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「痛みのメカニズム」を知らない医師

 「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」加茂淳著(加茂整形外科医院院長)からご紹介します。

 ▼日本の腰痛治療は、そもそも前提が間違っている

 腰痛はとくにめずらしい病気ではありません。ほとんどの人が人生において、一度や二度のぎっくり腰や腰痛を経験します。その八割強は、二週間以内に痛みがひき、症状も治ります。

 ですから、人は腰痛を軽くみます。まわりも、あまり同情しません。しかし、腰痛が慢性化すると、ここに挙げた四人の症例からもお分かりのように、これは大変なことになる可能性があります。一度しかない人生がメチャクチャになることも。

 たかが腰痛、されど腰痛……です。
 そして率直にいえば、腰痛を慢性化させる責任の大半は、患者さんよりむしろ、適切な診断と治療を施さなかった医師の側にあるのではないか、と私は思っています。

一方、医師の側からいえば、確信がないまま、治療の道筋がつけられないままに、日々の治療に当たるーーこれはつらいことです。慢性腰痛の患者さんが、こうしたケースに遭遇するのは、それほどめずらしいことではありません。

 なぜ、こんなことになってしまったのか。
 それはひと言でいうと、腰痛治療の前提が間違っているからです。多くの医師は、間違った理論を勉強させられ、痛みについて大きな勘違いをしているのです。

 私が本書で主張したいことの一つは、このことです。

 ▼「痛みのメカニズム」を知らない医師
                            
 腰痛など、筋骨格系の痛みのほとんどは、筋肉のスパズム(けいれん)からくる「筋痛症」が原因です。簡単にいうと、筋肉の痛みです。

 ところが、医師の卵は、その肝心な筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わないのです。

 なぜか現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。
 いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、基礎医学の生理学で臨床の勉強をはじめる前にちょっと習うだけで、医師になるころにはすっかり忘れているのが現状だと思います。

 つまり、痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ているのです。そして、レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせず、そう思い込んでいるのではないでしょうか。

 これではうまく診断できるはずもないし、治療できるはずもないのです。これが、慢性腰痛がちっとも治らず、多くの腰痛難民が生み出される背景です。

 しかしこれは、個々の整形外科医の資質の問題ではありません。多くの整形外科医が陥ったあやまちなのです。

 参照1:腰痛
 参照2:合気を味わうことによる自分自身の体の変化
 参照3:虫の話が成立しない現代
 参照4:虚無の意味
 参照5:素人だから・・・
 参照6:わかりませんと言うと、患者さんを混乱させる!
 参照7:加茂整形外科院
 参照8:「神経根が痛む」という概念は間違っている
by centeringkokyu | 2009-05-15 00:01 | 本などの紹介
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