2010年 06月 05日
逆腹式呼吸 |
「洗脳護身術」苫米地英人著からご紹介します。
▼ 変性意識を生成――逆腹式呼吸
基本的な呼吸法を習得したら、次はいよいよ逆腹式呼吸である。ここから先は、自分一人で行う練習なので、相手の瞬きに合わせる必要はない。この呼吸は文字通り、息を吸うときに腹を引っ込め、吐くときに出していく呼吸法だ。
では、具体的に解説していこう。まずは、背筋を伸ばして姿勢を正した状態で椅子に座っていただきたい。このとき、視線は中空に漂わせて、鼻先を軽く見ている状態がいいだろう。次に腹をへこませつつ、鼻からできるだけゆっくりと息を吸い込んでいく。吸気は胸を張って上に引っ張られていく感覚で行うとやりやすい。意識は眉間、つまり目と目の間に集中させていく。
完全に息を吸い切ったら、今度は呼吸を一瞬だけ止めて、ゆっくりと鼻から息を吐き出していく。同時に、全身の力をゆっくり抜きながら、へこませた腹を戻していく。腹を膨らませていく感覚でも構わない。首、肩、肘、手、腰、膝、つま先と、上から順番に意識して力を抜いていくと効果的だ。
以上の行程を、まずは約五分間行ってほしい。しばらくすると、額から周辺にかけてむず痒くなってくるかもしれないが、変性意識状態に陥る際の一つの現象なので、気にする必要はない。五分経ったら、呼吸を続けながら意識を下丹田に集中する。下丹田とは、臍よりもやや下に位置するツボで、精気が集約するといわれている。この下丹田周辺が、徐々に暖かくなっていくようにイメージしてほしい。さらに、逆腹式呼吸を続け、今度は 「呼吸による全身のリラックス」「目と目の間に意識を持っていく」「腹部に暖かみを感じる」といった過程を同時に行う。このときの時間はおおまかな感覚でいいだろう。長ければ、長いほどいい。ヨガや気功では基本的健康法でもあるので、毎日行うと体調管理にもいいはずだ。
逆腹式呼吸で重要なのは、呼吸を「意識する」のであって「意図する」のではないということ。わざと不自然に腹や胸を動かすわけではない。あくまでも「腹をへこませるような感覚」で、自然な逆腹式呼吸になるように心掛けていただきたい。そうすれば、普段は意識しないような呼吸をしている自分の感覚に鋭敏になり、自然と変性意識が生成されるだろう。試しに「目と目の間の感触」と「腹部の暖かみ」を意識し続けながら、自然な逆腹式呼吸をゆっくりと十~二十分間続けてみるといい。周囲の状態から意識が切り離されている感覚が訪れ、変性意識化に成功しているはずだ。
逆腹式呼吸の練習は、最低でも二カ月は続けてほしい。やがて、完壁な意識状態のもと、自然な逆腹式呼吸が行えるようになるだろう。
逆腹式呼吸による変性意識化に慣れてきたら、その状態の自分の意識を記憶しておくといい。そして通常の状態で、変性意識下の自身の意識状態を思い出す作業を何回も繰り返す。すると、逆腹式呼吸を行わずとも、自然と変性意識が生成されるだろう。地味な訓練となるが、これを体得すれば、後のステップの作業が非常に楽になってくるはずだ。
ところで、呼吸を意識に上げることで変性意識が生成されるのは、指が自然にくっ付くなどの生体反応を言語化して変性意識を生成するのと原理は同じだ。呼吸は重要なホメオスタシス活動として、生体としての内部表現が、無意識下で勝手に物理的世界とフィードバック関係を保ちながら維持されている。すなわち、臨場感が物理空間にあるわけだ。これを内省的に意識に上げることで、それは意識が介入した空間へと変わる。こうなるともはや、純粋物理空間ではなく、意識するという情報的行為が介入した、やや情報空間にゆらいだ物理空間となる。完全物理空間ではなくなるのである。そしてその空間に臨場感が生まれてくるので、変性意識状態となる。
#楽隠居です
▼KMさんからのメールをご紹介します。
先週の観照塾の感想をメールさせて頂きます。
・ 肩の力を丹田まで落とす
・ 後頭部と顎と横隔膜のつながり
・ 骨盤の操作で動く
・ 手でやろうとしない
以上のような事を感じました。(貼り付け終了)
KMさんが書いて下さっている内容は、逆腹式呼吸の時の体内感覚だとも考えられます。ですから、この本は教科書にしたいぐらいです。
この本は、知人の刑事さんも読んでおられました。
あまり教えたくなかったのです。本当は!
感覚が変わると本の読み方も変わるので、毎年読んでも面白い本です。
「合気の身体になれるかもしれない体操」や「太極棒」は、逆複式呼吸の稽古だと考えています。ただ、逆複式呼吸というと、正しい呼吸ではないと思い込む人もおられるので、私の場合は、逆腹式という表現を使わないようにしています。
参照:7 & 8は、今日の稽古の為の参考にしてください。
ところで、5月の検索ワードのトップは、「カタレプシー」でした。そして、「太陽神経叢」「センタリング呼吸法」「クンバハカ」と続いています。
そう言えば昔、「プッシー・トーク」という題名の映画がありました。
「語れプッシー」と「カタレプシー」 何となく似てませんかねぇ~
ついでに、気の研究会に通っていた時に、『007 オクトパシー(1983年公開)』(ダブルオーセブン オクトパシー)が上映されていました。その頃、アメリカ人のお嬢さんが毎日道場に稽古に来ておられ、日本語でお話をする機会がありました。彼女は、少し恥ずかしそうに「オクトパシー」って「Octopussy」のことだと教えてくれました。私は、漫画「エイトマン」を思い浮かべました。
なんか変です?・・・
参照1:呼吸法 レッスンの要点
参照2:型をくり返すのは最悪!?
参照3:ホメオスタシス
参照4:カタレプシー
参照5:こんなにチョロい大衆の騙し方
参照6:馬鹿な日本人をつくるプロジェクト
参照7:呼吸法いろいろ
参照8:砂時計の動きをつなげる
参照9:ボールを使った力の伝達
参照10:『あくび』をこらえる
参照11:センタリング呼吸法
by centeringkokyu
| 2010-06-05 00:01
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