2009年 04月 15日
「馬腰」と「馬歩」 |
▼自然自由の勢を体得するから抜粋してご紹介します。
ここで特に諸士の工夫を要求することは、身法は(総ての物体亦然り)高ければ高い程軽いかわりに不安定(フラブラ)である。而も移動には楽であるが、これに反し低ければこの反対で、両者一長一短である。この長短の渾一ーー否長短軽重一味の要訣を得ることが大切である。
この人体腰の力は介者剣法の昔も軍服の今も等しく大切なことであって、武道家や軍人は勿論日本人全体が所謂「弓腰の位」「馬腰」と鍛え上げなければならぬ。
故に身法身勢に於て斯のように重心を下腹腰部に集中均整を堅持せん為には、総て足巾を広く踏み割って身を沈めることによって、重心を低く下方に保持し、臍下丹田を中心として腰(陰流にありては、腰を重要視する意味を持って特に「箙(えびら)」の秘名を用いる。)膝にも身を持たせるもので、当時最も偉大なる祖師によりて発明せられ、我が最古の剣道・剣法の権与ーー原流を為せる陰流や新当流(後世これを神道流と称す。)の如きは正にこの風体-ー沈身の法を基本としたのである。
因にこの介者剣法の本原本体の総ては、次代上泉師によって活潑潑地自由自在の剣法に革新され、この「沈身の法」は新陰流に於て改廃して自然自由の身となしたのである。更に新陰流正統第三世柳生利厳師によって、上泉師宗厳師の古教は一層の改正向上の大成を為し素肌の截合に基く自由の身勢「直立身之位」(ツッ立ツル身ノ位)を以てして自然自由無上のものとして、万世不易に新しいものとなり、これを柳生流に於て今日顕彰する処である。(貼り付け終了)
▼武壇の馬歩から抜粋してご紹介します。
・重要なのが馬歩の姿勢の時、胴体が前に傾かないようにすることである(立身中正)。
尻の部分は引っ込めるようにし、でっぱってはならない。
そして同時に腰の部分(腎臓)を張って後ろに突き出す。
この要訣は、横隔膜をぐっと下にさげるようにすると腎が下がり同時に尻が引っ込むようになる。
さらに顎を引き、百会(頭頂部)を天に引っ張るようなイメージで、胴体から首までまっすぐにする。(胸骨と頚椎を垂直に一本の柱がまっすぐつながるようなイメージで)
そして第二に、肩や肘を落とし全身の力をスッと抜くこと(沈肩墜肘)。
・馬歩の歩幅の計り方は、つま先を伸ばして膝小僧からつま先までの長さを計り、これを馬歩の歩幅とする。そして、脚のつま先をまっすぐ前に向けて、歩幅を足裏で踏まないように大きく取って立つ。
・つま先を、わざわざまっすぐ前に向ける必要性がわからない人も多いであろう。
これは、発勁の際の碾歩や三才気を練るときに必要となってくる。
勁を発するための重要な事項だ。
・さらに馬歩においての細かい注意点としては、脚の指は地を掴むようにし、目線は水平よりやや下のほうを見て半眼にするということ。
呼吸は最初の内は、腹式で深くゆっくりと呼吸すること。舌先は、上顎に軽く触れるようにする。
正確な馬歩を3分間できるようになるには毎日真面目に練習しても現在の日本人では数年はかかると思われる。
・さらに馬歩について言及すると、馬歩で耐えてる時に辛くても顔の表情は平素にしなければならない。顔の表情は、身体の感覚神経に影響を与えるからだ。
・それから深呼吸による意念について説明すると、大きく鼻から息を吸った時には意識的に、下腹部を膨らまし、そしてまた鼻から息を出しながら腹をへこませ、丹田に気を蓄積させる。
・息を吸う時は会陰を開くようにし、息を吐くときは会陰を閉じるようにする(提肛)。
(貼り付け終了)
#楽隠居です
日本の武術と中国の武術との違いや、鍛錬の目的はそれぞれ微妙に違うはずなのですが、中々興味深い表現方法だと思います。新陰流でも時代や戦い方が変わると、前のやり方は違うという意見がでてきます。
八極拳でも台湾に伝わったものと、中国に伝わっているものとは、雰囲気が変わっているような気がします。その辺りのことは、呉連枝先生に八極拳を習っておられたS川さんにお尋ねしたいと思っています。
どちらにしても、馬に跨った姿勢から得るものが大きいと考えている訳ですし、腰だけではなく、内股の感じや足の指の着き方、更には呼吸にまで注意を払う必要があるのでしょうねぇ〜
参照1:袋撓いを使う為に
参照2:リラックスの着眼点3
参照3:五輪の身体
参照4:感じたこと
参照5:薄筋の発見
参照6:骨盤底を意識する
参照7:武蔵の剣
参照8:ひざと足の基本
