2008年 12月 07日
常識? |
▼医師に「社会的常識」はあるか
【断 久坂部羊(医師・作家)】Sankei Web 2008.12.6 をご紹介します。
『少し前になるが、麻生首相が「医師は社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言して物議を醸した。
首相の発言としては、もちろん不適切だが、私自身、医師の端くれとして、ある程度は当たっているなと思った。
社会的常識とは何ぞやという問題もあるが、多くの人は社会に出てから、それを徐々に身につけていくのだろう。叱(しか)られたり、忠告を受けたり、下げなくてもいい頭を下げたりするうちに、だんだんとわかってくる。
しかし、医師は国家試験に通ればすぐに「先生」と呼ばれ、いきなり一定のステータスを獲得する。周囲には患者や看護師や技師など、自分より立場の弱い人間ばかりしかいないし、事務員や業者に気を遣(つか)う必要もない。怖い先輩や教授はいるが、彼らが社会的常識に欠けていることも多いから、それを学ぶのはむずかしい。
収入面でも恵まれているし、失業の心配はほぼないし、人前では職業を名乗るだけで、表面上の敬意を得ることもできる。
二十代半ばでそういう環境になれば、いくら激務をこなし、命を預かる重責に耐え、医療ミスに対する緊張を持続させても、「社会的常識」は身につかないだろう。
もちろん社会的常識を備えた立派な医師もいる。しかし、どちらかと言えばそれは特例で、基準にしてはいけない。病気や障害という人の不幸を多く目の当たりにしながら、常に安全な場所にいることの多い医師は、ある種、人格形成には恵まれない職業である。』
▼斬り合う剣の業前は術と道とに通ずから引用します。
『終戦後、GHQ(連合国最高司令部)の占領政策の一環として、武徳会には解散が命令され、武道は戦時教育に利用されたという理由で禁止された。このような厳しい状況の中、剣道から武道的要素を払拭し、純然たるスポーツとして楽しむことを目的とした『しない競技』が考案された。体操着に袋しない、軽装の防具と運動靴で行うこの競技は、中学・高校の正課となって全国で実施された。』という事のようですから、剣道から武道的要素を払拭したスポーツが、現代剣道になったというのが常識なんでしょうね?
▼自然自由の勢を体得するから引用します。
『この身法に就てーー特に足法に就て諸士のエ夫を要めるところは、近年陸軍に於て戦場実地剣術を大いに顕掲される旨趣最も結構に存ずるところである。然るに著靴して行う陸軍剣術「不整地」の裁合に於て、転倒するものが非常に多いのは甚だ遺憾である。これは剣術教範が、近代一般に行われる剣術の教に一切の範式を採り幕末明和・安永の頃、一刀流の宗師によりて新たに案出せられたる面甲手の道具を着用して行うところの教習法なる「撃込み斬り返し法」の教習法に則るところの現代剣道(これ以外の剣道は我が流を始めとする蓼々たる所謂古流剣道が現存するのみ)に、陸軍剣術が傚(なら)うところあるによるのである。而してその足法ーー足踏みの法たる右足前の比較的(概ね)足踏の巾の狭き後なる右足は足尖を以てつまだち、そしてこの後足の踏切り著しきは跳躍作用によって最も軽捷に踏出し趨歩するところの道場踏板の上にては最も軽捷なる足法、靴を穿って平地ならぬ地上にて行うことは、必ず其処に大なる矛盾と欠点を暴露するに至ることは火を見るよりも明らかである。』ということは、現代剣道の足運びは、非常識なんでしょうか?
