2009年 09月 01日
伸筋と屈筋と反射 |
◎本当の合気とはから引用します。
合気練体会 主宰 吉丸 慶雪
合気というものは伸筋を使い相手を崩す「技術」で、その原理は全て合理的に説明が出来ます。そして多くの人が気と呼んでいるものは、この伸筋の力を指しているもので、神秘的な意味での「気の力」は存在しません。ただ、この伸筋の働きは、使っている人が「力を使っている」という意識が出来ないため、多くの人はこれを指して「気の力」と呼んでいるわけです。ですから合気と気は分けて考える必要があるのです。
◎崩しから引用します。
崩し派
合気というものは伸筋を使い相手を崩す「技術」。
合気による崩しは相手が触れた瞬間に崩していなければなりません。
「集中力」ではなく、触れることで相手を無抵抗にさせること。
円運動で相手の人体の反射をひきおこし虚の状態を作り出す。そこから相手の重心を崩す。この動きの中に呼吸の力を用いることによって合気は威力が引き出される。
◎幻の神技 大東流合気柔術
技をかけるときは、相手と触れ合った刹那、その部分を介して円形や螺旋の動きで中心を攻め狂わせる。その際、人体の生理的な反射を利用して虚の状態を瞬間的につくりだし、そこから攻め込んで相手の重心を完全に奪ってしまうのである。
◎こちらから抜粋してご紹介します。
▼屈筋と伸筋
関節を動かす筋肉、つまり骨格筋は解剖学的には屈筋と伸筋に分けることができます。関節を曲げるときに力が入る筋肉が屈筋で、関節を伸ばすときに力が入る筋肉が伸筋です。肘の曲げ伸ばしを例にとると、肘を曲げるときは力こぶになる筋肉(上腕二頭筋)に力が入りますからこの筋肉は屈筋です。反対に、肘を伸ばすときには二の腕プルンプルンの筋肉(上腕三頭筋)に力が入りますからこの筋肉は伸筋です。胴体では、体を前屈するときは腹筋に力が入りますから腹筋は屈筋です。反対に、体を後ろに反らすときは背筋に力が入りますから背筋は伸筋です。
▼屈筋の協調/伸筋の協調
肘を曲げて胴体を曲げて股関節を曲げて膝を曲げて頚を曲げてと、つまりしゃがんで丸くなるように体を小さくする動きは全身の屈筋の収縮によって得られます。反対に、頚を伸ばして背中を伸ばして股関節を伸ばして膝を伸ばして肘を伸ばしてと、つまり立ち上がって手足を大きく伸ばす動きは全身の伸筋の収縮によって得られます。
このような全身の動きと屈筋・伸筋の関係から分かることは、屈筋は屈筋どうし、伸筋は伸筋どうしが協調しているということです。もし頚と胴体を曲げて股関節と膝を伸ばしたら、意識してバランスを調節しないと前に倒れてしまいますね。反対に、頚と胴体を伸ばして股関節と膝を曲げたら、やはり意識してバランスを調節しないとその姿勢は保てませんね。
これは先ほどの屈筋どうしあるいは伸筋どうしの協調関係を崩しているから、意識しないとバランスが保てないのです。
▼屈筋は動作/伸筋は姿勢
伸筋は姿勢を屈筋は動きをコントロールしています。姿勢が良いとは、全身の関節を上手く伸ばせている状態をいいます。猫背になったり、頚が前に出たり、腰が曲がったり、膝や肘が伸びきらなかったりと、これらのうちの一つでも該当すると良い姿勢には見えませんね。つまり関節が伸ばせないと姿勢は良く見えないのです。
関節を伸ばす筋肉は伸筋ですから、伸筋は姿勢をコントロールしているといえます。姿勢が決まったとして、そこから手足を動かす動作の多くは関節の屈曲によって得られます。伸びている関節をさらに伸ばす動きはそう多くありませんよね。
素早い動作の多くはどの関節であれ関節を曲げる動作です。例えば、熱いやかんに手が触れると素早く手が引っ込みますよね。それと同じスピードで手を伸ばすことができますか。普通はできないと思います。屈筋が素早く収縮できるのは危険から身を守るための生理特性なのです。だから「素早い動作」というのは屈筋の得意とするところなのです。
