2016年 07月 07日
『あやとり呼吸法』とは |
まさに、いま行なっている一回の呼吸の間にも 、私達のからだは広がったり締まったり、伸びたり縮んだり、張ったり弛んだりしています。
呼吸は、肺を通して空気を吸ったり吐いたりするだけでなく、心身の健やかな活動を助けるための様々な働きがあります。
その呼吸の力を充分に活かすことで、体内の循環が良くなり、姿勢が美しくなり、動作が軽く行なえるようになります。
けれども、呼吸をすることは余りにも身近すぎて、そうした呼吸の持つ働きの大切さには気付きにくいものです。
『あやとり呼吸法』を行なう上で最も大切なのは、正しい動きを目指すことではなく、動作をしながら自分の呼吸を見つめ直すところにあります。
呼吸や姿勢や動作には、一人一人これまでの人生の間に出来た癖があり、その積み 重ねが、からだの働きを妨げ、様々な心身の不調を引き起こします。
一般的にからだに良いとされる健康法をいくつ行なうよりも、あなた自身が健康を保つ上でマイナスになっている要因に気付き、それを改善するほうが、より大きな変化をもたらします。
腕や脚に掛けた「あやとり」は、あなたが自分の偏りに気付き、中心に近付くためのガイドになります。
そうして得た感覚は、あなた自身のもので、それによって日常のあらゆる場面で可能性を広げていくことが出来ます。
『あやとり呼吸法』をしながら、あなたにとっての楽な呼吸や動作のあり方を紐解いていきましょう。
<用意するもの>
腕に用いる「あやとり」:両腕の二の腕 を通るように紐を一周させ、腕を開いたときに肩幅で張れる長さの紐を用意します(長さ約1m・直径4~6mm)
脚に用いる「あやとり」:両脚の太腿を通るように紐を一周させ、脚を開いたときに骨盤の幅で張れる長さの紐を用意します(長さ約1m・直径6~8mm)
<『あやとり呼吸法』・基礎編>
0.雲(空に浮かぶ雲が場所や形を変えながら移っていくように)
・背筋を伸ばして椅子に座ります
・両腕を「あやとり」に通して手首に掛け、腕を肩幅に開いて少しだけ浮かせます
・紐の結び目は、両手の中央に来るように調節しましょう
・息を吸いながら呼吸の分だけ紐をピンと張ります
・紐の張力はゆるめずに、肩や腰の 力を抜いて、それから、ゆっくりと息を吐きます
・呼吸に合わせて何度か行い、両腕を脚の上にそっと下ろします
1.稲穂(稲が実った穂の重みに添って垂れ下がり、田から水や栄養分を吸い上げて起き上がるように)
・両脚を「あやとり」に通して太腿に掛けて、紐の結び目が中央に来るように調節します
・息を吸いながら太腿を開き、呼吸の分だけ紐をピンと張ります
・張りを保ったまま、骨盤からゆっくりと、からだを前方に傾けていきます
・背骨を順番に丸め、最後に頭を下ろします
・再び息を吸いながら、骨盤から順にからだを起こし、中央に戻ったところで息を吐きます
・左右へ傾ける動き、ねじる動きも同様に行ないます
2.8の字(交 差した紐の中を流れが循環するように)
・「あやとり」を一回ねじって、8の字にして手首に掛け、両手を胸の高さまで浮かせます
・紐を両手に馴染ませてから、息を吸ってピンと張ります
・両方の手の平が下に向くように腕を回転させ、力を抜いて息を沈めます
・ゆっくりと元の姿勢に戻します
3.気球(気球が浮力で浮き上がり、人を乗せて飛行するように)
・「あやとり」を手首に掛け、両手を胸の高さまで浮かせて紐を張ります
・紐の中心を保ったまま、片腕を浮かせて反対側の腕を吊るすように、両腕を回転させます
・両方の手首が中央にあり、紐の真ん中が交差する位置で、ゆっくりと息を吐きます
・背骨を伸ばしたまま、手を元の場所に戻 します
・反対向きも同様に行ないます
4.王冠(大きく伸ばして冠を掲げ、自分の頭の上に載せるように)
・手に「あやとり」を通して張りを作り、肘を伸ばして、息を吸った分だけ腕を上げます
・その高さを保ったまま力を抜き、ゆっくりと息を吐きます
・それを繰り返すことで、少しずつ腕を高く上げていきます
・頭の上まで来たら、天井に向かって腕を伸ばしたまま息を吐きます
・手が顔の前を通るように、ゆっくりと腕を下ろします
5.ブーメラン(狙った場所に投げたブーメランが、自分の元に戻ってくるように)