参照:本当の合気とは
参照:崩し
▼宝石の色を転載します。
『宝石は、それぞれ何らかの美しい色で輝いています。しかし、実際には水晶のように、無色の石が産出しているのですが、ダイアモンド以外の無色透明の石は、宝石としては、あまり人気がないようです。
宝石の場合は、同じ性質の結晶でも、着いている色によって名前が異なります。石の中に含まれている、微量な不純物によって、色が着くわけです。そして、色によって名前が変わる事を、色別別名といいます。
サファイアで例えれば、
不純物が含まれずに、無色のものはホワイト・サファイア、 ピンク色はピンク・サファイア、黄色はイエロー・サファイア、 緑色はグリーン・サファイア、青色はブルー・サファイア というように、前に色名をつけて呼びます。
ところで、ルビーというのは赤色のサファイアのことなのです。赤以外の色のサファイアは、先ほど説明しましたように、前に色名をつけて呼ばれているのです。しかし実際には、赤とピンクの境界線はどこか。パープルとピンクとヴァイオレット、イエローとオレンジとゴールデンなどはどこで分けるのか。非常に難しいものなのです。
値段でいいますと、同じ重さで、同じ品質のルビーとピンク・サファイアとでは、ルビーの方が高額になります。さらに、宝石の色は、産地(ビルマ・タイ・セイロンなど)によっても微妙に異なります。セイロン産のサファイアの場合は、全体的に紫がかっていることがありますので、少々ピンクや紫がかっていても、ルビーと鑑別されることが多いようです。
サファイアは六方晶系ですので、二色性があります。ですから、結晶軸に対して見る角度によっても、見える色が変わってきます。さらに、赤道に近い国に行って、そこで検品して良い色だと思って輸入しても、日本の冬の太陽の下では、暗く見えてしまいますので、海外で仕入れる時は、そのような事まで考慮しなければならないのです。さらに、見る部屋の光源の違いや、壁の色まで微妙に影響を及ぼすのです。
ルビーの赤は鳩の血の色が、最高の色といわれています。私も昔は、これが最高の色と言う感じで、宝石それぞれの最高品質とされる色を記憶していたのですが、多くのお客様と接してみて、実際に身につけるお客様が似合われるのは、必ずしも最高の色とは限らないということが分かりました。
帯橙ピンク色のサファイアであるパパラチアなどは、20数年前には、それほど高価な石ではありませんでしたし、見かけることもそれほど多くはありませんでした。しかし、その後人気がでて、どんどん高くなり、一時、海外では、黄色からパープルに近いモノまで、何でもパパラチアだと言って出してくるようになりました。鑑別機関でも基準が微妙に別れ、今でもやっかいな石の一つです。鑑別機関としては、場合によっては、出来ればパパラチアとは書かずに、天然サファイアとだけ書きたいこともあるようですが、業者の方が許さないのです。業者によっては、パパラチアと書いてくれるまで、色々な鑑別機関に鑑別を依頼することもあるようです。
パパラチアと鑑別されている石でも、本当に綺麗だと思える石は、非常に少なく、寧ろパパラチアにはならなかった宝石の方に、魅力を感じることがあります。宝石は美しいことが、第一条件だと思いますが、美しさの基準は、人によって異なります。しかし、パパラチヤだからといって、無闇に高価になるのは可笑しいと思います。買ってくださるお客様がいらっしゃるのですから、別に問題は無いのでしょうが…。「稀少石だから高いのです。」という言葉に惑わされず、本当にその宝石が綺麗だと思うか、身につけて似合うかは、ご自分で判断されることをお勧めします。』これが宝石商としての常識ですが、常識なんて所詮自分が常識だと思い込んでいるだけなのかもしれませんねぇ〜
▼「宝石2 ダイアモンドとカラーストーンの価値の決まり方」からコランダムの色相・明度図を転載させていただきます。これらはすべてサファイアとルビーで、同一の鉱物(コランダム)の色変わりということです。
【断 久坂部羊(医師・作家)】Sankei Web 2008.12.6 をご紹介します。
『少し前になるが、麻生首相が「医師は社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言して物議を醸した。
首相の発言としては、もちろん不適切だが、私自身、医師の端くれとして、ある程度は当たっているなと思った。
社会的常識とは何ぞやという問題もあるが、多くの人は社会に出てから、それを徐々に身につけていくのだろう。叱(しか)られたり、忠告を受けたり、下げなくてもいい頭を下げたりするうちに、だんだんとわかってくる。
しかし、医師は国家試験に通ればすぐに「先生」と呼ばれ、いきなり一定のステータスを獲得する。周囲には患者や看護師や技師など、自分より立場の弱い人間ばかりしかいないし、事務員や業者に気を遣(つか)う必要もない。怖い先輩や教授はいるが、彼らが社会的常識に欠けていることも多いから、それを学ぶのはむずかしい。
収入面でも恵まれているし、失業の心配はほぼないし、人前では職業を名乗るだけで、表面上の敬意を得ることもできる。
二十代半ばでそういう環境になれば、いくら激務をこなし、命を預かる重責に耐え、医療ミスに対する緊張を持続させても、「社会的常識」は身につかないだろう。
もちろん社会的常識を備えた立派な医師もいる。しかし、どちらかと言えばそれは特例で、基準にしてはいけない。病気や障害という人の不幸を多く目の当たりにしながら、常に安全な場所にいることの多い医師は、ある種、人格形成には恵まれない職業である。』
▼斬り合う剣の業前は術と道とに通ずから引用します。
『終戦後、GHQ(連合国最高司令部)の占領政策の一環として、武徳会には解散が命令され、武道は戦時教育に利用されたという理由で禁止された。このような厳しい状況の中、剣道から武道的要素を払拭し、純然たるスポーツとして楽しむことを目的とした『しない競技』が考案された。体操着に袋しない、軽装の防具と運動靴で行うこの競技は、中学・高校の正課となって全国で実施された。』という事のようですから、剣道から武道的要素を払拭したスポーツが、現代剣道になったというのが常識なんでしょうね?
