2012年 02月 29日
体全体の皮膚の緊張やゆがみを調整する |
「皮膚を動かせば健康になる」宮田トオル著からご紹介します。
▼皮膚を動かすことで緊張を「戻す」
皮膚が緊張している状態というのは、たとえてみれば、きついシャツを着ているようなものです。動きがぎこちなくなって、あちこちにこりや痛みを起こしてしまいます。そこで、皮膚を動かすことによって、きついシャツを少し緩くしてあげるわけです。
皮膚が緊張する原因としては、あとで詳しく説明しますが、生活習慣、スポーツ、加齢などが挙げられます。たとえば、ずっと下を向いてデスクワークをしていれば、五キログラムもある頭の重さに対して、首の裏の皮膚がずっと引っ張られているわけです。
皮膚体操は、そうして過剰に引っ張られた皮膚を戻してあげるのです。皮膚を動かすことで、緊張を 「戻す」と考えるとよいでしょう。
皮膚体操の効果は、すぐに実感できます。とくに、肩が上がらない、指が曲がらないといった動きが悪い症状の場合、実践した瞬間に効果が体感できるはずです。それまで動きの悪かった人ほど、その違いが明らかになるはずです。
痛みについても、その場でかなり解消されます。長年、ひどい肩こりやひざの痛みに悩まされている人も、すぐに楽になったという声がほとんどです。もっとも、時間をかけて進んできた痛みやこりが、一瞬ですべて解消できるわけではありません。それでも、毎日、欠かさずに皮膚体操をすることで、一カ月あれば確実に効果があがります。
ところで、皮膚を動かすというと、マッサージを連想する人が多いと思います。実際にやってみるまでは、皮膚を「動かす」皮膚体操よりも、皮膚を「強くもむ」マッサージのほうが、よく効くと思うかもしれません。
しかし、マッサージの場合、長い期間続けると副作用が発生することがあります。私が実際に施術して感じたのは、マッサージ慣れしている人ほど、皮膚の動きが悪く、筋肉が硬くなっているという事実です。
筋肉が硬くなると、さらに強いマッサージでないと満足できなくなります。しかし、強い刺激は、皮膚と筋肉の間にある毛細血管を損傷させ内出血を起こします。そして、内出血が起きた部分では、炎症物質や老廃物が滞りがちとなり、皮膚や筋肉をさらに硬くしてしまうからです。その結果、どんどんと悪循環に陥ってしまうわけです。
強い刺激は、感覚も麻痺させてしまいます。私が整形外科に勤務していたときに、ホットパックという温熱療法をしていたことがあります。そこで、熱心にマッサージを繰り返している人ほど、熱いホットパックを要求するようになることに気づきました。患部を見ると、これまでの温度で十分に反応しているのに、本人はもっと熱いのを欲しがるのです。強い刺激を続けたことで、体が温度に対して麻痺してしまったのでしょう。その点、皮膚体操では、カを入れずに皮膚を動かすだけですから、こうした副作用はほとんど考えられません。むしろ、血行を促進して炎症物質や老廃物を押し流すと同時に、強い刺激に対する依存症を改善する効果があるのです。
▼皮膚のゆがみが不健康の元凶
私たちの日常生活にも、皮膚をゆがませる原因がひそんでいます。
とくに現代人にとって問題なのは、日常の作業のほとんどが、体の前方で腕を使っている点にあります。典型的なのはパソコンの作業。そのほかにも、料理、飲食、読書、機械操作など、ほとんどすべての動きにおいて、体の軸の前で腕を使っています。
その結果、姿勢が前かがみになり、筋肉自体も前方の中央に縮こまってきます。すると、皮膚もそれに合わせて前方中央に引き込まれていくのです。
皮膚が前方に引き込まれていくと、当然のことながら、その分だけ背中の皮膚が引っ張られます。一日中そうした状態が続くのですから、結果的に首のうしろや肩、肩甲骨の周囲がこったり痛んだりするケースが多いのです。実際に、私が施術をしてみると、そういう状態の人が多いことに気づきます。
また、加齢による皮膚のゆがみもあります。いくら体がやわらかい人でも、高齢者になっていけば徐々に硬くなっていきます。ましてや、体を動かす機会の少ない人は、筋肉や関節の動きが悪くなっていき、それによって皮膚の動きも悪くなります。また、筋肉を動かさないと、血流も悪くなっていきますから、さらに動きが悪くなるという悪循環を生んでしまうのです。