・手に「あやとり」を通し、肘を曲げて胸の前に構えます
・紐を張ったまま、目標とする場所を決め、息を吸 いながら腕をその方向へ向かって伸ばします
・一番伸びたところで力を抜いて、息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻します
・目標を変えて、何度か行ないます
<『あやとり呼吸法』・応用編>
基礎編で行なった内容を、条件設定を変えながら違いを検証します
0.雲
紐を掛ける位置を変えます
【例】腕・手首・手の甲・指
手の形を変えます
【例】両手を握る・両手を開く・片手を握る・指をどれか立てる
手の平の向きを変えます
【例】上向き・下向き・内向き
手首の角度を変えます
【例】曲げる・反らす・傾ける
掛ける指の組み合わせを変えます
1.稲穂
足の置き方を変えます
【例】足の向き・着く位置
足底の着き方を変えます
【例】つま先・踵・外側・内側
膝や股関節の向きを変えます
からだの重心を変えます
片脚を上げたり下ろしたりします
2.8の字
手の位置を変えます
左右で手の向きを変えます
腕の回転と脚の動きを連動させて行ないます
重心移動をしながら行ないます
3.気球
手の高さを変えます
中央より、右寄りや左寄りで行ないます
中央より、前寄りや後寄りで行ないます
両手の間のボールを転がすように、手の位 置を変え続けます
4.王冠
背中を反らせ、伸びる限界まで手を掲げます
腕とバランスを取りながら、脚も上げます
上げるときと同じように、呼吸のペースで下ろして、その都度、伸ばします
ヘソの向きを変えて、同様に行ないます
5.ブーメラン
両肘に紐を掛けて行ないます
脚と腕を対応させて動きます
目線も一致させます
紐の張りが弛まないように、バランスを取り続けます
#楽隠居です
OAさんが、『あやとり呼吸法』を纏めてくださいました。皆さんに試していただいて、必要があれば改訂したいと思いますが、先ずはこれを参考にして、患者さんの状態に合わせて教えてみていただきたいと思います。
OAさんには、お忙しい時期にもかかわらず、上手に纏めて頂きまして感謝しています。
呼吸は、肺を通して空気を吸ったり吐いたりするだけでなく、心身の健やかな活動を助けるための様々な働きがあります。
その呼吸の力を充分に活かすことで、体内の循環が良くなり、姿勢が美しくなり、動作が軽く行なえるようになります。
けれども、呼吸をすることは余りにも身近すぎて、そうした呼吸の持つ働きの大切さには気付きにくいものです。
『あやとり呼吸法』を行なう上で最も大切なのは、正しい動きを目指すことではなく、動作をしながら自分の呼吸を見つめ直すところにあります。
呼吸や姿勢や動作には、一人一人これまでの人生の間に出来た癖があり、その積み 重ねが、からだの働きを妨げ、様々な心身の不調を引き起こします。
一般的にからだに良いとされる健康法をいくつ行なうよりも、あなた自身が健康を保つ上でマイナスになっている要因に気付き、それを改善するほうが、より大きな変化をもたらします。
腕や脚に掛けた「あやとり」は、あなたが自分の偏りに気付き、中心に近付くためのガイドになります。
そうして得た感覚は、あなた自身のもので、それによって日常のあらゆる場面で可能性を広げていくことが出来ます。
『あやとり呼吸法』をしながら、あなたにとっての楽な呼吸や動作のあり方を紐解いていきましょう。
<用意するもの>
腕に用いる「あやとり」:両腕の二の腕 を通るように紐を一周させ、腕を開いたときに肩幅で張れる長さの紐を用意します(長さ約1m・直径4~6mm)
脚に用いる「あやとり」:両脚の太腿を通るように紐を一周させ、脚を開いたときに骨盤の幅で張れる長さの紐を用意します(長さ約1m・直径6~8mm)
<『あやとり呼吸法』・基礎編>
0.雲(空に浮かぶ雲が場所や形を変えながら移っていくように)
・背筋を伸ばして椅子に座ります
・両腕を「あやとり」に通して手首に掛け、腕を肩幅に開いて少しだけ浮かせます
・紐の結び目は、両手の中央に来るように調節しましょう
・息を吸いながら呼吸の分だけ紐をピンと張ります
・紐の張力はゆるめずに、肩や腰の 力を抜いて、それから、ゆっくりと息を吐きます