▼自然自由の勢を体得するから引用します。
『この身法に就てーー特に足法に就て諸士のエ夫を要めるところは、近年陸軍に於て戦場実地剣術を大いに顕掲される旨趣最も結構に存ずるところである。然るに著靴して行う陸軍剣術「不整地」の裁合に於て、転倒するものが非常に多いのは甚だ遺憾である。これは剣術教範が、近代一般に行われる剣術の教に一切の範式を採り幕末明和・安永の頃、一刀流の宗師によりて新たに案出せられたる面甲手の道具を着用して行うところの教習法なる「撃込み斬り返し法」の教習法に則るところの現代剣道(これ以外の剣道は我が流を始めとする蓼々たる所謂古流剣道が現存するのみ)に、陸軍剣術が傚(なら)うところあるによるのである。而してその足法ーー足踏みの法たる右足前の比較的(概ね)足踏の巾の狭き後なる右足は足尖を以てつまだち、そしてこの後足の踏切り著しきは跳躍作用によって最も軽捷に踏出し趨歩するところの道場踏板の上にては最も軽捷なる足法、靴を穿って平地ならぬ地上にて行うことは、必ず其処に大なる矛盾と欠点を暴露するに至ることは火を見るよりも明らかである。』ということは、現代剣道の足運びは、非常識なんでしょうか?
参照:本当の合気とは
参照:崩し
▼宝石の色を転載します。
『宝石は、それぞれ何らかの美しい色で輝いています。しかし、実際には水晶のように、無色の石が産出しているのですが、ダイアモンド以外の無色透明の石は、宝石としては、あまり人気がないようです。
宝石の場合は、同じ性質の結晶でも、着いている色によって名前が異なります。石の中に含まれている、微量な不純物によって、色が着くわけです。そして、色によって名前が変わる事を、色別別名といいます。
サファイアで例えれば、
不純物が含まれずに、無色のものはホワイト・サファイア、 ピンク色はピンク・サファイア、黄色はイエロー・サファイア、 緑色はグリーン・サファイア、青色はブルー・サファイア というように、前に色名をつけて呼びます。
ところで、ルビーというのは赤色のサファイアのことなのです。赤以外の色のサファイアは、先ほど説明しましたように、前に色名をつけて呼ばれているのです。しかし実際には、赤とピンクの境界線はどこか。パープルとピンクとヴァイオレット、イエローとオレンジとゴールデンなどはどこで分けるのか。非常に難しいものなのです。
値段でいいますと、同じ重さで、同じ品質のルビーとピンク・サファイアとでは、ルビーの方が高額になります。さらに、宝石の色は、産地(ビルマ・タイ・セイロンなど)によっても微妙に異なります。セイロン産のサファイアの場合は、全体的に紫がかっていることがありますので、少々ピンクや紫がかっていても、ルビーと鑑別されることが多いようです。
サファイアは六方晶系ですので、二色性があります。ですから、結晶軸に対して見る角度によっても、見える色が変わってきます。さらに、赤道に近い国に行って、そこで検品して良い色だと思って輸入しても、日本の冬の太陽の下では、暗く見えてしまいますので、海外で仕入れる時は、そのような事まで考慮しなければならないのです。さらに、見る部屋の光源の違いや、壁の色まで微妙に影響を及ぼすのです。
ルビーの赤は鳩の血の色が、最高の色といわれています。私も昔は、これが最高の色と言う感じで、宝石それぞれの最高品質とされる色を記憶していたのですが、多くのお客様と接してみて、実際に身につけるお客様が似合われるのは、必ずしも最高の色とは限らないということが分かりました。
帯橙ピンク色のサファイアであるパパラチアなどは、20数年前には、それほど高価な石ではありませんでしたし、見かけることもそれほど多くはありませんでした。しかし、その後人気がでて、どんどん高くなり、一時、海外では、黄色からパープルに近いモノまで、何でもパパラチアだと言って出してくるようになりました。鑑別機関でも基準が微妙に別れ、今でもやっかいな石の一つです。鑑別機関としては、場合によっては、出来ればパパラチアとは書かずに、天然サファイアとだけ書きたいこともあるようですが、業者の方が許さないのです。業者によっては、パパラチアと書いてくれるまで、色々な鑑別機関に鑑別を依頼することもあるようです。
パパラチアと鑑別されている石でも、本当に綺麗だと思える石は、非常に少なく、寧ろパパラチアにはならなかった宝石の方に、魅力を感じることがあります。宝石は美しいことが、第一条件だと思いますが、美しさの基準は、人によって異なります。しかし、パパラチヤだからといって、無闇に高価になるのは可笑しいと思います。買ってくださるお客様がいらっしゃるのですから、別に問題は無いのでしょうが…。「稀少石だから高いのです。」という言葉に惑わされず、本当にその宝石が綺麗だと思うか、身につけて似合うかは、ご自分で判断されることをお勧めします。』これが宝石商としての常識ですが、常識なんて所詮自分が常識だと思い込んでいるだけなのかもしれませんねぇ〜
▼「宝石2 ダイアモンドとカラーストーンの価値の決まり方」からコランダムの色相・明度図を転載させていただきます。これらはすべてサファイアとルビーで、同一の鉱物(コランダム)の色変わりということです。
by centeringkokyu
| 2008-12-07 21:26
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