2008年 11月 27日
相手の変化を導くアプローチ |
◎現代催眠のエレガントな技法 吉本武史
「この世はすべて催眠術」 片山交右 吉本武史 共著からご紹介します。
▼催眠は変わった!
従来、伝統的な催眠技法には三つの流れがある、とされてきました。
一つは、誘導者の〝神秘的な威光を利用したもので、メスリズムとよばれる最も古典的なやり方です。
二つめは、催眠誘導の中で、通常の思考の働きを禁止させるものです。からだに「一定の特殊な運動をさせることによって、そこに持ちこむパターンがよくみられます。
三つめが、観念運動(振り子や、手の強直など)を使った方法で、治療にも用いられてきたものです。
催眠といえば、この三パターンが最もポピュラーなものですが、実際にはこの三要素を混合させたものや、さらにそれにショー的装飾を加えたものなどがさかんに行なわれてきたものです。
ところが現代では、こうした伝統的なものとは大きく異なる(催眠)が現われてきたのです。それが、本書で取り上げてきた深層コミュニケーションの技法、つまり米国のミルトン・エリクソン博士によって作り上げられてきた方法です。
エリクソン博士は、精神科医、心理療法家として、心理的な援助のしかた全般にわたって、従来の考え方と方法を革命的に変えましたが、催眠についても、それが本来持っているきわめて大きな意義と有効性を再発見して、新しい応用法を作り出しました。エリクソン博士や、彼に続く現代的な催眠の専門家、研究家によって、催眠は今、伝統的な考え方や技法から離れて、大きく飛躍し発展しています。
こうした現代的な催眠の特長を、私自身の実践と経験をもふまえて、まとめていくことにしましょう。
▼催眠状態(トランス)を見直す
催眠といえば、多くの人が、今でもあの、ショー的な(催眠術)が繰り広げる催眠現象をまず思い浮かべることでしょう。最近では、自律訓練法などの普及によって自己催眠のリラックス体験を思い出したり、あるいはまた、瞑想体験などから催眠状態を類推する人もいることでしょう。
いずれにせよ、それらは「ある特定の方法によって作り出される特定の意識状態である」と思われていることが多いものです。
では果たして、催眠状態(トランス)とは、そのように特殊なものだけをいうのでしょうか。
催眠状態はトランスとよばれていますが、この言葉は、(意識の変性状態)という意味を持っています。よく、脳波のアルファ波とトランスが結びつけられて語られます。確かに脳波がアルファ波になった時、ふだんはベータ波(活動時に出る脳波)であることが多い人間の意識状態が変わっていることは事実ですし、それがトランスの一つであることは確かなところです。
しかしよく考えてみれば、アルファ波状態だけが意識の変性状態とはいえません。実際にはもっと多くの場面で、私達の意識はいつも変性しているのです。
▼毎日がトランスの連続だ
私達は、ふだんは日常の世界(現実)の時間と空間の中にあって生活しています。そのなかで一人ひとりがある一定の現実的な日常意識を自分の中に作り上げています。
こうした日常意識は全く変化を蒙らないのかといえば、大きく変化することもしばしば起こります。たとえば面白い本を読んだり、テレビや映画のドラマを見て、すっかりそれに熱中している状態を考えてみてください。私達の心はその時いまここにいる自分から離れてドラマの主人公の中に入りこみ、そしてたちまち主人公のいる場所と時間へと自分を運んでいくことでしょう。
この時私達の意識はもう明らかにふだんの日常意識から大きく変化しているのです。
こうした意識の変化は、私達が何かを想像したり、思い出にふける時や、あるいはまた我を忘れて物事に集中する時にも必ず現われます。これらの意識の変化はトランス状態とまったく何一つ違うものではないのです。
こう考えていくと、私達は、毎日トランスに入ったり、出たりしているといえます。つまり、催眠状態とは特殊な場で作られるものではなく、たいへん日常的な心の出来事であることが改めてクローズ・アップされてくることでしょう。
その意味では今までいわれてきた催眠やトランスは、不当なほど狭い、固定的な枠の中にとじこめられてきたのです。そして、エリクソン博士をはじめ、すぐれた現代の催眠家達が、こうした枠の中から催眠をとき放った時、催眠はもはやあの儀式めいた形式的なものではなく、ましてやケレン味だけのショー的なものではない、新しく豊かな内容と技術、有効性を発揮し始めたのです。
#楽隠居です
昨日、実家の母から電話があり、兄嫁が父を連れて病院へ行きレントゲン撮影した結果、右肺が真っ白で、肝臓や腎機能も弱っているということでした。父はそれなりに元気なようですが、なにしろ油断できない状態であることは確かです。
父が毎日トランス状態でテレビを見ている訳ではないと思いますが、右股関節がズレ、何時も右肘を椅子の肘当てにもたれかけて、捻れた状態でテレビを見ているようです。右腕がしびれてしまっていることにも気付かないのです。
右肺と肝臓の異常原因が、必ずしもテレビを見ている姿勢だけだとは思えませんが、何らかの影響があるはずだと考えています。
偶然、春風堂日記で日常生活・仕事環境を見直し、改善することについて書いておられますので、是非ご一読ください。
こんな記事を見つけました。
「何もしない人の分なぜ(医療費)払う」麻生首相
Sankei Web 2008.11.26
麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日に公開された議事要旨で分かった。
首相は、努力して健康を維持している人が払っている税金が、努力しないで病気になった人の医療費に回っているとの見方を示した上で、「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブ(動機づけ)がないといけない」と話した。
by centeringkokyu
| 2008-11-27 00:02
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