2009年 12月 19日
信じるな、疑うな、確かめよ |
「深い呼吸で『心』が変わる」 龍村 修著からご紹介します。
▼理性心がつくりだすストレス
ヨガでは古くから「信じるな、疑うな、確かめよ」と教えています。
まず、入ってくる情報を簡単に信じないこと。同時に、疑わないこと。そして真実かどうか確かめることが可能なら、自分で確かめてみる。すぐにはできないなら、他の情報を集めたり、時間を置いたりして、確かめたことのみを自己の行動親範にする、という態度です。一つひとつのことにこの態度をとると、徐々に確かなことがふえてきて、一時的な現象や人の言動に惑わされなくなります。
また、「知っているだけのこと」と「真実にわかっていること」を混同しやすいので注意が必要です。たとえば、「生のタマネギは血液をサラサラにする」という情報を知ったとします。そのとき、毎日の食事で生のタマネギを食べる機会をふやすだけでなく、自分の身体はどう反応しているか、血がサラサラになれば血圧や顔色、体調にも影響があるはずですから、その変化を自分で確かめてみるのです。そしてまた食べるのをやめるとどう変わるか。何度も繰り返して確かめてみます。
こういう原則を「学習・体験・瞑想の原則」と言います。情報を入れる (学習)、行う(体験)、離れて冷静に見る (瞑想)を繰り返してみる。幅広く学習し、幅広く体験し、学習・体験したことを離れて検討して、真実のみを自己の規範にする態度が、理性心の正しい発達には必要です。
人間は一生勉強して、精神的には一生成長しつづけるものだと思います。よりよい考えや行い方が、かならずあるはずだという態度でいれば、自分の考えや方法に固執せず、人それぞれの長所を見つけやすくなります。すべての存在は互いに学びあい、研(みが)きあい、高めあい、全体がよりよくなっていくために存在する、という考え方で生きることが理性心の成長の土台となります。
ヨガでは、正しい理性心を育てる原則として「妄信せず、疑わず、確かめる」を旗印にしていることを述べましたが、「つねに学習し、体験し、それにとらわれない」ことも基本的態度としています。個人が体験できる世界は限度がありますから、他者の体験から学び、科学知識も学びつづけることが大切です。
しかし、それでも知識と体験だけでは偏りが生じますから、それにとらわれない練習(=瞑想)も必要です。つねに自分を未完成の理性心状態として、一生勉強を続けていくつもりで、さまざまな分野を広く深く学習し、できるだけ質の違う体験を数多く行い、その両方から学び、また身につけたものからも、いったん離れる練習をし、醒めた目で真実かどうかを確かめることを、正しい理性心を育てる基本態度としているのです。
人間の判断力は、わかっている世界が広く、深いほど高いレベルになります。ヨガでは、ほんとうにわかった (悟った)、という世界を一つひとつふやしていくことが、人間の歩む道としています。
参照1:人の言うことを鵜呑みにしない
参照2:観察力
参照3:知的正直
参照4:哲学と陰謀とは一体
参照5:医術は芸術?
参照6:弁証法ってなに?
参照7:予測
▼理性心がつくりだすストレス
ヨガでは古くから「信じるな、疑うな、確かめよ」と教えています。
まず、入ってくる情報を簡単に信じないこと。同時に、疑わないこと。そして真実かどうか確かめることが可能なら、自分で確かめてみる。すぐにはできないなら、他の情報を集めたり、時間を置いたりして、確かめたことのみを自己の行動親範にする、という態度です。一つひとつのことにこの態度をとると、徐々に確かなことがふえてきて、一時的な現象や人の言動に惑わされなくなります。
また、「知っているだけのこと」と「真実にわかっていること」を混同しやすいので注意が必要です。たとえば、「生のタマネギは血液をサラサラにする」という情報を知ったとします。そのとき、毎日の食事で生のタマネギを食べる機会をふやすだけでなく、自分の身体はどう反応しているか、血がサラサラになれば血圧や顔色、体調にも影響があるはずですから、その変化を自分で確かめてみるのです。そしてまた食べるのをやめるとどう変わるか。何度も繰り返して確かめてみます。
こういう原則を「学習・体験・瞑想の原則」と言います。情報を入れる (学習)、行う(体験)、離れて冷静に見る (瞑想)を繰り返してみる。幅広く学習し、幅広く体験し、学習・体験したことを離れて検討して、真実のみを自己の規範にする態度が、理性心の正しい発達には必要です。
人間は一生勉強して、精神的には一生成長しつづけるものだと思います。よりよい考えや行い方が、かならずあるはずだという態度でいれば、自分の考えや方法に固執せず、人それぞれの長所を見つけやすくなります。すべての存在は互いに学びあい、研(みが)きあい、高めあい、全体がよりよくなっていくために存在する、という考え方で生きることが理性心の成長の土台となります。
ヨガでは、正しい理性心を育てる原則として「妄信せず、疑わず、確かめる」を旗印にしていることを述べましたが、「つねに学習し、体験し、それにとらわれない」ことも基本的態度としています。個人が体験できる世界は限度がありますから、他者の体験から学び、科学知識も学びつづけることが大切です。
しかし、それでも知識と体験だけでは偏りが生じますから、それにとらわれない練習(=瞑想)も必要です。つねに自分を未完成の理性心状態として、一生勉強を続けていくつもりで、さまざまな分野を広く深く学習し、できるだけ質の違う体験を数多く行い、その両方から学び、また身につけたものからも、いったん離れる練習をし、醒めた目で真実かどうかを確かめることを、正しい理性心を育てる基本態度としているのです。
人間の判断力は、わかっている世界が広く、深いほど高いレベルになります。ヨガでは、ほんとうにわかった (悟った)、という世界を一つひとつふやしていくことが、人間の歩む道としています。
参照1:人の言うことを鵜呑みにしない
参照2:観察力
参照3:知的正直
参照4:哲学と陰謀とは一体
参照5:医術は芸術?
参照6:弁証法ってなに?
参照7:予測
by centeringkokyu
| 2009-12-19 00:01
| 本などの紹介