ここで特に諸士の工夫を要求することは、身法は(総ての物体亦然り)高ければ高い程軽いかわりに不安定(フラブラ)である。而も移動には楽であるが、これに反し低ければこの反対で、両者一長一短である。この長短の渾一ーー否長短軽重一味の要訣を得ることが大切である。
この人体腰の力は介者剣法の昔も軍服の今も等しく大切なことであって、武道家や軍人は勿論日本人全体が所謂「弓腰の位」「馬腰」と鍛え上げなければならぬ。
故に身法身勢に於て斯のように重心を下腹腰部に集中均整を堅持せん為には、総て足巾を広く踏み割って身を沈めることによって、重心を低く下方に保持し、臍下丹田を中心として腰(陰流にありては、腰を重要視する意味を持って特に「箙(えびら)」の秘名を用いる。)膝にも身を持たせるもので、当時最も偉大なる祖師によりて発明せられ、我が最古の剣道・剣法の権与ーー原流を為せる陰流や新当流(後世これを神道流と称す。)の如きは正にこの風体-ー沈身の法を基本としたのである。
因にこの介者剣法の本原本体の総ては、次代上泉師によって活潑潑地自由自在の剣法に革新され、この「沈身の法」は新陰流に於て改廃して自然自由の身となしたのである。更に新陰流正統第三世柳生利厳師によって、上泉師宗厳師の古教は一層の改正向上の大成を為し素肌の截合に基く自由の身勢「直立身之位」(ツッ立ツル身ノ位)を以てして自然自由無上のものとして、万世不易に新しいものとなり、これを柳生流に於て今日顕彰する処である。(貼り付け終了)
▼武壇の馬歩から抜粋してご紹介します。
・重要なのが馬歩の姿勢の時、胴体が前に傾かないようにすることである(立身中正)。
尻の部分は引っ込めるようにし、でっぱってはならない。
そして同時に腰の部分(腎臓)を張って後ろに突き出す。
この要訣は、横隔膜をぐっと下にさげるようにすると腎が下がり同時に尻が引っ込むようになる。
さらに顎を引き、百会(頭頂部)を天に引っ張るようなイメージで、胴体から首までまっすぐにする。(胸骨と頚椎を垂直に一本の柱がまっすぐつながるようなイメージで)
そして第二に、肩や肘を落とし全身の力をスッと抜くこと(沈肩墜肘)。
・馬歩の歩幅の計り方は、つま先を伸ばして膝小僧からつま先までの長さを計り、これを馬歩の歩幅とする。そして、脚のつま先をまっすぐ前に向けて、歩幅を足裏で踏まないように大きく取って立つ。
・つま先を、わざわざまっすぐ前に向ける必要性がわからない人も多いであろう。
これは、発勁の際の碾歩や三才気を練るときに必要となってくる。
勁を発するための重要な事項だ。
・さらに馬歩においての細かい注意点としては、脚の指は地を掴むようにし、目線は水平よりやや下のほうを見て半眼にするということ。
呼吸は最初の内は、腹式で深くゆっくりと呼吸すること。舌先は、上顎に軽く触れるようにする。
正確な馬歩を3分間できるようになるには毎日真面目に練習しても現在の日本人では数年はかかると思われる。
・さらに馬歩について言及すると、馬歩で耐えてる時に辛くても顔の表情は平素にしなければならない。顔の表情は、身体の感覚神経に影響を与えるからだ。
・それから深呼吸による意念について説明すると、大きく鼻から息を吸った時には意識的に、下腹部を膨らまし、そしてまた鼻から息を出しながら腹をへこませ、丹田に気を蓄積させる。
・息を吸う時は会陰を開くようにし、息を吐くときは会陰を閉じるようにする(提肛)。
(貼り付け終了)
#楽隠居です
日本の武術と中国の武術との違いや、鍛錬の目的はそれぞれ微妙に違うはずなのですが、中々興味深い表現方法だと思います。新陰流でも時代や戦い方が変わると、前のやり方は違うという意見がでてきます。
八極拳でも台湾に伝わったものと、中国に伝わっているものとは、雰囲気が変わっているような気がします。その辺りのことは、呉連枝先生に八極拳を習っておられたS川さんにお尋ねしたいと思っています。
どちらにしても、馬に跨った姿勢から得るものが大きいと考えている訳ですし、腰だけではなく、内股の感じや足の指の着き方、更には呼吸にまで注意を払う必要があるのでしょうねぇ〜
参照1:袋撓いを使う為に
参照2:リラックスの着眼点3
参照3:五輪の身体
参照4:感じたこと
参照5:薄筋の発見
参照6:骨盤底を意識する
参照7:武蔵の剣
参照8:ひざと足の基本
by centeringkokyu
| 2009-04-15 23:54
| 合気観照塾