一方、伸筋はからだが折れ曲がらないように重力に逆らって関節を伸ばすのが得意です。スピードがない代りにスタミナに長けています。つまり、伸筋が姿勢を、屈筋が動作をコントロールしているのです。
▼屈筋と伸筋のバランスが大切
ですから、望ましい筋肉の状態とは屈筋と伸筋のバランスが取れている状態です。
スポーツの世界は、重量挙げの選手なら重たいバーベルを頭上高く持ち上げる力が必要です。言い換えると関節を伸ばす筋肉である伸筋が全身的に発達していることが望ましいです。ボートの選手なら腕を曲げ体を後ろに引き足を踏ん張る力が必要です。言い換えると上肢の屈筋、背筋(伸筋)、下肢の伸筋が発達していることが望ましいです。水泳の自由形の選手なら上肢を前回しにする力が必要です。言い換えると肩関節の屈筋が発達していることが望ましいです。
▼屈筋と伸筋のバランスをとる
筋力トレーニングはここでは扱わないことにして、すでにある屈筋と伸筋のバランスをとる方法をご紹介します。これは筋力トレーニングではありませんのでもりもりと筋肉が発達することはありません。筋力不足の解消にはなりませんので、その点誤解なさらないようご注意ください。
「バランスをとる」というからにはバランスが乱れているからだを対象としています。バランスが乱れているとはどういう状態かというと、どこかの伸筋が緊張気味であったり、どこかの屈筋が緩んでいて力が入らないような状態をいいます。またはその逆もあります。
◎こちらから引用します。
筋肉が刺激を受けると神経反射をする。
ムリに筋肉を伸ばしたり、弾みをつけてストレッチを行うと筋肉の中にある筋紡錘というセンサーが作用して筋肉を収縮(伸張反射)させる。
・伸張反射
伸張反射とは、筋肉が急激に伸ばされてキズ付くのを防ぐ為に自動的に筋肉が収縮して過剰な伸張を防ぐ作用のこと。
・相反性神経支配
相反性神経支配とは、主動筋が緊張(収縮)しているときには、反対側の拮抗筋がリラックスするように神経が調整する働きのこと。しかし、ボディービルダーは、訓練によって意識的に両側の筋肉を収縮させてカッチンカッチンの状態を作り出せる?
◎こちらから引用します。
・拘縮を起こした筋肉を使って運動させ(あえて筋肉を緊張・収縮させる)、その後に休ませる(リラクゼーションをとらせる)ことの繰り返しにより、筋拘縮を自立解放(リリース)させていく。簡便であるが非常に応用範囲が広く、現在のオステオパシーではカウンターストレインと双璧をなすテクニックである。
・等尺性収縮(アイソメトリック)運動後のリラクゼーション
・等張性収縮(アイソトニック)運動後のリラクゼーション
・等運動性収縮(アイソキネティック)運動後のリラクゼーション
#楽隠居です
一週間のご無沙汰です。更新を期待してご訪問下さった方々には、お詫びを申し上げます。別に選挙運動をしていたわけではなく、本の整理やパソコンの引っ越し?などに追われ、ブログの更新ができませんでした。
しかし、本を整理しているとどうしても、気になる本が出現するので、整理をしたというよりも、本の山の数を増やしただけのような気がします。
8月の観照塾では、M岡さんがリーダーとして「合気の身体になれるかもしれない体操」の解説をしてくださいました。9月からは、M井さんがリーダーを務めてくださいますので楽しみにしています。
ところで、合気の「入れる・抜く」を「伸筋と屈筋を操作する」と考えることができるかもしれません。しかし、一番大切なのは「付ける」ということで、「入れる」ことも「抜く」こともできる「ニュートラル」な状態が重要なのだと考えています。
そして、「呼吸」や「意念」までを使って「体内操作」できる身体創りが大切だと思うのですが・・・
私には難しいことは分かりませんので、ご存じの方からの投稿をお待ちしていますので、よろしくお願い致します。
参照1:筋紡錐・腱紡錐
参照2:脊髄反射と共縮
参照3:ストレッチ
参照4:なぜ筋肉を弛緩させるか
