2015年 08月 22日
心が細胞をコントロールする |
▼『思考のすごい力』―心はいかにして細胞をコントロールするか
ブルース・リプトン著・西尾香苗訳(PHP研究所)
親が子に渡したDNAは活性化されて始めて、それがプラスにせよマイナスにせよ、意味を持つ。重要なのは、母親の胎内にいる胎児のときから幼児期に至るまでに刷込まれる両親の教育・感化や その子供を取り巻く環境に強く影響される遺伝子である。人間は生まれたときは本能で水に泳げるにもかかわらず、赤子に水に対する恐怖心を与えてしまうから泳げなくなるのである、という。 親はこのことを意識して子供を育てなければならない。幼児期までに機能化した遺伝子の一部は潜在意識としてその人間の心に深く刻まれる。 まさに『獲得形質の遺伝』と同じ効果を持つことになる。
成長して自我に目覚めた知性・意識が遺伝子をコントロールするということは、自分で自分を生きることが出来るということである。 しかし、本能や潜在意識(無意識)の反応スピードは意識の反応スピードの 100万倍という。まさに光速である。意識はこの猛スピードの本能と潜在意識にどのように対処が出来るのか。筆者は本書のエピローグよりさらに後に“補遺”を設けて潜在意識を変えるための “エネルギー心理学(サイ・ケー PSYCH-K)”のテクニックを紹介している。ある種の催眠療法と思われる。
これには私は組しません。意識は催眠術が手伝うことがあるにせよ、究極において意志、すなわち自分が対象としている事物に対する関係性の新しい解釈が変えるのです。アドラー心理学の立場は、潜在意識の強さ・速さやトラウマを強調したところで何の解決ももたらさないと考える。 お互いが対等であるという信念から発する勇気付けによって、その人の心・意識が強化されたとき(それは「時間とエネルギーの積」の関数ではあろうが、) 人は自分の遺伝子をコントロールできる(人は変わることが出きる)。このための取組みと支援こそが学問であり心理学ではないのか、と思うのです。 本書の筆者も上記の受賞記念講演では“エネルギー心理学”については触れていません。「人は自らの人生を創造することができる」というメッセージと矛盾しかねないからでしょうか。
「膜は液晶で、半導体で、ゲートとチャネルがある」。20年前、著者が細胞膜の機能に気がついたときの感動の様子はきわめて印象的です。本書の圧巻です。 知性を持つ細胞膜はパソコンのCPUである。核はハードディスクだ。多細胞生物である人間では細胞膜に該当するのが脳ということになる。この考えは12年後に実証されます。
しかしここで著者は立ち止まります。先に進めません。細胞膜はすばらしい機能を発揮する。膜は生命をコントロールしている。 しかし、細胞膜は電子顕微鏡で見える物質であり、環境(エネルギー・命・わたし)によって動かされる機能体に過ぎません。そこから先に進めません。
こうしてブルース リプトンは「アインシュタインを祝福する」ことになるのです。第四章を「量子物理学が生物学・医学を変える日は近い」と題して、生命科学にも量子力学を応用 しなくてはならないと、将来の研究にゆだねています。物質はエネルギーであるという量子力学的思考でなければ解決できないということです。
心が持っている力(思考・エネルギー)について、プラシーボ効果こそが、その証明だと強調しています。これを邪魔者扱いにしている製薬業界やあえて無視する医学界を 批判している部分は説得力があります。
うつ病やパーキンソン病などは偽薬の効果は大きく、外科手術(膝関節炎)にも偽手術のプラシーボ効果がはっきりと確認された研究結果を詳しく紹介しています。
ノーシーボ効果(否定的思考や希望を萎えさせる医師の態度や言葉)についてもほんとうに重要な指摘であると思います。
このような心・意志・思考は、何処から生まれるのか。細胞(遺伝子)に働きかける意志こそは重要な細胞の環境であろう。それはエネルギーなのか。 エネルギーは命か、宇宙か、神か。
著者は「自分が細胞膜の生物学者に変わったと同時に、不可知論の科学者から永遠の生命が肉体に降りてくると信じる、 正真正銘の神秘主義者に変わったのだ」と、あっさりと述べています。神秘主義などを持ち出すのではなく、著者の論旨からすれば 『命は量子力学によって解釈されるべき、未来の課題である』と言ってほしかったと、私は思います。
☆リンク先で更新された記事
◎施術では
○癖がぁぁぁぁ・・・
・頭が突っ込んでいる
・大椎が後ろ過ぎる
・骨盤底筋が効いていない
#くぼけんです。
胸が硬く胸郭が殆ど動いていなかった私には刺激が強い変化だった様です。繋がると勝手に治ってくれる事も解ったので良しとしておきます。
今日は胸郭を大椎から頸の下へ滑り込まそうと無理してしまったので明日はもう少し全体視に心がけてテーマを組めればなぁ~と思います。
◆区切り
だんだんと気候が涼しくなり、柿の木には実がなり始めています。
それぞれの季節は、どこで区切られることもなく、少しずつ移っていきます。
なだらかな変化を受け取ることを大切に過ごしていきたいと思っています。
☆おまけ
こちらもどうぞ!
参照1:潜在意識
参照2:思い込みで決めない
参照3:叱言以前
参照4:ノーシーボ効果
参照5:なぜ医師は傷つくことを言うのか
参照6:真剣勝負の気魄
by centeringkokyu
| 2015-08-22 00:03
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