新しいことを集中して学ぶ |
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「だれでも子ども時代には、集中して学習します。毎日が新しいことの連続なんです。仕事についたばかりの頃にも、新しい技能や能力を獲得しようとして一生懸命になる。しかし、その先は、すでにマスターした技能や能力を使うことが中心になっていく」
心理的には、中年期は、条件が同じであれば、これまでよりも魅力的な年代のように思われる。思春期のように身体的に大きな変化があるわけではない。自分がどういう人間かわかっているし、仕事でも技能を身につけている。まだまだ活発になにかができると思い、以前と同じように学習していると思いこむ。だが、実際には、この時期は、若い頃ほど注意力を必要とする課題をこなしていない。語彙を増やしたり、新しい技能をみにつけることもない。新聞を読むことや、日々の仕事をこなしたり、母語をしゃべったりすることは、ほとんどがすでに身につけた技能のリプレイにすぎず、学習ではないのだ。70歳になる頃には、脳の可塑性になんの働きもさせないで50年が過ぎているかもしれないのだ。
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同じことが運動ににもいえる。何年も前に習ったダンスをやるだけでは、脳の運動野をいい状態に保つことはできない。心身を生き生きとさせておくには、本当に新しいことを、集中して学ぶことが必要なのだ。それによって、新しい記憶を自分のものにすると同時に、古い記憶を保存して、たやすくアクセスできるシステムを構築することができるだろう。
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わたしたちは加齢とともに、バランスを失って転びやすくなったり、動きが鈍くなったりする。前庭器官の処理能力が落ちることとは別に、足の感覚フィードバックが減少することで機能が低下するのだ。私たちの靴は、何十年も足から脳への感覚フィードバックを制限してきた。ずっと裸足でいたら、でこぼこ道を歩くときに、様々なインプットが脳に送られていたはずだ。だが靴底は平たく、これが刺激をまんべんなく広げてしまう。それに、路面も平坦になっている。そのせいで、私たちの足裏マップは脱分化して、触覚を頼りに足をコントロールできなくなった。それで、体を支えるために、杖や歩行器、松葉杖を使ったり、ほかの感覚に頼ったりするのだ。衰えつつある脳のシステムを鍛えないで、こういった代用品を頼りにしてしまうと、さらに衰えが早まるだろう。
年をとると、階段を降りるときや、慣れない場所を歩くときには、つい足もとを見る。足からあまり情報を得ていないからだ。マーゼニックは、義理の母親を連れて別荘の階段を下りるときには、「足もとを見るのをやめて、足で感じるように」とうながす。足の感覚マップを衰えさせずに、それを維持し、発展させるためである。
▼カスタマーレビューから
これを読んで、なにか新しいものを学びたくなりました。
新しい楽器や、言語など。自分の脳をますます発達させたくなります!
実際に行われた治療、実験などからのデータをもとにして、人間の脳が、実際には一生を通していかに柔軟性をもっているか、そして可能性にあふれているのかが、説得力をもって書かれています。
色々な年齢層の脳、脳内出血などを疾患した後の脳、先天的に脳が半分しかない人の脳、動物の脳など、色々な脳の実験結果が出てきますが、それらはどれも、脳がいかに柔軟であり、脳内の神経細胞の接続を変えることができるかを伝えています。いくつかのケースでは、その人の強い意思と集中力、効果的な指導が必要としたものの、実験結果を読むと、今までの脳に関する定説「脳は子供の頃は、柔軟で何でも吸収するけれど、大人になると、衰えるだけ」が見事に覆されます。
なるべく多くの人に読んでほしい本です。そうすれば、世の中にもっと天才が増えると思います。元気なお年よりも、更に増えると思います。読み終えて、早速両親に一冊プレゼントしました。
☆リンク先で更新された記事
患者さんのAさんが施術中に「仕事を辞めることにしました」
とおっしゃいました。
仕事内容には不満は無いそうなのですが、職場の人間関係で我慢の限界が来たという事です。
大きな決断ですよね、辞職するという事は・・・
Aさんをみせて頂くと、首回りや背中が異常に硬くなっています。胸もへこんでいる感じを受けます。
相当悩まれたのですね!
心身ともに傷ついている様に見受けられます。
私のやりたいことは、傷ついている方が居ればどうにかして活き活きと再生してもらいたいという事なんです。
そして私にできることは、お話をキッチリと聞かせて頂き、身体のバランスを観させて頂き、どのようになっているかを言葉や施術でお伝えするという事だけです。
私の施術が少しでもAさんのお役に立っていればよいのですが・・・
何時の日か、「あの時に仕事を辞めて新たな道を選択したから今の自分があるんだ、良い選択をしたなぁ」と感じられる日が来ることを祈っています。
「大丈夫、Aさん!その選択は間違っていませんよ!」
私の直感は良く当たるんです!