相手と一体となるタッチ |
◆イン触れ
立った姿勢で自分の身体に目を向けてみると、動いていない時も完全に静止しているのではなく、微妙に揺れていることを感じられるかも知れません。
身体は、一点で停止することなく、常にセンターに近付くように微調整し続けることでバランスを取っています。
合気の技でも、相手との関わり合いの中で、センタリングできるかどうかが大切であることを学んでいます。
自分の軸を立てた姿勢で、接点を介して一体となるように、相手の都合をいったん受け入れます。
そこから、引くだけでも押すだけでもなく、中心を保ちながら全体のバランスを変えることで、相手と一致したまま動くことができます。
息を吸って呼吸が身体の隅々まで行き届くとき、息を吐いて集まってくる場所が中心です。
意識を身体の内にも外にも、中枢にも末梢にも広げ、呼吸と共に動くことで、全身の繋がった動きになります。
相手と一体になった状態で、相手の中心を崩せば合気の技になり、中心に導けばバランスを整える治療になります。
呼吸が深まり、中心の働きが高まるバランスへと相手を誘導する施術が、「バランス☆運動療法」です。
合気の原理を応用して、外に表れている症状ではなく中の繋がりに働き掛けます。
本来、誰の身体にもセンターに近付けようとする力が働いていますが、何らかの原因により滞っている場所があると、その働きが妨げられアンバランスが生じます。
いくら「力を抜いてください」と言われても、無意識で起きている緊張を、意識して抜くことは出来ません。
そのため、バランスを整えるためには、相手の緊張を引き出すことなく、身体の中を通して無意識に働き掛ける必要があります。
力が抜けるバランスへと呼吸で浮かせ、緊張や重力から解放することで、身体の変化する可能性を広げます。
いつものパターンと異なる姿勢や動作は、意識的に処理することが出来ず、無意識による反応が返ってきます。
そうして身体の持つ自然の力が働きやすい状態へ導くことによって、バランスが整い、症状が改善すると考えています。
「バランス☆運動療法」を行なっているときに、相手に触れるタッチが「センタリング・タッチ」になります。
相手と一体となるタッチができると、触れるだけでも中の繋がりを誘導できます。
触れることで、お互いの身体を一致させられると、呼吸や脱力も同調し、自分をセンタリングすることにより、相手の偏りも中心に戻っていくと考えます。
そうしたタッチを身に付けるためには、相手がどのような偏り方をしていても、それに応じて力を抜けるようにしておく必要があります。
人が変われば状況も変わり、一瞬も同じ時はありません。
いつも違う条件の元で、どれだけ繊細に同調できるかは、結局のところ自分に帰することになります。
つまり、「センタリング・タッチ」ができるということは、自分の心身がセンタリングできている状態と同義だと言えます。
参照1:センタリング呼吸法
『センタリング』とは、『左寄せ・右寄せ・中央寄せ』という操作の『中央寄せ』のことです。この『中央寄せ』を、身体の状態と重ね合わせて考え、ボディ・ワークとしてまとめたものが、「センタリング呼吸法」です。
参照2:呼吸と動作を誘導し調整する バランス☆運動療法
深く全身に行き渡る呼吸が出来る状態を目指すことで、生まれ持った身体の働きが高まり、精神や肉体のバランスを自ら調節することが出来るようになります。
バランス☆運動療法では、他動的に呼吸や運動を補助させて頂くことで、自動的にそうした状態に向かって頂くことを目標として施術を行ないます。
参照3:センタリング・タッチ体験記
動きが少ない分、小さな音に耳を澄ませるように体内の感覚に意識が向き、その変化を味わうことができました。相手の皮膚に沿わす位のソフトなタッチでも、その芯を捉え、常に相手の中心軸に付けていくことができると、そこから大きな流れが生じることを体感できました。
参照4:センタリング・タッチの感想
身体が弛んでいく程、センタリング・タッチを繊細に感じる様になり、手の皮膚と皮膚が柔らかく浮いた中に把持された部位が浮いている感覚でセンタリグされるので、力を抜くしかない状態になり、勝手に力が抜けていきました。
参照5:ホメオスタシス
人間は生きていくうえで、無意識レベルで体内の様々な機能が安定的に活動しています。体に負荷をかけないように一定のリズムで呼吸や心拍が見られます。これはホメオスタシスが正常に機能しているからです。ホメオスタシスは呼吸や心拍といった秒単位のものから、日単位、年単位のものまであります。
☆リンク先で更新された記事
◆「老人力」
朝、寝ぼけ眼で一日の準備をしている時、
「あれ?”鷹掴”出来てる」って気付く。
10代の頃、一日中酒甕と格闘...手がズルズルになっても出来なんだ。
「老人力」の凄さを感じる(「”合”の道」)。
「重さに貞く」って事は、
「呼吸でゆっくり、丁寧に、小さく、意識して動ける」事と読み替えられる。
例えば、何かをちょっと持ってみて、
内心、「う、動けん」とか「つ、潰れる」って冷や汗もんで感じられる事がとても大事。
(「抜けない鞘や杭を抜く」実感に繋がる大切な要素だと思っている)
◆意見を変える難しさについて
この保守性と正面から戦っても、
勝目はない。
理性の側でできることといえば、
保守性とぶつかりあうのではなく、
いくばくかの自由を得るための
工夫だけである。
それには二種の工夫がある。
そのひとつは、
初っ端から、道を一本に定めないよう
心がけることである。
選択肢が多ければ、
保守性の下でも若干の自由がある。