合気練体会 主宰 吉丸 慶雪
合気というものは伸筋を使い相手を崩す「技術」で、その原理は全て合理的に説明が出来ます。そして多くの人が気と呼んでいるものは、この伸筋の力を指しているもので、神秘的な意味での「気の力」は存在しません。ただ、この伸筋の働きは、使っている人が「力を使っている」という意識が出来ないため、多くの人はこれを指して「気の力」と呼んでいるわけです。ですから合気と気は分けて考える必要があるのです。
◎崩しから引用します。
崩し派
合気というものは伸筋を使い相手を崩す「技術」。
合気による崩しは相手が触れた瞬間に崩していなければなりません。
「集中力」ではなく、触れることで相手を無抵抗にさせること。
円運動で相手の人体の反射をひきおこし虚の状態を作り出す。そこから相手の重心を崩す。この動きの中に呼吸の力を用いることによって合気は威力が引き出される。
◎幻の神技 大東流合気柔術
技をかけるときは、相手と触れ合った刹那、その部分を介して円形や螺旋の動きで中心を攻め狂わせる。その際、人体の生理的な反射を利用して虚の状態を瞬間的につくりだし、そこから攻め込んで相手の重心を完全に奪ってしまうのである。
◎こちらから抜粋してご紹介します。
▼屈筋と伸筋
関節を動かす筋肉、つまり骨格筋は解剖学的には屈筋と伸筋に分けることができます。関節を曲げるときに力が入る筋肉が屈筋で、関節を伸ばすときに力が入る筋肉が伸筋です。肘の曲げ伸ばしを例にとると、肘を曲げるときは力こぶになる筋肉(上腕二頭筋)に力が入りますからこの筋肉は屈筋です。反対に、肘を伸ばすときには二の腕プルンプルンの筋肉(上腕三頭筋)に力が入りますからこの筋肉は伸筋です。胴体では、体を前屈するときは腹筋に力が入りますから腹筋は屈筋です。反対に、体を後ろに反らすときは背筋に力が入りますから背筋は伸筋です。
▼屈筋の協調/伸筋の協調
肘を曲げて胴体を曲げて股関節を曲げて膝を曲げて頚を曲げてと、つまりしゃがんで丸くなるように体を小さくする動きは全身の屈筋の収縮によって得られます。反対に、頚を伸ばして背中を伸ばして股関節を伸ばして膝を伸ばして肘を伸ばしてと、つまり立ち上がって手足を大きく伸ばす動きは全身の伸筋の収縮によって得られます。
このような全身の動きと屈筋・伸筋の関係から分かることは、屈筋は屈筋どうし、伸筋は伸筋どうしが協調しているということです。もし頚と胴体を曲げて股関節と膝を伸ばしたら、意識してバランスを調節しないと前に倒れてしまいますね。反対に、頚と胴体を伸ばして股関節と膝を曲げたら、やはり意識してバランスを調節しないとその姿勢は保てませんね。
これは先ほどの屈筋どうしあるいは伸筋どうしの協調関係を崩しているから、意識しないとバランスが保てないのです。
▼屈筋は動作/伸筋は姿勢
伸筋は姿勢を屈筋は動きをコントロールしています。姿勢が良いとは、全身の関節を上手く伸ばせている状態をいいます。猫背になったり、頚が前に出たり、腰が曲がったり、膝や肘が伸びきらなかったりと、これらのうちの一つでも該当すると良い姿勢には見えませんね。つまり関節が伸ばせないと姿勢は良く見えないのです。
関節を伸ばす筋肉は伸筋ですから、伸筋は姿勢をコントロールしているといえます。姿勢が決まったとして、そこから手足を動かす動作の多くは関節の屈曲によって得られます。伸びている関節をさらに伸ばす動きはそう多くありませんよね。
素早い動作の多くはどの関節であれ関節を曲げる動作です。例えば、熱いやかんに手が触れると素早く手が引っ込みますよね。それと同じスピードで手を伸ばすことができますか。普通はできないと思います。屈筋が素早く収縮できるのは危険から身を守るための生理特性なのです。だから「素早い動作」というのは屈筋の得意とするところなのです。
一方、伸筋はからだが折れ曲がらないように重力に逆らって関節を伸ばすのが得意です。スピードがない代りにスタミナに長けています。つまり、伸筋が姿勢を、屈筋が動作をコントロールしているのです。