ゆがみがゆがみを生むという悪循環は、高齢者だけの問題ではありません。
たとえば、外反母址の人は、そのままでゆがみを放っておくと、次に足首の関節のゆがみが生じます。無理な指のままで、バランスをとろうとするからです。そして、さらに、ひざや股関節、骨盤のゆがみ、さらには、脊髄、胃にゆがみの連鎖が伝わっていくことになるのです。
エアロビスクやステップ系のダンスをしている人は、ねんざなどで足もとのバランスを一回崩してしまうと厄介です。ゆがんだ状態でバランスをとろうとするために、むしろゆがみの連鎖が、腰から肩へとどんどんと広がってしまうのです。
ところが、こうした場合、整形外科で診てもらっても、結果が起きている部位を中心にⅩ線などの検査が入ります。肩が痛いからといって、足もとのレントゲンを撮るわけにはなかなかいかないのです。現在の日本の保険制度では、部位数が限られています。ですから、整形外科では対症療法が中心になり、負のスパイラルで起きている症状に対してはカバーが難しいのが現状です。
たまたま、加齢にともなう異常が見つかったり、骨が圧迫を受けていることがわかれば、それが原因だという診断にはなります。けれども、そうしたはっきりした問題が見つからないと、対症療法で終わってしまうのです。そこが、今の医療の問題点です。
その点、皮膚体操は体全体の皮膚の緊張やゆがみを調整して、体全体のバランスを回復させる働きがあります。こりや痛みを根本から治療する方法なのです。それでいて、いつでもどこでも、一人でできるというメリットがあります。慢性的なこりや痛みにお悩みの方は、ぜひ試してみてください。
#楽隠居です
大東流合気柔術六方会で、身体の一部分を擦ったり、道着を抓んだりしただけで相手を動かす合気を習ったことがあります。この場合は、常に首を狙って、脳に衝撃を伝えるというイメージが大切だと教わりました。ですから、合気も神経訓練法だと考えています。
CrecendoのTRさんが使っている刮痧(カッサ)の技術も、悪血がどうのこうのというより、皮膚を動かすテクニックの一つだと考えてもいいのではないでしょうか?
参照1:鍼灸の科学と皮膚科学
参照2:皮膚にまつわる最近の驚き
参照3:脳内の回路を再構築
参照4:「痛みのメカニズム」を知らない医師
▼皮膚を動かすことで緊張を「戻す」
皮膚が緊張している状態というのは、たとえてみれば、きついシャツを着ているようなものです。動きがぎこちなくなって、あちこちにこりや痛みを起こしてしまいます。そこで、皮膚を動かすことによって、きついシャツを少し緩くしてあげるわけです。
皮膚が緊張する原因としては、あとで詳しく説明しますが、生活習慣、スポーツ、加齢などが挙げられます。たとえば、ずっと下を向いてデスクワークをしていれば、五キログラムもある頭の重さに対して、首の裏の皮膚がずっと引っ張られているわけです。
皮膚体操は、そうして過剰に引っ張られた皮膚を戻してあげるのです。皮膚を動かすことで、緊張を 「戻す」と考えるとよいでしょう。
皮膚体操の効果は、すぐに実感できます。とくに、肩が上がらない、指が曲がらないといった動きが悪い症状の場合、実践した瞬間に効果が体感できるはずです。それまで動きの悪かった人ほど、その違いが明らかになるはずです。
痛みについても、その場でかなり解消されます。長年、ひどい肩こりやひざの痛みに悩まされている人も、すぐに楽になったという声がほとんどです。もっとも、時間をかけて進んできた痛みやこりが、一瞬ですべて解消できるわけではありません。それでも、毎日、欠かさずに皮膚体操をすることで、一カ月あれば確実に効果があがります。
ところで、皮膚を動かすというと、マッサージを連想する人が多いと思います。実際にやってみるまでは、皮膚を「動かす」皮膚体操よりも、皮膚を「強くもむ」マッサージのほうが、よく効くと思うかもしれません。
しかし、マッサージの場合、長い期間続けると副作用が発生することがあります。私が実際に施術して感じたのは、マッサージ慣れしている人ほど、皮膚の動きが悪く、筋肉が硬くなっているという事実です。
