2006年 02月 14日
分目(わけめ)と搦(からめ) |
少し古い配布資料(059)ですが、ご紹介します。
分目搦 ふたつの目つけ しらざれば 上段と車は うたれざりけり
新陰流百首 東京都柳生家所蔵 の中の66番目の道歌です。
分け目には、分けた箇所の意味と勝敗・成否などの分かれ目の意味があるようです。搦めるには、1.細長いものを他のもののまわりに巻きつけて離れなくする。2.粘り気のあるものをまわりにつける。3.ある事に他のことを関連させる。4.縛る。捕縛する。というような意味があります。
武道歌撰集の解説には、分目は両の拳の間の柄の意。搦は上段にとった場合の両肘を一つにからめてみる心持。これらの動きで打つことが肝要。とあります。
私には、この道歌の意味はよく分かりません。しかし、分目という言葉と搦という言葉が、なんとなく印象に残ったのです。特に、搦という言葉が味わい深いと感じたのです。
「相手を搦取る」この言葉の共通項として、「そくい付け」があるのではないかと考えました。さらに、フェルデンクライス身体訓練法にあるように、自分の身体の様々な部分を関連させて動かし、すべて丹田に力が集約していく様子を感じる体験が、相手を搦取ることさえ、自然にイメージできるようになるきっかけになるのではないかと考えたのです。
すべて、いい加減な仮説に過ぎないのですが、新陰流の「燕飛」を、分目と搦とを意識して、フェルデンクライス訓練法的に稽古してみると、面白いかもしれません。まず、無形の時の分目と搦、真直ぐ中段の、両肘の搦と両拳の間の分目、三つ拍子の外しの時の、左手首と右腕の搦と分目、捻り込んで城郭勢になる時の左手首と右肘の搦と分目、相手の剣を弾き落す時の、両手首の搦と分目。
表現は難しいですが、色々と意識しながら、実際に動いてみてご確認ください。さらに、刀の柄の長さが、分目と搦にどのような影響を与えるかを考えてみる事も大切です。黒田鉄山さんや甲野さんは、九寸くらいの柄の刀を使用しておられるようです。新陰流では、八寸ぐらいが平均的な柄の長さのようです。勿論、刀自体の長さも違いますし、術理も異なってくるはずです。(一寸は3.03センチ)
物打ち(切先の下端の線を横手といい、横手より下三寸の間を物打ちという)と分目の関係や、丹田と物打ちとのつながりも意識して稽古する必要があります。
さらに、分目を意識する時は、必ず手首の甲側、小腸経の「陽谷」辺りを意識して、活かしておく(手首を返す)必要があります。ついでに言いますと、足首は肝経の「中封」あたりが平起平落で動く為のポイントになるのではないかと考えています。勿論、足首も活かして使います。それは、昔から言い伝えられている「足は親指、手は小指」とも一致するのではないでしょうか。
この辺りのことは、「北斎漫画」の中の踊りの絵が興味深いと思いましたので、配布資料060も参考にして頂きたいと思います。手首と足首と身体の動きを意識してご覧ください。他の浮世絵「写楽」などの中にも共通の表現がありますし、仏像彫刻なども、そのような眼でみると面白いと思いますので、各自でご研究ください。昔の人たちには、このような動き方がきっと普通だったのでしょうネ。
分目搦 ふたつの目つけ しらざれば 上段と車は うたれざりけり
新陰流百首 東京都柳生家所蔵 の中の66番目の道歌です。
分け目には、分けた箇所の意味と勝敗・成否などの分かれ目の意味があるようです。搦めるには、1.細長いものを他のもののまわりに巻きつけて離れなくする。2.粘り気のあるものをまわりにつける。3.ある事に他のことを関連させる。4.縛る。捕縛する。というような意味があります。
武道歌撰集の解説には、分目は両の拳の間の柄の意。搦は上段にとった場合の両肘を一つにからめてみる心持。これらの動きで打つことが肝要。とあります。
私には、この道歌の意味はよく分かりません。しかし、分目という言葉と搦という言葉が、なんとなく印象に残ったのです。特に、搦という言葉が味わい深いと感じたのです。
「相手を搦取る」この言葉の共通項として、「そくい付け」があるのではないかと考えました。さらに、フェルデンクライス身体訓練法にあるように、自分の身体の様々な部分を関連させて動かし、すべて丹田に力が集約していく様子を感じる体験が、相手を搦取ることさえ、自然にイメージできるようになるきっかけになるのではないかと考えたのです。
すべて、いい加減な仮説に過ぎないのですが、新陰流の「燕飛」を、分目と搦とを意識して、フェルデンクライス訓練法的に稽古してみると、面白いかもしれません。まず、無形の時の分目と搦、真直ぐ中段の、両肘の搦と両拳の間の分目、三つ拍子の外しの時の、左手首と右腕の搦と分目、捻り込んで城郭勢になる時の左手首と右肘の搦と分目、相手の剣を弾き落す時の、両手首の搦と分目。
表現は難しいですが、色々と意識しながら、実際に動いてみてご確認ください。さらに、刀の柄の長さが、分目と搦にどのような影響を与えるかを考えてみる事も大切です。黒田鉄山さんや甲野さんは、九寸くらいの柄の刀を使用しておられるようです。新陰流では、八寸ぐらいが平均的な柄の長さのようです。勿論、刀自体の長さも違いますし、術理も異なってくるはずです。(一寸は3.03センチ)
物打ち(切先の下端の線を横手といい、横手より下三寸の間を物打ちという)と分目の関係や、丹田と物打ちとのつながりも意識して稽古する必要があります。
さらに、分目を意識する時は、必ず手首の甲側、小腸経の「陽谷」辺りを意識して、活かしておく(手首を返す)必要があります。ついでに言いますと、足首は肝経の「中封」あたりが平起平落で動く為のポイントになるのではないかと考えています。勿論、足首も活かして使います。それは、昔から言い伝えられている「足は親指、手は小指」とも一致するのではないでしょうか。
この辺りのことは、「北斎漫画」の中の踊りの絵が興味深いと思いましたので、配布資料060も参考にして頂きたいと思います。手首と足首と身体の動きを意識してご覧ください。他の浮世絵「写楽」などの中にも共通の表現がありますし、仏像彫刻なども、そのような眼でみると面白いと思いますので、各自でご研究ください。昔の人たちには、このような動き方がきっと普通だったのでしょうネ。
by centeringkokyu
| 2006-02-14 21:35
| 合気観照塾