▼屈筋と伸筋のバランスが大切
ですから、望ましい筋肉の状態とは屈筋と伸筋のバランスが取れている状態です。
スポーツの世界は、重量挙げの選手なら重たいバーベルを頭上高く持ち上げる力が必要です。言い換えると関節を伸ばす筋肉である伸筋が全身的に発達していることが望ましいです。ボートの選手なら腕を曲げ体を後ろに引き足を踏ん張る力が必要です。言い換えると上肢の屈筋、背筋(伸筋)、下肢の伸筋が発達していることが望ましいです。水泳の自由形の選手なら上肢を前回しにする力が必要です。言い換えると肩関節の屈筋が発達していることが望ましいです。
▼屈筋と伸筋のバランスをとる
筋力トレーニングはここでは扱わないことにして、すでにある屈筋と伸筋のバランスをとる方法をご紹介します。これは筋力トレーニングではありませんのでもりもりと筋肉が発達することはありません。筋力不足の解消にはなりませんので、その点誤解なさらないようご注意ください。
「バランスをとる」というからにはバランスが乱れているからだを対象としています。バランスが乱れているとはどういう状態かというと、どこかの伸筋が緊張気味であったり、どこかの屈筋が緩んでいて力が入らないような状態をいいます。またはその逆もあります。
◎こちらから引用します。
筋肉が刺激を受けると神経反射をする。
ムリに筋肉を伸ばしたり、弾みをつけてストレッチを行うと筋肉の中にある筋紡錘というセンサーが作用して筋肉を収縮(伸張反射)させる。
・伸張反射
伸張反射とは、筋肉が急激に伸ばされてキズ付くのを防ぐ為に自動的に筋肉が収縮して過剰な伸張を防ぐ作用のこと。
・相反性神経支配
相反性神経支配とは、主動筋が緊張(収縮)しているときには、反対側の拮抗筋がリラックスするように神経が調整する働きのこと。しかし、ボディービルダーは、訓練によって意識的に両側の筋肉を収縮させてカッチンカッチンの状態を作り出せる?
◎こちらから引用します。
・拘縮を起こした筋肉を使って運動させ(あえて筋肉を緊張・収縮させる)、その後に休ませる(リラクゼーションをとらせる)ことの繰り返しにより、筋拘縮を自立解放(リリース)させていく。簡便であるが非常に応用範囲が広く、現在のオステオパシーではカウンターストレインと双璧をなすテクニックである。
・等尺性収縮(アイソメトリック)運動後のリラクゼーション
・等張性収縮(アイソトニック)運動後のリラクゼーション
・等運動性収縮(アイソキネティック)運動後のリラクゼーション
#楽隠居です
一週間のご無沙汰です。更新を期待してご訪問下さった方々には、お詫びを申し上げます。別に選挙運動をしていたわけではなく、本の整理やパソコンの引っ越し?などに追われ、ブログの更新ができませんでした。
しかし、本を整理しているとどうしても、気になる本が出現するので、整理をしたというよりも、本の山の数を増やしただけのような気がします。
8月の観照塾では、M岡さんがリーダーとして「合気の身体になれるかもしれない体操」の解説をしてくださいました。9月からは、M井さんがリーダーを務めてくださいますので楽しみにしています。
ところで、合気の「入れる・抜く」を「伸筋と屈筋を操作する」と考えることができるかもしれません。しかし、一番大切なのは「付ける」ということで、「入れる」ことも「抜く」こともできる「ニュートラル」な状態が重要なのだと考えています。
そして、「呼吸」や「意念」までを使って「体内操作」できる身体創りが大切だと思うのですが・・・
私には難しいことは分かりませんので、ご存じの方からの投稿をお待ちしていますので、よろしくお願い致します。
参照1:筋紡錐・腱紡錐
参照2:脊髄反射と共縮
参照3:ストレッチ
参照4:なぜ筋肉を弛緩させるか
by centeringkokyu
| 2009-09-01 00:03
| 合気観照塾