まる。悲しめば気消ゆ。恐るれば気めぐらず。寒ければ気とず。暑ければ気泄(もれ)る。驚けば気乱る。労すれば気へる。思えば気結(むすぼお)るといえり。百病は皆気より生ず。病とは気やむなり。ゆえに養生の道は気を調うるにあり。調うるは気を和らぎ、平らかにするなり。およそ気を養うの道は、気をへらさざると、ふさがざるにあり。気を和らげ、平らかにすれば、この二つのうれいなし。
(48) 臍下(せいか)三寸を丹田(たんでん)という。腎間の動気ここにあり。難経(なんけい)に、臍下腎間の動気は人之生命也。十二経の根本なりといえり。これ人身の命根(めいこん)のある所なり。養気の術つねに腰を正しくすえ、真気を丹田におさめあつめ、呼吸をしずめてあらくせず、事にあたっては、胸中より微気をしばしば口に吐き出して、胸中に気をあつめずして、丹田に気をあつむべし。かくのごとくすれば気のぼらず、むねさわがずして身に力あり。貴人に対して物をいうにも、大事の変にのぞみ、いそがわしき時も、かくのごとくすべし。もしやむことを得ずして、人と是非を論ずとも、怒気にやぶられず、浮気ならずしてあやまりなし。あるいは芸術をつとめ、武人の槍太刀をつかい、敵と戦うにも、皆この法を主とすべし。これ事をつとめ、気を養うに益ある術なり。およそ技術を行なう者、ことに武人はこの法をしらずんばあるべからず。また、道士の気を養い、比丘(びく)の坐禅するも、皆真気を臍下(せいか)におさむる法なり。これ主静の工夫、術者の秘訣なり。
#楽隠居です
M橋さんからメールを頂きましたのでご紹介します。
先日は中心塾に参加させていただきありがとうございました。私的には今しかないというタイミングで勉強できたと思っています。
中心塾に参加されてる方々は自身の体、健康とを密接に感じながら丁寧に慎重にされてるなぁと驚いたと共に、雑にやってる自分が恥ずかしかったです。なのにアシスタントのアシスタント役でしたので、私少しやってます顔で『あっ!ここ、そうですね!はい!ここ、力抜いて下さい!』とか言って。でも、なかなか何人かの方を上から見る機会がないので(いつもは自分も見てもらう生徒の一人ですから)いろいろ見させていただきました。おかげ様で今自分のできる事、足りないところ、目標などいろんな物差しができました。
あの日一番勉強してかえった迷アシスタントより。
by centeringkokyu
| 2006-08-16 00:00
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