・呼吸に合わせて何度か行い、両腕を脚の上にそっと下ろします
1.稲穂(稲が実った穂の重みに添って垂れ下がり、田から水や栄養分を吸い上げて起き上がるように)
・両脚を「あやとり」に通して太腿に掛けて、紐の結び目が中央に来るように調節します
・息を吸いながら太腿を開き、呼吸の分だけ紐をピンと張ります
・張りを保ったまま、骨盤からゆっくりと、からだを前方に傾けていきます
・背骨を順番に丸め、最後に頭を下ろします
・再び息を吸いながら、骨盤から順にからだを起こし、中央に戻ったところで息を吐きます
・左右へ傾ける動き、ねじる動きも同様に行ないます
2.8の字(交 差した紐の中を流れが循環するように)
・「あやとり」を一回ねじって、8の字にして手首に掛け、両手を胸の高さまで浮かせます
・紐を両手に馴染ませてから、息を吸ってピンと張ります
・両方の手の平が下に向くように腕を回転させ、力を抜いて息を沈めます
・ゆっくりと元の姿勢に戻します
3.気球(気球が浮力で浮き上がり、人を乗せて飛行するように)
・「あやとり」を手首に掛け、両手を胸の高さまで浮かせて紐を張ります
・紐の中心を保ったまま、片腕を浮かせて反対側の腕を吊るすように、両腕を回転させます
・両方の手首が中央にあり、紐の真ん中が交差する位置で、ゆっくりと息を吐きます
・背骨を伸ばしたまま、手を元の場所に戻 します
・反対向きも同様に行ないます
4.王冠(大きく伸ばして冠を掲げ、自分の頭の上に載せるように)
・手に「あやとり」を通して張りを作り、肘を伸ばして、息を吸った分だけ腕を上げます
・その高さを保ったまま力を抜き、ゆっくりと息を吐きます
・それを繰り返すことで、少しずつ腕を高く上げていきます
・頭の上まで来たら、天井に向かって腕を伸ばしたまま息を吐きます
・手が顔の前を通るように、ゆっくりと腕を下ろします
5.ブーメラン(狙った場所に投げたブーメランが、自分の元に戻ってくるように)
・手に「あやとり」を通し、肘を曲げて胸の前に構えます
・紐を張ったまま、目標とする場所を決め、息を吸 いながら腕をその方向へ向かって伸ばします
・一番伸びたところで力を抜いて、息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻します
・目標を変えて、何度か行ないます
<『あやとり呼吸法』・応用編>
基礎編で行なった内容を、条件設定を変えながら違いを検証します
0.雲
紐を掛ける位置を変えます
【例】腕・手首・手の甲・指
手の形を変えます
【例】両手を握る・両手を開く・片手を握る・指をどれか立てる
手の平の向きを変えます
【例】上向き・下向き・内向き
手首の角度を変えます
【例】曲げる・反らす・傾ける
掛ける指の組み合わせを変えます
1.稲穂
足の置き方を変えます
【例】足の向き・着く位置
足底の着き方を変えます
【例】つま先・踵・外側・内側
膝や股関節の向きを変えます
からだの重心を変えます
片脚を上げたり下ろしたりします
2.8の字
手の位置を変えます
左右で手の向きを変えます
腕の回転と脚の動きを連動させて行ないます
重心移動をしながら行ないます
3.気球
手の高さを変えます
中央より、右寄りや左寄りで行ないます
中央より、前寄りや後寄りで行ないます
両手の間のボールを転がすように、手の位 置を変え続けます
4.王冠
背中を反らせ、伸びる限界まで手を掲げます
腕とバランスを取りながら、脚も上げます
上げるときと同じように、呼吸のペースで下ろして、その都度、伸ばします
ヘソの向きを変えて、同様に行ないます
5.ブーメラン
両肘に紐を掛けて行ないます
脚と腕を対応させて動きます
目線も一致させます
紐の張りが弛まないように、バランスを取り続けます
#楽隠居です
OAさんが、『あやとり呼吸法』を纏めてくださいました。皆さんに試していただいて、必要があれば改訂したいと思いますが、先ずはこれを参考にして、患者さんの状態に合わせて教えてみていただきたいと思います。
OAさんには、お忙しい時期にもかかわらず、上手に纏めて頂きまして感謝しています。
by centeringkokyu
| 2016-07-07 21:27
| 呼吸法中心塾