筋肉が硬くなると、さらに強いマッサージでないと満足できなくなります。しかし、強い刺激は、皮膚と筋肉の間にある毛細血管を損傷させ内出血を起こします。そして、内出血が起きた部分では、炎症物質や老廃物が滞りがちとなり、皮膚や筋肉をさらに硬くしてしまうからです。その結果、どんどんと悪循環に陥ってしまうわけです。
強い刺激は、感覚も麻痺させてしまいます。私が整形外科に勤務していたときに、ホットパックという温熱療法をしていたことがあります。そこで、熱心にマッサージを繰り返している人ほど、熱いホットパックを要求するようになることに気づきました。患部を見ると、これまでの温度で十分に反応しているのに、本人はもっと熱いのを欲しがるのです。強い刺激を続けたことで、体が温度に対して麻痺してしまったのでしょう。その点、皮膚体操では、カを入れずに皮膚を動かすだけですから、こうした副作用はほとんど考えられません。むしろ、血行を促進して炎症物質や老廃物を押し流すと同時に、強い刺激に対する依存症を改善する効果があるのです。
▼皮膚のゆがみが不健康の元凶
私たちの日常生活にも、皮膚をゆがませる原因がひそんでいます。
とくに現代人にとって問題なのは、日常の作業のほとんどが、体の前方で腕を使っている点にあります。典型的なのはパソコンの作業。そのほかにも、料理、飲食、読書、機械操作など、ほとんどすべての動きにおいて、体の軸の前で腕を使っています。
その結果、姿勢が前かがみになり、筋肉自体も前方の中央に縮こまってきます。すると、皮膚もそれに合わせて前方中央に引き込まれていくのです。
皮膚が前方に引き込まれていくと、当然のことながら、その分だけ背中の皮膚が引っ張られます。一日中そうした状態が続くのですから、結果的に首のうしろや肩、肩甲骨の周囲がこったり痛んだりするケースが多いのです。実際に、私が施術をしてみると、そういう状態の人が多いことに気づきます。
また、加齢による皮膚のゆがみもあります。いくら体がやわらかい人でも、高齢者になっていけば徐々に硬くなっていきます。ましてや、体を動かす機会の少ない人は、筋肉や関節の動きが悪くなっていき、それによって皮膚の動きも悪くなります。また、筋肉を動かさないと、血流も悪くなっていきますから、さらに動きが悪くなるという悪循環を生んでしまうのです。
ゆがみがゆがみを生むという悪循環は、高齢者だけの問題ではありません。
たとえば、外反母址の人は、そのままでゆがみを放っておくと、次に足首の関節のゆがみが生じます。無理な指のままで、バランスをとろうとするからです。そして、さらに、ひざや股関節、骨盤のゆがみ、さらには、脊髄、胃にゆがみの連鎖が伝わっていくことになるのです。
エアロビスクやステップ系のダンスをしている人は、ねんざなどで足もとのバランスを一回崩してしまうと厄介です。ゆがんだ状態でバランスをとろうとするために、むしろゆがみの連鎖が、腰から肩へとどんどんと広がってしまうのです。
ところが、こうした場合、整形外科で診てもらっても、結果が起きている部位を中心にⅩ線などの検査が入ります。肩が痛いからといって、足もとのレントゲンを撮るわけにはなかなかいかないのです。現在の日本の保険制度では、部位数が限られています。ですから、整形外科では対症療法が中心になり、負のスパイラルで起きている症状に対してはカバーが難しいのが現状です。
たまたま、加齢にともなう異常が見つかったり、骨が圧迫を受けていることがわかれば、それが原因だという診断にはなります。けれども、そうしたはっきりした問題が見つからないと、対症療法で終わってしまうのです。そこが、今の医療の問題点です。
その点、皮膚体操は体全体の皮膚の緊張やゆがみを調整して、体全体のバランスを回復させる働きがあります。こりや痛みを根本から治療する方法なのです。それでいて、いつでもどこでも、一人でできるというメリットがあります。慢性的なこりや痛みにお悩みの方は、ぜひ試してみてください。
#楽隠居です
大東流合気柔術六方会で、身体の一部分を擦ったり、道着を抓んだりしただけで相手を動かす合気を習ったことがあります。この場合は、常に首を狙って、脳に衝撃を伝えるというイメージが大切だと教わりました。ですから、合気も神経訓練法だと考えています。
CrecendoのTRさんが使っている刮痧(カッサ)の技術も、悪血がどうのこうのというより、皮膚を動かすテクニックの一つだと考えてもいいのではないでしょうか?
参照1:鍼灸の科学と皮膚科学
参照2:皮膚にまつわる最近の驚き
参照3:脳内の回路を再構築
参照4:「痛みのメカニズム」を知らない医師
参照5:相手と心理的な交流が発生する
☆リンク先で更新された記事
・楽しく
・体幹音頭
・「長堀Ⅱ はじまる」
・体験記22
・流れがでるまでが大事
・4本柱
・スニーカーの靴紐
・やっぱり絶品の御大のうどん@服部
【阪急服部のさぬき手打ちうどん銭形さんへは、毎週土曜日に行ってます。もう、10年以上毎週通っていますので、私達が行く時間には、人数分が予約席になっています。ですから、稽古が無いときには、前もってお知らせするようにしています。素うどん・とじきつねうどん・三つ盛り生醤油うどんなどもお勧めです。鶏の唐揚げは、まだ食べたことがないので、一度チャレンジしてみようと思います。橋下大阪市長は、銭形さんのキーマカレーうどんのファンだという噂も・・・】
☆おまけ
NTさんからのメールをご紹介します。
センタリング呼吸法のブログを読んでビックリしました。
K野先生が銭形の常連様だったなんて。
私は大阪讃岐うどんというジャンルの新年会などに参加しているので、銭形さんとは5年くらいのお付き合いです。大将の合田さんのファンなのです。
また3月の土曜教室でお話出来るのを楽しみにいたしております。
3月は2月に教えていただいたカラダの使い方の復習もしたいのですが、お願いできますでしょうか。
☆リンク先で更新された記事
・楽しく
・体幹音頭
・「長堀Ⅱ はじまる」
・体験記22
・流れがでるまでが大事
・4本柱
・スニーカーの靴紐
・やっぱり絶品の御大のうどん@服部
【阪急服部のさぬき手打ちうどん銭形さんへは、毎週土曜日に行ってます。もう、10年以上毎週通っていますので、私達が行く時間には、人数分が予約席になっています。ですから、稽古が無いときには、前もってお知らせするようにしています。素うどん・とじきつねうどん・三つ盛り生醤油うどんなどもお勧めです。鶏の唐揚げは、まだ食べたことがないので、一度チャレンジしてみようと思います。橋下大阪市長は、銭形さんのキーマカレーうどんのファンだという噂も・・・】
☆おまけ
NTさんからのメールをご紹介します。
センタリング呼吸法のブログを読んでビックリしました。
K野先生が銭形の常連様だったなんて。
私は大阪讃岐うどんというジャンルの新年会などに参加しているので、銭形さんとは5年くらいのお付き合いです。大将の合田さんのファンなのです。
また3月の土曜教室でお話出来るのを楽しみにいたしております。
3月は2月に教えていただいたカラダの使い方の復習もしたいのですが、お願いできますでしょうか。
by centeringkokyu
| 2012-02-29 22:36
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